笑えない少年のヒーローアカデミア   作:兵庫人

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第六話

 光仙の攻撃により、鉄哲と宍田に鎌切の三人は感電して気を失ったが、試合が終わってすぐに目を覚ました。

 

 そして光仙と塩崎、そこに鉄哲と宍田に鎌切を加えた五人が試合を観戦するモニタールームに行くと、そこにいたB組生徒達が彼らの元に集まって光仙に質問をする。

 

「おいおい、光仙! お前凄かったな!」

 

「鎌切の刃を素手で止めて怪我してねぇの!?」

 

「というか、さっきの電撃は何だよ!?」

 

 クラスメイトに質問された光仙は、実際に戦った鉄哲達からも視線を向けられているのを感じて、皆からの質問に答えることにした。

 

「俺の両腕は手から荷電粒子を発射できるだけだけじゃなく、鋼よりも硬いからそれで鎌切の刃をキャッチしたんだ」

 

「はぁっ!? 個性被っているのかよ?」

 

「いや、雷田の方が上位でしょ? ビーム出せるし」

 

 両腕が鋼よりも硬いと聞いて、全身を鋼に変える個性「スティール」を持つ鉄哲が大声を出し、それに吹出漫我が答える。しかし光仙はそれに首を横に振る。

 

「俺の身体で硬いのは両腕だけだ。それ以外は普通だよ」

 

「何だ、そうかよ! いやー、個性が被っていたら面白いな、と思っていたんだがよ!」

 

 大声で笑う鉄哲に内心で苦笑しながら光仙は次に電撃について説明する。

 

「それでさっきの電撃は『Arizona(アリゾナ) SHOT』と『 Alaska(アラスカ) SHOT』と言って個性の応用した技だ。『Arizona SHOT』は手で掴んだ相手の身体にのみ、『 Alaska SHOT』は前方の広範囲に電撃を放って比較的安全にヴィランを無効化する。今回は初見ということで上手く決まった」

 

「もう自分だけの技とか考えているんだ? ……アレ? そう言えば塩崎は試合中、何処にいたの?」

 

「私は雷田さんの指示で一階にある部屋で核兵器を守っていました」

 

「えっ!? 塩崎って一階にいたの?」

 

 すでに自分の技を作っている光仙に感心した顔をしていた取陰が思い出したように聞くと塩崎が答える。すると光仙と同じ階、もしくは上の階にいたと思い込んでいた取陰を含むB組生徒達が驚いた顔となる。

 

「そう思ってもらうように、階段を重点的に塩崎の茨を張り巡らせていたからな。鉄哲達を核兵器から離れた場所に誘導した後、俺が遠距離をメインにして戦い時間を稼ぐ作戦だった。俺は個性の応用で空を飛べるから、もし鉄哲達が一階から順番に探そうとしたらすぐに向かう準備もしていた」

 

「おお〜……。しっかりと考えて戦っていたんだね。こりゃあ、鉄哲達が負けても仕方ないかもね」

 

 光仙が試合で自分が立てた先戦を説明すると吹出が感心したように言う。

 

「くっ! 何も言い返せねぇ!」

 

「そうですね。私達は実力だけでなく作戦面でも遅れていましたし、この結果は仕方がないかと……」

 

「ちっ!」

 

「はい。雷田さんのお陰で勝利を手にすることができました。雷田さん、ありがとうございました」

 

 吹出の言葉に鉄哲と宍田に鎌切が悔しそうな顔を浮かべながらも自分達の負けを認め、塩崎が光仙に礼を言って小さく頭を下げる。他のB組生徒達も感心した目で光仙を見ており、更にその後方では………。

 

「……」

 

 本来ならB組生徒達を注意すべき先生であるオールマイトが、光仙にだけに見えるようにサムズアップして笑いかけてくれていた。

 

 オールマイトが、世界で最高のヒーローが、義父が自分を褒めてくれたことに光仙は胸の奥が暖かくなった気がした。

 

 義父がヒーローから雄英高校の教師となり危険な一線から僅かだが下がった今を、光仙は不謹慎だと思いながら安心しながら嬉しく思っていた。

 

 このまま義父が安全な後方、雄英高校で教師を続けて自分が次のヒーローになるために学ぶ日々が続けばいいと思っていた光仙だが、そんな日は長く続かなかった。

 

 実技授業から数日後。ヒーロー科の実技試験で一年A組が演習場で救助訓練を行っていた時、「ヴィラン連合」と名乗るヴィランの集団が襲撃してきたのだ。

 

 ヴィラン連合の中には非常に強力なヴィランがいたらしく、救助に駆けつけたオールマイトも傷を負ったらしい。オールマイトの傷は他者の傷を治癒する個性を持つ保険医、リカバリーガールのお陰で完治したが、教師になっても戦いから逃れられず傷を負ったという事実に光仙は複雑な思いを懐くのだった。

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