ようこそかぐや様がいる実力主義教室へ   作:ロボっピ

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※キャラ崩壊注意


綾小路清隆は話したい

学校行きのバスに乗った時に一瞬だけ目が合った彼女。あの氷のような冷たい目を見て俺はすぐに"あの子"だと察した

 

 

 

俺には友達と思えるような大切な人が1人いる。約9年前まだあの施設にいた頃、俺は1人の女の子と出会った。彼女は施設内でも有名で噂などで名前は知っていたけど会ったのはあの時が初めてだった。まぁ会えたのはあの日だけで会話らしい会話も全然しなかったけど

 

あの無機質な空間で誰かと肩を並べて一緒に過ごしたのは初めてで今でもあの日のことは幸せな思い出として記憶に残っている

 

 

そして今、"あの子"が俺のすぐ側にいる。今すぐ声をかけたい所だがあの日から9年。しかもたった1日しか会っていないのだ。忘れられている可能性が高い。もし話しかけて俺のことを忘れていたとしたら彼女にとって俺は変人、痛い人となり、距離を置かれるだろう。それだけは避けたい

 

どうしようかと10分くらい悩んでいると突然あの子が席から立ち上がった

 

「お婆さん、立っているのも辛いでしょう?どうぞ座ってください」

 

どうやら悩んでいる間に乗車客がかなり増えていたらしく、車内はとても混雑していた

 

「おや、いいのかい?」

 

「ええ、目の前で疲れた様子の方がいるのに席を譲らないというほど心は狭くありませんし、どうせ後10分程で降りますから」

 

おいおいかなり毒舌だな。一瞬で空気が凍ったぞ。気まずそうに顔を逸らす人も多いが睨みつけてる人もいるんだけど。おばあさんもちょっと困ってるじゃん。もうちょっと優しめに言った方がいいぞ。ほら、「おばあさん疲れてるようだし、私はあと少しで降りるので大丈夫です」とかさ!

 

ってなんで俺はこんなに彼女を心配してるんだ?彼女はそんなの気にするタイプでもないだろうに

 

まぁいい、それよりもだ

 

俺は存在感を出来る限り薄くし、彼女に気づかれない程度に目を向ける

 

久しぶりに見たけどすごい綺麗になったな。昔は可愛かったが今は美人って言葉の方が似合うと思う。というか、俺と同じ制服を着ているということはやっぱり一緒の学校に通うんだよな?同じクラスだったらいいな…そしたら不自然なく話しかけられるだろうし。しかも隣の席だったらその場で雄叫びをあげてしまうだろう

 

いや、やんないけどね。…多分

 

 

 

 

 

 

 

 

学校に到着し、バスを降りると少し離れた所にあの子がいた。よし、話しかけよう!

 

勇気を振り絞りいざ、話しかけようとした時だった。俺の背後から茶髪の少女が小走りであの子に駆け寄り話しかけたではないかっ

 

綾小路出遅れる

 

「私あなたと同じバスに乗ってたんだけどあなたさっきお婆さんに席を譲ってあげてたよね?」

 

「そうですがそれが何か?」

 

「お礼を言いたくてね!お婆さん凄くフラフラだったから心配してたんだ」

 

え、君がお礼言うの?なんで??

あの老婆がお礼を言うのはわかるが席を譲っただけのことで無関係の人間が態々お礼を言いに行くのはおかしいと思う

 

変な話しかけ方だなと思っているとあの子が茶髪の少女に(後に俺が絶対に彼女に言われたくない言葉ランキング1位の)言葉を呟いた

 

 

「お可愛いこと」

 

ゾゾッ

 

彼女からその言葉を聞いた瞬間、俺の背筋が凍り心を抉り取られたかのような感覚に襲われた

 

なんだこれは…俺が言われたわけでもないのにこんなに精神的ダメージを食らうとはっ

 

お可愛いこと___それは現代ではあまり使われない言葉ではあるが年配の者が子供に可愛いと褒める時に使う褒め言葉であり、そして貴族達が他人に向けて嫌味を言う際に使う言葉でもある。だが、今綾小路の目の前で"お可愛いこと"と言ったときに浮かべたあの表情。あれはまるでこちらを憐れみ、嘲笑っているように感じた。普通の人からしてみればこれ以上ない屈辱を味わうのだが、綾小路にとってかぐやは唯一大切だと思える特別な存在。そのかぐやに面と向かって「お可愛いこと」と言われた際には__正気を保っていける自信がない!

