なんとびっくり、1000UA越えてました。びっくりです。
この小説、思いつきで作り始めたんですが…
凄く、大変です…
毎日投稿してる人とか、ほんとに尊敬します。
さて、長くなりましたが、本編どうぞ。
とある日のとある部屋にて…
「……も、むり……ちょっと、ねる」
「……私も、流石に…きつい…」
「えっ、ちょっ、白!?優!?」
「ちょ、待て!今お前らにオチられたら回復担当と後方担当がーー」
「…にぃ達なら、できる」
「頑張って…ふぁいと(ピシッ)」
「理論上はそうですね!
今両手で操作してる二キャラに、お前らが操作放棄した合計四キャラを俺ら二人が足で操作すればね!」
「そしていい感じでサムズアップしてんじゃねぇぇぇ!」
「……ふぁい、と(グッ)」
「待ってっ、いや待って下さい白さん優さん!あなたたちが寝ちゃうとみんなーーつか主に俺ら二人が死んじゃう!ーーーうおぉぉぉやったろうじゃねぇかぁ!いくぞ翔ぉぉ!」
「えっちょっマジでやんのかーーーくそぉぉぉ後で湿布確定じゃぁぁぁぁぁ!」
妹がーーーというか白がーーー積み上げたカップ麺の容器が五つを数えた頃。
即ち五日目の徹夜の、そんな兄妹達のやり取りが部屋に響く。
そんな兄達の悲痛な、だが覚悟の叫びを他所に、ゲーム機を枕に寝ようとする妹達の耳に。
ーーテロンッ、と。
パソコンから新着メールを告げる音が届く。
「……にぃ、メール」
「四画面四キャラ操作してる兄ちゃんに何を要求してるか知らんが、そんな余裕ねぇっ」
「……むう、じゃあ」
「空兄と一緒の事してるから以下略ぅぅぅ!」
両手両足で、器用に四つのマウスを操作し、
二人八人パーティーを操り獅子奮迅の活躍を見せる兄達は余裕なさげそうにそう答える。
「つかどうせ広告メールだろほっとけ!」
「え、友達からじゃないのー?」
「ーーー誰の?」
「空兄の」
「……にぃ、の」
「はは、おかしいな、愛しい妹たちに胸を抉られる皮肉を放たれた気がする」
「それじゃあ…」
「……翔にぃ、の?」
「…ははは、何でだろうな、今なにか心の傷を更に広げられる刃を受けた気がする」
「……しろの……って、言わない、理由……察して…欲しい」
「全くだよねー。私のって言わないってのも、察して欲しいなー。」
「じゃあやっぱ広告メールだろーが。つかお前ら、寝るなら寝ろよっ!寝ないなら手伝えぇぇぇぇっ!」
「寝ないんだったらせめて湿布でも用意sーー「 あ、あぁっ、死ぬ、死ぬっ! 」 ーー空兄!攻撃キャラだけならなんとかなる!?」
「ーーー多分、何とかなるッ!」
「俺が回復に専念する!白のマウス貸して、そっちに俺のマウス回す!」
「了解、任せたぞ、わがマイブラザー!」
「任された!」
兄ーー空。
十八歳・無職・童貞・非モテ・コミュ障・ゲーム廃人。
双子の片割れーー翔。
十六歳・引きこもり・いじめられっこ・童貞・非モテ・コミュ障・ゲーム廃人。
自慢ではないが、彼女はおろか、友達すらいない己に届くメール候補に「友人」などというカテゴリーはあろうはずもなく、その説は却下される。
…もはや、自虐と言えるレベルである。
もっとも、それは妹ーーー白と、双子の片割れーー優も同じらしかったが。
「……うぅ……めんど、くさい」
「ふらふらするよぅ……」
だが妹達は、眠気に手放しそうになる意識を振り絞って、起き上がる。
ただの広告メールなら問題ないのだが、『新しいゲームの広告メール』なら、無視する訳にはいかないからだ。
「……にぃ、タブPC……どこ」
「三時方向左から二番目の山の上から四個目のエロゲの下ッ、ぐおぉ足攣りそぉッ!」
「ちょっ、空兄!なんて所においてんd…、ちょ、火事場体力かよくそぉぉぉぉぉ!」
「全く、変なとこでツッコミに入るんだから……お、これかな」
苦悶にあえぐ兄と、ツッコミを発動しつつあった翔を無視して、言われた通りの場所を漁り、タブPCを発見した優。
ヒキコモリとニートが、タブレットPCを何に使うのか、疑問に思われるだろうか?
