反転世界にシロナさんを拉致……連れて行った後。いつになく真面目な顔をしたシロナさんにあることを提案された。
提案の内容は、シロナさんの弟子になって一緒に旅をすること。俺はまだガキだけど一応男だし、どう考えてもシロナさんにメリットがない。だが理由を聞いて、俺は納得せざるを得なかった。
──伝説のポケモン、ギラティナとダークライ。
再度言うが、俺はまだガキだ。まだ年齢は2桁にもなっていない、両親の庇護下にあるような幼い子供である。
この世界には、ギンガ団やロケット団といった危ない奴ら──ポケモンを奪ったり、その為ならどんなことでもする奴らがいる。俺は前世の記憶のお陰で思考こそガキじゃないが、見た目はどうしようもない。奴らに目をつけられない保証は無いし、狙われた時にギー達を守れるとは思えない。ポケモンバトルだったら勝てるだろうが、それこそ実力行使、暴力でこられたら一たまりもないのだ。
俺がポケモントレーナーとして殿堂入りを目指す以上、ギー達を使わないなんてできない。今はナナカマド博士がなんとかしてくれているが、そんなもの時間の問題だ。いつかはバレる。
──その為のシロナさんだ。
彼女は強いポケモントレーナーである。ゲームでもそうだったし、この世界でもまだチャンピオンにはなっていないが、それでも最速でジムバッジを集めた天才トレーナーとして名高い。加えてシロナさんのポケモンも強い。
彼女の弟子という形で庇護下に入り、トレーナーとバトルの技術を磨きながら旅をして、殿堂入りを目指す。中々良いんじゃないか?
シロナさんからすれば、伝説のポケモンであるギラティナとダークライを間近で観察できる。伝説を仲間にしている俺がいれば、神話の研究が捗る。こう考えてみたら、断る理由のない提案だ。
予定より旅立ちが早くなるが、ギー達を守る為ならその程度のことは受け入れよう。それが伝説を仲間にした責務というならば──。
「──是非お願いします。ギー達を守るために、そしていつか貴女を倒すためにも。俺を貴女の弟子にして下さい」
俺の言葉に、シロナさんはにっこりと微笑んだ。
シロナさんを連れて反転世界から出た俺は、一旦両親の待つ自宅へと帰宅した。シロナさんも一緒で、彼女の助けを借りながら両親に今後の事について話して、なんとか許可を得た。
ナナカマド博士については、既にシロナさんが話を通していたらしい。ナナカマド博士も俺のことは悩んでいたらしく、シロナさんの提案に賛成していたとのことだ。
そうして。
「──大丈夫? 荷物は問題ない?」
「大丈夫です。昨日メアに手伝ってもらって最終チェックもしましたし。ランニングシューズもバッチリです」
黒の肩掛けカバンに、母から貰った新品のランニングシューズと帽子。父から貰ったボールときのみ、回復薬たくさん。
ギーもメアも、ヒトモシ──ランも元気だ。
「気をつけて行ってくるのよ。……シロナさん、息子を宜しくお願いします」
「えぇ。……博士」
「わかっている。……クロ、少し早いが──ポケモン図鑑だ。これを渡しておこうと思う。使い方はわかるな?」
見送りに来てくれた母と父の前で、シロナさんに声をかけられたナナカマド博士が俺に赤い小型の機械を渡す。プラチナでみた通りの機械。
本物のポケモン図鑑だ。
震える手で受け取って操作すれば、既にギーとメアの情報が入っている。ゲームで見た通りの図鑑だ。
「……ありがとうございます、ナナカマド博士」
「……うむ。──旅に出るには早いが、お前の決意は聞いている。彼女がいれば、ギラティナもダークライも守ることができるだろう。ポケモン図鑑も、お前なら完成させることが出来ると考えたのだ」
ナナカマド博士が笑った。
「行け。世界には沢山のポケモンがいる。ギラティナやダークライ以外にも、神話で語られる伝説のポケモンが、確かに存在しているのだ。お前の旅はここから始まるのだ」
──あぁそうだ、このシンオウ地方も、遠く離れたジョウトやカントー、俺の生まれた地であるイッシュ地方も、全て。俺は見ることが出来るのだ。実際に仲間達と旅をして、ポケモンコンテストだって、なんだって。テンガンざんだって登れるし、もりのようかんだって行ける。
ガブリアスに、シロナさんの後ろに乗る。
ギーとは違う乗り心地。いつかギーを大手を振って連れて──世界を飛べるようになるために。
──俺の旅の、長い道のりが始まった。
主人公のパーティに悩む……
・ギラティナ(ギー) Lv.???
主人公クロの最初のポケモン。くっそかっこいい。
なつき度max。
ダークライのことは最初はよく思っていなかったが、後に意気投合した。主人公の一番のパートナー。
・ダークライ(メア) Lv.???
主人公クロの二体目のポケモン。ネガティブでヤンデレ。面倒臭い。
なつき度max。
ヒトモシがよく主人公にくっついているのが羨ましい。
・ヒトモシ(ラン) Lv.??? 色違い
主人公クロの三体目のポケモン。父親にタマゴでもらって孵した。
伝説二体にも物怖じしないすごい奴。なつき度max。
よく主人公の肩にのっている。