──あれから数日。シロナさんは毎日のようにサファリパークに通い詰めた。ここでしか見られないポケモンの生態や、その圧倒的な大自然に彼女の心は囚われてしまったらしい。研究ノートを持ち歩きながら毎日、靴とコートの裾を泥まみれにするシロナさんに引きずられるようにして、俺も付き合った結果。大半のポケモンを捕まえることができた。
ナナカマド博士にも報告し、図鑑についてもお褒めの言葉をいただいた俺は──シロナさんを放置して、ノモセシティの探索に精を出す事にしたのだった。
木の実を植え、増やしたり。わざマニアの家に行ってどんなわざを教えてくれるのか確認したり。残念ながらハートのウロコはまだ入手していないので確認だけだったが……教えてくれるわざのラインナップはゲーム準拠だったことは覚えておくことにする。結構いいとくしゅ・変化わざが揃っているのだ。
後はバンダナにいさんにキルリアを見せてあおいバンダナをもらったり。ヨスガシティのポフィンりょうりハウスで鍛えたポフィンの腕には自信があるのだ。ポケモンコンテストを見据えての育成の結果、既にキルリアはうつくしさ特化でコンディションを最高まで高める事に成功している。ギーやメアもそれぞれコンディションは完璧だが、まぁ目立つので。ランやロトムはまだ調整途中って所か。
ノモセジムもあっさり突破。ロトムを芝刈り機に憑依させ、カットロトムに一時的にフォルムチェンジさせる事によって簡単に抜けられた。俺のパーティはタイプが偏っているので、こうやって簡単にフォルムチェンジでタイプを変えられるロトムは便利だ。足りないタイプを簡単に埋められる。因みに普段はウォッシュロトムだ。
ノモセシティでやることは大抵終えたので、次はどこに行こうかと思案していた矢先にシロナさんが帰ってきた。
「……あら、タウンマップを見て何を悩んでるの?」
「次に行くところを考えてるんです。リッシこや近くのホテルも気になるし、モーモーミルクも飲んでみたいんですよねー」
「……クロの知識量には呆れるわ、どこでそんなの仕入れてくるのかしら。……あぁ、私も気になる場所があるのよ」
俺の言葉に呆れながらシロナさんが放った言葉に、驚いて聞き返せば──俺も気になっていた場所の一つで。
ゲーム中ではよくわからない場所だったが、考古学者にしてポケモンの神話の研究をしているシロナさんなら何かわかるかもしれない。
彼女なら──アンノーンの謎を解明してくれるんじゃなかろうか。あの象形文字についても。
──ズイのいせき。
アンノーンばかりが出てくる、小さなどうくつだ。