しかしそれは愚問と言わざるを得ない。
もちろんーーーゲーム用だ。
だが、この兄妹達に限って言えば別の使い方もしている。
無数のゲームのため、無数のアカウント、メールアドレスを持っている四人だが、基本的にゲーム機専用となっているパソコンにかわってこの端末で、60以上あるメールアカウントを同期し、メールを閲覧している。
効率主義と呼ぼうか。
はたまたアホと呼ぶべきか。
もはや凄いと言うべきなのか…。
「……音はテロン……だから…」
「確か、三番メインアドレスの着信音だったはず…だよね?」
「……優、せいかい」
異様な記憶力を発揮してメールをあっさり発掘する白と優。
とーーーどうやら本当に二人で八キャラ、リアルタイム戦闘で操って、討伐に成功したらしき兄達の勝利の咆哮を背に、メールをチェックする。
ーー【新着一件ーー件名:『 』と『∞』へ】
「「……?」」
二人同時にこく、と小首を傾げる。
『 』ーー即ち「空と白」や、
『∞』ーー即ち「翔と優」に届くメールはさして珍しくない。
対戦依頼、取材依頼、挑発的な挑戦状ーー
いくらでもあるのだが、これは。
「…空兄、翔」
「何かな?寝るといって兄ちゃん達二人にゲームを放り出して、結局寝てない上に兄ちゃん達二人に物理的な縛りプレイさせた、愛しい鬼畜妹達よ」
「いってててて…湿布湿布……ああぁぁぁぁぁ、しみるぅぅぅぅぅ…………で、何?」
「……これ……」
兄の皮肉や爺くさい台詞など聞こえていないかの様に画面に写るメールを兄達に見せる。
「うん?ーーなんだこれ」
「へ?ーーーッ、これは」
兄達も、そのメールの特殊性に気づいたようで。
「「セーブよーし、ドロップ確認よーし」」
間違いなく、確実にセーブされたのを確認して、五日ぶりに画面を閉じ。
パソコンからメーラーにアクセスする。
そして空が訝しげに。
「…なんで『 』が兄妹だって…」
「…しかも、『∞』が双子だってことも…」
ーー確かに、ネット上で『 』や『∞』の複数人数説や、兄弟説があるのは、空や翔も知るところではあった。
たが、問題は件名ではなく、本文にあった。
本文には、一言だけ、こう書かれ、URLがはられていた。
【君ら兄妹・双子は、生まれる世界を間違えたと感じたことはないかい?】
「……なんだこれ」
「「「………」」」
少し、いや、かなり不気味な文章。
そして、見たことのないURL。
URLの末尾に「.jp」などの国を表す文字列がない。
特定のページスクリプトへのーーー
つまりゲームへの直通アドレスで見かけるURL。
「……にぃ」
「…どうするの?」
あまり興味はなさそうに、白と優が問う。
だが、四人の正体をしっているそぶりの文面には、彼女達も思うところはあるようで。
そうでなければ、無言、無反応でゲーム機を枕に寝に戻っただろう。
三人は、兄に判断を委ねるーー
それは、兄の領分だと判断したため、即ちーー
「駆け引きのつもりか?まあ、ブラフだとしてもノッてみるのも一興か」
そう判断し、URLをクリックする。
ウィルスなども警戒し、セキュリティソフトを走らせながらURLを踏んでみた。
が…現れたのは、なんとも簡素な。
至ってシンプルな、オンラインチェスの盤面だった。
「…なーんだ、ただのチェスか」
「……ふぁふ……おやす、み……」
「「まてまてまてまて」」
「んーなんだよぅーねむいんだよぅー」
「まぁまてって…こんなんでも一応俺達『∞』と…」
「…俺ら、『 』あての挑戦状だぞ。相手が高度なチェスプログラムとかだったら、俺ら二人じゃ手に負えないって」
一気に興味が失せたらしく、眠りに戻ろうとする妹達を引き止める兄達。