 

な、なんとかこれからあの言葉を言われないように気をつけなければ

 

痛む心臓になんとか耐えている間に少女達の会話が進んでいく

 

「あなた私があのお婆さんに席を譲っただけのことで態々お礼を言いにきたの?」

 

「そう、だけど…」

 

「ならあなたは同じバスに乗っている人が席を誰かが譲ったら毎回その人にお礼を言うの?道に迷ってる人を助けた人にもゴミ拾いをするボランティアの人にも全く関わりのない赤の他人のあなたがその誰かにお礼を言うの?」

 

「それはっ」

 

「…まぁ、あなたにしたらただ一緒に学校に行こうと誘おうとしたあなたなりのコミュニケーションのつもりなのかも知れないけど残念ね。人選ミスよ。私にはいかにも私は善人ですっていい子ちゃんアピールしているようにしか見えないわ。話は済んだでしょう?失礼するわ」

 

「…………ふぅ。あれ、いなくなってる」

 

心の痛みが治った時にはあの子はいなくなっていて茶髪の少女だけがぽつんと取り残されていた。何やら俯いてプルプルと震えているが更に精神的な攻撃でも受けたのだろうか?

 

まぁいい、あの子のことは一旦置いてクラスを確認しなくては

 

 

 

 

校舎の前に貼り出されたクラス分け表

 

「俺はDクラスか」

 

校舎に入ると中にいた生徒達がガヤガヤと騒いでいる。早いなもう友人を作った人もいるのか。俺も見習わないとな

 

 

1-Dと書かれた教室を見つけ中に入ると一番に目に入ったのは___

 

「(えっなんでいるんだっ!?)」

 

教室の隅に座っているあの子の姿が

 

ま、ままままさか同じクラスだったなんて、ちゃんとクラス表を確認しておくんだった…!

 

とてつもなく動揺する綾小路だが、さらに重大なことに気がつく

 

「(あれ?同じクラスなら隣の席の可能性もあるんじゃ…)」

 

いやいやいや、それはない!!そんな奇跡が起こるはずがない!例え奇跡的に隣の席になったとすれば俺は雄叫びを上げるほどに喜んでしまう!

 

綾小路にとって彼女の前でいきなり雄叫びを上げる失態は絶対に避けたい事だった

 

落ち着け。落ち着くんだ綾小路清隆!こんな事で取り乱すなんてあの子に変人を見るような冷たい視線を向けられてしまうぞ!とりあえず昔あの施設にいた時の無の心を思い出すんだ!

 

目を瞑り深呼吸してからゆっくりと目を開ける

 

…よし、もう大丈夫だ。俺はそのまま自分の名前が書かれた席を探すとどうやら俺の席はあの子の後ろみたいだ

 

冷静になった俺は席に座り持っていた鞄を机の横に引っ掛け、少ししてから彼女の肩を叩くとすぐに振り返るあの子

 

「俺は綾小路清隆、よろしく」

 

「…私は四宮かぐやといいます。よろしくお願いします綾小路さん」

 

四宮かぐや___それが"あの子"の名前。

 

懐かしいな…

 

「…それにしても随分と変わった挨拶ですね」

 

くすりと笑うかぐや、いや四宮を見て思い出すのは

 

"お可愛いこと"

 

「うっ…」

 

無の心、崩壊

 

「すまない俺は生まれてこの方友達と呼べる人がいなくてな。どう話しかければいいのかわからなかったんだ」

 

「友達と呼べる人がいない…」

 

あの言葉の恐怖に無の心から感情が戻ってしまうも綾小路は昔の感覚を少しだけ取り戻した為落ち着いてかぐやと話すことが出来た

 

「そうなんですか?実は私もなんです。似た者同士仲良くしましょう?」

 

「お、おう!(普通に会話が出来た。嬉しい!)」

 

 

その後四宮は俺と少し会話をすると正面を向いてしまう。本当はもっと話したかったけど第一印象が変人にならなかっただけ良かったと思うことにした

 

「(それにしても…)」

 

やはり四宮は俺のことを覚えていないみたいだ。しかも警戒しているのかなんだか壁があるような気がした

 

あの氷のような冷たい目を思い出す。これは心を開くのに時間がかかりそうだな

 

 

 

 

 

因みに隣の席の堀北という女子生徒にも同じような自己紹介をしたら鼻で笑われたがなんとも思わなかった

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