ルナティック・ワンダーランド   作:crooze

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イノセント・クレイドル

 ──シロナさんの弟子として旅を始めて数ヶ月が過ぎた。

 シロナさんはポケモンリーグの開催まで、自身のポケモン達を出来るだけ強化するために様々な所を巡っている。それに俺もついていくのだが

 ……。

 

「──シロナさん、なんですかこの部屋の惨状は」

「うぐ、……ちょっと資料が溢れちゃっただけよ。こんなの数分で片付くわ」

 この人全然片付けできない。

 俺がちょっと目を離すだけで、汚部屋を創り上げるのだ。そういうスキルでも持っているのだろうか。

 新しく仲間にしたキルリアとロトムがシロナさんにジト目を向けるのに堪えたらしく、シロナさんはバツの悪い顔をしながらそこら中に散らかった神話の資料やポケモンの育成論についての本を片づけ始めた。

 

 ──今俺たちがいるのはヨスガシティにあるホテルの一室だ。同部屋だが特に気にすることはなく、二人揃ってやりたい事に邁進している最中だった。

「……そんなことよりクロ、ポフィンの方はどうなの?」

「話題の逸らし方、下手すぎません? ……ポフィンは順調ですよ。父さんが持たせてくれた木の実もあって、ギー達の感触も上々です」

 ため息をついて、俺の目的──ポフィンの成果について話す。将来的にポケモンコンテストに参加するために、取り敢えずポフィンを作ることから始めたのだ。前世でお菓子なんて一度も作ったことはなかったが、ギー達に美味しいポフィンを食べてもらいたいと思った俺は、ゲームの知識の通りにポフィンりょうりハウスに行って、ポフィンの試作を繰り返しているのである。

 ポフィンケースはシロナさんからもらったのでポケモンだいすきクラブには行っていないが、やっぱり気になるので今度行こう。

 

 ──俺の新しい仲間、ロトムとキルリアについては……俺の好奇心と冒険の結果といえばいいのか、……。もりのようかんは、ゲーム以上に怖い場所だった、うん。2度と行きたくないと感じたのは初めてだ。

 キルリアは、ゴーストタイプばかりの俺のパーティの清涼剤である。メスなので、サーナイトに進化することを見越した上の仲間入り。

 やっぱりフェアリーは欲しいよね。なんせ将来的にはシロナさんと戦うのだから。シンオウには良い氷タイプのポケモン、あんまりいないし。

 

 これで俺の手持ちは五体。後一体はもう決めているので、そうしたらパーティ完成だ。ちなみにジムチャレンジはちまちま空き時間にやっているので、実はそれなりに集まっている。

 ヒトモシも育成の結果シャンデラに進化したので、割と楽勝だった。シンオウのジムは炎タイプがいると楽だ。

 

「良いポフィンができたらちょっとくれないかしら? ガブリアス達が気になってるみたいで……」

「自分で作れば良いじゃないですか、俺はギー達の分で精一杯なんです。シロナさんもポケモントレーナーなら、ポフィンくらい作ってあげれば良いじゃないですか」

 笑みを浮かべてお願いしてくるシロナさんに言い返しつつ、今後の予定を立てる。ポフィンはまだまだだし、ギー達の育成も進んでいない。

 ふれあいひろばにも行ってみたいけれど、入れるポケモンがいないんだよな、なんて悩みつつ──今の所非常に充実した日々を過ごしている。

 

 

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