雷を纏う蝶は風の音を好む   作:Ψ( 'ω'* )

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次回、煉獄の運命や如何に!!・・・になる予定!!


無限列車その2

ガタンガタン

 

車掌さんが切符を確認しに近付いてくる。

ここでは大人しく渡しておく。

行動を起こすのはここでは無い、夢の中に入った後からが本番だ。

 

パチン

 

それを切る音と共に夢の中へと意識が落ちる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「××〜早く起きなさい!学校に遅刻するわよ」

 

「はぁ〜い」

 

母の声に目を覚まし支度を始める。

朝食を食べる頃には父は珈琲を片手に新聞に目を通していた。

 

「おはよう父さん」

 

「おはよう××」

 

頂きますと声を掛けご飯を食べる。

 

・・・味がしない。

美味しい筈なのに食べても食べても味が感じられない。

 

風邪でも引いたのかな。

一先ず最後の一口を飲み込みご馳走様と手を合わせ母に食器を渡し急ぎ足で家を出る。

その途中で今話題の大人気作品、鬼滅の刃の映画ポスターが目に入った。

 

無限列車編が映画なんて普通に泣く。

原作知ってても泣く。

友達と見に行こうかなと考えている間に学校へと到着し授業を受け、家へと帰る。

普通で普段通りいつもの平和な日常だ。

 

その筈なのに何処か物足りない、そんな気がする。

なんというか、違和感が所々にある。

ご飯の味がしない、昨日の授業内容を思い出せない、家と学校の距離、人の顔がぼんやりとしか見えない(目は良い方)。

確信とはならずともこれ程違和感を覚えるならここは夢の中という事になる。

 

そしてその事に焦っている自分が居る、不思議な事に。

 

「××〜夕飯はカレーとハンバーグどっちがいい〜?」

 

「ハンバーグ」

 

「ハンバーグね、出来たら呼ぶわ」

 

「うん」

 

優しい母の声が私の思考に待ったを掛ける。

ずっと目覚めなければこうして平和な日々を過ごせるのでは無いだろうか。

そちらの方が簡単で甘く優しい世界だ。

 

起きろと叱咤をする自分に引き摺られ行動を起こそうとする自分も居て。

理解したくない事と理解しなければならない事の両挟み。

 

きっと夢から覚めればもうあの優しい声が聞けず両親と会話する事も無くなるだろうことは確か。

声を掛けられる前に何かの手掛かりにならないかと鬼滅の刃を読んでいた所で思い出した。

 

確かにこれはいい夢だ、現代の暮らしは大正時代より遥かに豊かで過ごしやすい。

そして何より鬼が居らず物理的に戦わなくていい時代。

 

そんなのずっと留まりたいに決まってるじゃん、私にとって本来夢の方が現実だったのだから。

推しに対してもガチ恋じゃなくグッズを集めるだけで済んだのに。

二度失恋した気分だよ、推しは姉が好きだから。

 

とは言えいつまでもこうしては居られない、目覚めなくては。

覚悟を決めリビングへと足を運ぶ。

 

せめてこの夢の中だけでも感謝を伝えたい。

もう二度と会えないなら尚更。

 

「どうしたの?まだ夕飯は出来てないわよ」

 

「お母さん、今までありがとう」

 

「え?急になぁに?ふふ、もう変な子ね」

 

「お父さんもありがとう」

 

「何だ急に。照れるじゃないか」

 

「別に感謝したかっただけ。あっ、すぐ戻るから外散歩してくるね」

 

「出来上がる頃には戻って来てちょうだいね」

 

「うん」

 

感謝と共に最後の嘘を伝え家から出る。

流石に自分の家で夢でも自決は出来ないでしょ。

誰も居ない裏路地に向かう。

その途中で覚醒しているのか服装がいつもの格好へと変化し刀も腰にちゃんとある。

 

現実世界では生きてるんだ、こんな夢の中での死は何の意味も持たない、だから、やる。

目的地に到着し刀を首に添え一気に切り落とす。

 

それと同時に目が覚める。

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?まだ誰も目覚めてない?」

 

あの主人公たる炭治郎すら目が覚めてない。

取り敢えず自分と繋がっていたであろう少年を目覚めてしまう前に一度峰打ちで気絶状態にさせ縛り動けない様にしておいた。

繋がれていた縄は外すのに苦労したが何とか外れたので良し。

 

箱の中でカタカタしている禰豆子を出す為に移動し箱を開ける、すると禰豆子は『むー』と一言お礼を言い撫でると少し喜んだ。

 

炭治郎を助ける為に協力してとお願いするとこくりと頷きそちらへと足を運び炭治郎を揺らすも起きる気配は無い。

頭をぶつけて起こそうとするも石頭な為逆に禰豆子が怪我を負い痛かったのか泣きながら起こり爆血の炎で炭治郎を包んだ。

人間は燃やさないのでその行為自体にそこまで意味は無いが今頃夢の中で覚醒していってるのだろう。

 

そして実弥の縄を燃やす様にとお願いし燃やして貰った。

後は炭治郎と行動する様に一緒に居てと伝えると真剣な表情で頷き任せてくれのポーズをとっていた。

 

ついでに実弥と繋がっていたであろう少女も先程と同じ工程で動けない様にし少年の隣へ座らせた。

いい夢が見たいからと鬼にも縋るのは分かる、二度とそこでしか叶わない事もあるし。

 

この現実から逃げ出したいのも痛いほど分かる、寧ろ今すぐにでも逃げ出したい。

現実逃避をして逃げて逃げて、都合のいい方へと足を向けたい。

 

でもごめん。

私はそれの邪魔をする。

明日を生きる為に、姉妹と笑い合う未来の為に、推しとの明日の為に。




閲覧ありがとうございましたー( .ˬ.)"



大正コソコソ話
禰豆子視点の紫乃花は年上だけど妹の様に感じ取ってるよ!
お願いされたらつい叶えたくなるらしいとか。
紫乃花の前世の名前は何も考えてなかったので名前は都合よく××にしたんだって!
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