「……いまさら、チェスとか……」
「ただの○×ゲームだよ?」
「うん、まぁ、なぁ…」
「いや…まぁ、気持ちはわかるけどさ」
世界最高のチェス打ちーーグランドマスターを完封したプログラム。
そのプログラムに、各々20連勝して興味が失せて久しい。
ヤル気がわかないのもわかる、が。
「『 』『∞』(くうはくムゲン)に負けは認められない。せめて相手の実力がわかるまで、起きててくれ。」
「…流石に俺らはアレには勝てないからなー…」
「ええぇぇぇぇ…」
「……うぅぅ……わかった」
「…で、どっちがやるの?」
「俺めんどくさい。翔がやって」
「ええぇぇ…」
…そんなこんなで、チェスを打ち始める翔。
一手、二手と積み重ねていく兄の対戦を、興味なさそうにーーー
いや、眠そうに。
ふねを漕ぐように、かくん、かくんと眺めている白と優、そして弟と同調するようになにやらブツブツ言っている空。
と。
「ダメだこりゃ…白ちゃん寝てるよ…」
「え…oh、どうやら本当のようだ」
「なん…だと…」
「くー……すー……」
…白は、ほぼ寝ていた。
…いや、そう指摘した優もほとんど目が開いていないのだが。
がーーーーー五手、十手と翔が重ねたところで。
「…っ。これは…」
「…え?あれ、こいつ…」
と、男性陣二人が違和感を覚えると同時、優が立ち上がり、言う。
「私がやるよ。翔、交代して」
「ん」
「…白も、見よう、かな……」
「おっと、お目覚めか」
「……無理そう、だったら……代わっても、いいよ?」
「なにおう。少なくとも白ちゃんと私は同列のはずなんだけどなー」
「そこ、ケンカしない」
「え、これケンカ?」
少しのツッコミの経て、素直に椅子を明け渡す翔。
それは、優が翔の手に負えないと判断したということ。
そして、白も気配を感じたのか起きてきた。
それはつまり、兄達の手に負えないと判断した、ということ。
つまり、世界最高のチェスプレイヤー達が相手するに足ると判断したということ。
入れ替わった優が、出番を重ねていく。
ーーーーーーチェスは
『二人零和有限確定完全情報ゲーム』である。
『運』という、偶然が差し挟む余地もないこのゲームにおいて、理論上、必勝法は明確に存在するが、それはあくまで理論の話。
十の百二十乗という膨大な局面を把握出来た場合の話である。
ーーが、それを「ある」と断言するのが白。
つまり、十の百二十乗の盤面を読めばいいだけの話と断言し、
事実世界最高のチェスプログラム相手に二十連勝した。
ーーーそしてそれは、その姉…優にも引き継がれている。
ーーーそして驚くべきは、妹のチェスを見ていて「面白そう」という理由で覚えたという。
…その、面白そうという理由のみで、最強のプログラムを打ち倒した、それがどれ程の事か…。
本人達には、知る余地もない。
…というか、知っても特に何も思わないだろう。
そして、優に代わって、数手。
「…あ、あれ?」
優が、困惑の声を挙げた。
その理由は…
(…わざと悪手を打ってきた?)
…そう、対戦相手は自分のコマの退路を防いだのだ。
本来ならこんな手を打つはずがない。
そう、優が思った時
「優、落ち着いて」
「え?」
入れ替わってから画面を黙って見つめていた翔が、突然言葉を発した。
「これさ、相手は機械じゃないよね」
「…え?でも翔はさっきまで…」
「いやいや、お前達と一緒にするな…」
ココが違うから、と自嘲気味頭をつつきながら笑いながら続ける。
「確かに俺はさっき圧倒されてた。だけどな…」
そして、タメを少し。
「いつから相手が機械じゃないと錯覚していた?」
「…ハッ!」
「アホかお前ら!」
ズビシィッ!
