「俺を? 本気で言っているのか?」
「俺は本気だ。俺達とチームを組んでほしい」
紫色の髪の男子生徒の言葉に光仙が答えると、後ろにいる物間が話しかけてきた。
「雷田、彼は誰なんだ? 知っているのかい?」
「いや、初対面だ。だけど彼の活躍は知っている。障害物競走で俺はゴールしてから他の選手の動きを控え室のモニターで見ていて、そこで少しだけ彼の姿が映っていた」
光仙は物間と塩崎にそう言うと、再び視線を目の前にいる紫色の髪の男子生徒に戻して話を続ける。
「あの時の君は、今からやる騎馬戦の騎馬を組んだ他の選手達に乗っていて、騎馬の選手達からは明らかに意思があるようには思えなかった。……そこから考えて君は他人の身体を本人の意思とは関係なく動かす個性を持っているんじゃないか?」
「………はぁ。そうだよ。正解だ」
光仙に言われて紫色の髪の男子生徒は、一つため息を吐くと観念した顔となった。
「俺の名前は心操人使。一年C組、普通科だ。俺の個性は『洗脳』。話しかけて返事をした相手を操れるという個性だ」
「なるほど」
「まあ……」
「………!? 凄い個性じゃないか!」
「何?」
紫色の髪の男子生徒、心橾が自分の個性について説明すると光仙達は驚きながらも納得し、中でも一番反応が大きかったのは物間であった。心操が予想外の反応に戸惑っていると、物間が満面の笑みを浮かべて心操に近づいて肩を組んだ。
「心操君、君いいねぇ! 凄くイイ個性だよ! 僕は君が気に入ったよ! うん、一緒にチームを組もう! そして一緒に憎きA組をブチ倒そうじゃないか!」
「憎きA組……? まあ、ともかくチームを組んでくれるなら俺としても助かるよ。それで皆はどんな個性なんだ?」
チームを組むことを了承した心操が光仙達の個性について聞くと、光仙達は一つ頷いてから自分の個性について説明する。
「俺の個性は『荷電粒子砲』。簡単に言うと両手からビームを放つ個性で、その応用でイオンを放出して空を飛んだり電撃を放つことができる。両手を使う個性だから騎手を希望している」
「私の個性は『ツル』。このツルを使い、皆さんをお守りします」
「僕の個性は『コピー』だね。触れた相手の個性をコピーすることができるよ」
「……!? それは、凄いな……! 皆こそ凄い個性じゃないか」
光仙、塩崎、物間が自分達の個性を説明すると心操が驚き目を見開くが、彼が驚くのはある意味当然と言えた。
遠距離戦を得意とする光仙の攻撃力。
広範囲をカバーできる上に攻撃の補佐も可能な塩崎の防御力。
他者の個性をコピーして行動の手数を増やす物間の応用力。
そしてそこに相手を洗脳する心操の奇襲力が加われば、この大会でもトップクラスの戦闘力を持つチームが誕生するだろう。
こうして光仙達のチームが完成すると、他の生徒達もそれぞれチームを組み、いよいよ第二種目の騎馬戦が開始された。
「それでは第二種目騎馬戦……始め!」
『『……………!』』
騎馬戦が開始されると、騎馬を組んだ生徒の大半が動き出した。彼らが向かった対象は1000万ポイントのハチマキを持つ光仙達であった。
「やっぱり来たか! どうする、雷田!? 逃げるか?」
「大丈夫。予想通りだ」
こちらに向かって来る生徒達を見て騎馬を組んだ心操が聞くと、光仙は両の掌を向かって来る生徒達に向けた。
「
『『…………………………!?』』
光仙が呟いた瞬間、彼の両手から電撃が放たれ向かって来た生徒達が感電させる。
「逃げるつもりはない。俺達は前に進んで勝ちに行くぞ」
『『了解!』』
物間、塩崎、心操の騎馬を組んだ三人が、光仙の電撃で感電した生徒達に向かって行った。