──ナナカマド博士は、俺の大恩人だ。
ギラティナを仲間にした時、ダークライを仲間にした時。俺は後始末を全部ナナカマド博士と両親にぶん投げた。だって俺、まだガキだし。
まだ年齢の問題があってポケモン図鑑は貰ってないが、後数年したら図鑑をもらって旅に出る予定だ。これは決定事項。
「博士ー、呼ばれたからきたけど……誰?」
「……やれやれ、やっと来たか問題児」
ある日博士に呼ばれて研究所へと向かえば……なんとそこにはあのシロナさんが!
長い金髪に銀の瞳、黒い服はちょっとイラストとデザインが違うしシロナさん自体が大人じゃない、まだ子供といった感じだが──紛れもない。恥ずかしい人だ。
「……博士、彼が?」
「うむ。ギラティナを仲間にし、ダークライまでも仲間にしたのだ」
「クロです。宜しく」
「考古学者のシロナよ。……へぇ」
面白そうな笑みを浮かべたまま見つめられる。
イラストやドットでも知ってたけど、やっぱり綺麗な人だ。パーティはかわいくないけど。この人のガブリアス強いんだよなぁ。
「……ねぇクロ、ちょっとお話しがあるんだけどいい?」
ポケモンバトルはちょっと早すぎませんかね!?
ポケモンバトルを挑まれるのかと思ったが、違った。
シロナさん曰く、ここじゃ満足に戦えないということらしい。確かにギーなんででかすぎて出せないし、この人のエースのガブリアスだって大きかったはずだ。ゲームじゃあんまり気にしなかったけど、実際考えてみれば怪獣戦争みたいになりかねないしな。研究所に被害が出てしまう。
……いやちょっと待て、これ俺のポケモンが小さければバトルになっていたかもしれないのか……?
シロナさんのお話しは、ギー……ギラティナとメア……ダークライに会わせて欲しいというものだった。考古学者をしていると言っていたし、ゲームでも主人公を助けていた覚えがある。
「……どうかしら……?」
「……いいですよ、その代わりシロナさんのポケモンに会わせてください。新進気鋭のトレーナーであるシロナさんのポケモンが気になるんです」
この人がゲーム通りチャンピオンになるなら、殿堂入りが目標である俺は将来この人に挑むことになるんだからな。知っておいて損はない。
シロナさんは俺の返答に、わかりやすく表情を輝かせた。
……といってもギーは大きい。ここで会わせる訳にはいかない。
──ということで、反転世界にご招待、なんて。
研究所の外に出て、モンスターボールを投げればギーが現れ、反転世界につながる空間の歪みを一時的に作り出した。
空間の歪みに、シロナの手を引っ張ってぴょんと反転世界に飛び込む。
「えっちょっと心の準備がっ、きゃあああああ!?」
シロナさんが悲鳴をあげるが、気にせず一緒に飛び込んで、
──世界が、歪みずれた裏世界が目の前に現れた。