「「いったぁ!」」
…空のチョップが飛んできた(優には白のチョップが)
「お前らなに『一度は言ってみたい台詞』第七位の台詞いってんだコラァァァァ!」
「……翔達だけ、ズルい」
「いやー、折角だし」
「やってみようかと思いまして…」
「気持ちはわかるけどな…うん、よぉーーーくわかる」
けどな、と空。
「今チェスの途中だろうがよ」
「「…」」
少し考え、
「「そういえばそうだったねぇ」」
…やっぱアホだこいつら
そう思った『 』は悪くない。
「…さて、とりあえず優」
一つ間をあけて、言う
「これは機械相手じゃない、人間だ」
「……」
「機械は常に最善手を打つ、けどこいつはわざと悪手を打ってこっちを誘ってる」
「…うん」
「…これは、お前のミスだ。お前が機械だと決めつけたから、お前に今焦りが入ってる」
「っ…」
「けどな、優?」
「…なに?」
「相手が機械じゃないなら、お前や…白は負けない。少なくとも、今までそうだった」
「…うん」
「だから、落ち着いて、冷静になって考えろ。相手が誘ってきたら、俺が注意するからさ」
「…うん!」
「俺たちは…」
「私たちは…」
「「二人で『∞』なんだ!」」
「…あれ、俺らなんか空気じゃね?」
「……しろも、そう思う…」
「「…あ、忘れてた」」
「「オイ」」
…そして、翔が優のフォローに入った後。
待ち時間がないこのチェスは、数時間に渡って行われた。
そしてーーー
『チェックメイト!』
ゲームが、終了した…
その結果は……………
ーーー『∞』の、勝利だった。
「「「「……っはぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」」」
四人の面々は、緊迫していた糸を緩める。
「な、なんとかかてたぁ…」
「あ、あぶなかったぁ…」
「…すごいな、見てる俺らも緊張してたぜ」
「翔兄…優姉…ぐっじょぶ」
各々の感想を言い合っていると…
ーーーテロン!
再び、メーラーの着信音が。
「お、今の対戦相手じゃねーのか?」
「えーと、そうだね」
そのメールの内容はーーーー
『勝利おめでとう。その腕前、さぞかしその世界は生きにくくないかい?』
その、一言で
この場の空気が、とてつもなく冷えた。
勝ち続けたら、ペナルティを受け。
ーーー頭が良すぎる故に、いじめられた白。
負けてもペナルティを受ける。
ーーー出来が悪い故に、突き放された空。
導こうとすると、それを怪しまれ。
ーーーいわれのない中傷にさらされた翔。
勝手に集っては内側から割れていく。
ーーー周りが勝手に壊れていく目に遭った優。
勝利条件も不明。
敗北条件は多数。
ルールは守っても、それをぶち壊すものに負ける。
この世界のこと、どんな感想を言うかと言われれば、この四人は迷いなくこう答えるだろう。
「クソゲー」だと。
『ご高説どうも。ナニモンだテメェ。』
空が、イラつきを隠さずに、そう返信する。
ーーーすぐに、返信が帰ってきた。
『もし、ルールが明確な…』
しかし、それは返事ではなく。
『国境線も、なにもかも』
だが、その言葉は…
『ゲームできまる、そんな世界があったなら、どうする?』
四人が羨望を禁じ得ない、ことばだった。
四人の代表として、空がキーボードに打ち込む。
『ああ、そんな世界があるなら、俺らは生まれてきた世界を間違えたワケだ。』
送信ーーーーー
その、刹那。
ーーーーぶつっ!
「「「「!?!?」」」」
その部屋の、全てのPCーーー否、メーラーを開いていたPC以外のPCの電源が落ち。
現在唯一電源がついているPCも、ノイズが走っている。
そして、それは響いた。
PCの中から。
「僕も、そう思う!」
「な、あ!?」
「まさしく、君たちは生まれる世界を間違えた!」
「ひ、い…にい…!」
「ならば、僕が生まれ直させてあげよう!」
「きゃ、なにこれ!?」
「君たちの生まれるべきだった世界へーーー!」
「うおあああああ!」
ノイズの走っているPCから、無数の手が伸びてきて、四人を掴む。
そして、四人は
「この世界」から、消失した。
さて、どうでしたか?
なんかもう、物凄い駄文臭がプンプンします。
こんな小説でも、少しは笑ってくれていると信じて。
それでは。
誤字、指摘などありましたら報告お願いします。