転生したらどう見ても悪役ロボ軍団の幹部だったんだが 作:中島ささかま
まずい。完全に悪役の集団だ。凶悪な武器や顔をした仲間たち。地球をいかに侵略するか考える会議。ブレイバーと呼ばれるどう見ても主人公ロボとその仲間たち。子供のころよく見た設定だ。
しかし、一つ気づいたことがある。コレがロボットアニメものならばまだ序盤だということだ。多分、幹部と思われる敵側(自分の仲間)のロボットが誰もやられた様子がない。ブレイバーは要所に一体ずつで特に個性はなく、必殺技も一つぐらいなのだ。
そして大きな問題がある。俺はロボットアニメが大好きだということだ。勇者ロボならば仲間ロボが出てきたり、合体機になる2号ロボも開発されるに違いない。
それに、今いる幹部のメンバーを見るとどうにも合体しそうである。最終話近くになってやられた幹部が復活して巨大ロボになって主人公を苦しめるのだ。きっと各大陸の勇者ロボが協力して倒される熱いシーンがありそうである。もしかしたら自分たちは前座で黒幕が現れる可能性もあったが。
目の前の地球は自分の知っている光景と差はなさそうだが、この世界は俺の知っているロボットアニメの世界とそっくりである。
俺はこの世界で何をすべきだろうか?このままコノマールとして敵の行動をするのか、それともこの世界に転生してきた本来の目的を探すべきか?強い敵が主人公とライバルになった後、仲間になるという激アツ展開もありうる。
しかし、そんな展開になったとしても楽観はできない。コノマールの見た目が狂暴すぎ、5人の中でも気が早い方だった。これだと初期にやられる敵だ。他の幹部たちが悪役っぽいが、ラピットンなんかが勇者ロボに加わってもおかしくない見た目をしている。
「おい、コノマール。聞いているのか?」
マギアスが話しかけてくる。
「ああ、すまない。考え事をしていた」
「しっかりしてくれよ。コノマール。次もお前に侵攻を頼みたいのだ。」
「了解だ。」と答えると会議は終わる。
ブレイバーの戦力分析と攻めるべき地域の選定をしていたようである。思案している間も話を聞いていたようで、何を話していたかがわかる。会議室を出るとすぐに開発室に向かい、Bシーリズから機械化チップを受け取る。
「コノマール様。こちらが機械化チップになります。お気をつけていってらっしゃいませ」
Bシリーズの一人がチップを渡してくれる。機械人なのにとても丁寧な対応をする。
「機械化チップの改良は進んでいるか?」
「いえ。今のままでも何ら問題はないので…」
これだ。コトボーグ星人たちは人間をなめている。今ある技術を進化させようという気持ちがない。機械化チップを受け取りながら「改良の余地がないか研究をしてくれ」と伝えておく。
「はい。わかりました。」
と返事を背中越しに聞きながら部屋に戻り、機械化チップを眺める。
基本的には機械化チップを人間たちが使っている機械に埋め込み暴走させ、ブレイバーを呼び出すのが目的だ。うまくブレイバーを鹵獲できれば作戦成功。機械たちの現状を人間たちに伝えられればなお良しといったところだった。
いままでは目についた強力そうな機械に機械化チップを使って暴れさせるだけだったが、それでは目立つだけであまり成果が得られない。今回は失敗することを前提に計画を立ててみることにする。
いつもは目立つ都市部を襲うところだが、今回は日本の田舎にある変電所を探す。ブレイバーが到着するまで時間がかかるからやつらのくる方向を見定めることができるだろうし、今回の作戦の対応もしやすいと思う。
変電所の外にある機械に狙いを定め、機械化チップを投げる。
機械化チップのついた機械が光ったかと思うと周りの機械を取り込み大きくなっていく。周りの機械を取り込んだ時点で異常を確認しに来た人間がいたが、異常を察知すると慌てて逃げていった。機械化チップが付いた機械は自身を大きくするために鉄塔や送電線を取り込んでいく。
しかし、近くにあるものでは足りなかったようで左手は鉄塔の骨組みだけになっている。右半分も電線が筋肉のようになっていて、取り込める機械を探して送電線沿いに歩いていく。
どちらかといえば送電線ロボになったが、しばらく歩いている様子を見ていると遠くの空に点が見える。3つの乗り物がこちらに向かってくる。山奥だからか、飛行機につるされて移動しているのもみえる。
電線ロボが歩いていく先に投下されると空中で合体して勇者ロボブレイバーになる。
「そこまでだ、アクダーク、今回の破壊も阻止させてもらう。」
「アクダークって…」電線ロボを上空からみていたコノマールはつぶやく。さっき目覚めたばかりで常識が邪魔をする。そもそもブレイバーというのも安直だと思ったものの会議の場では言い出せず、今いる世界の世界観を痛感していた。
ブレイバーは剣を抜くと切りかかる。しかし、電線ロボは切られても倒れる気配はない。
数瞬、電線ロボに切りかかるが、切る端から周りの送電線を取り込んで回復していく。
その様子を見て取ったブレイバーは必殺技を使うようだ。必殺技で一気に勝負を決めるつもりらしい。必殺技発動まで時間がかかり、剣に光がたまっていく様子が見れる。その間に送電線ロボは送電線を吸収しながら、巨大化しながら歩いている。
そしてブレイバーは、必殺技の発動のタイミングをはかりながらじりじりと位置を調整している。
「くらえ、ブレイブリーアタック!」
刀身が光り、ブレイバーの背中から空気が押し出されると同時に、突撃しながら剣をふりおろす。
電線ロボが真っ二つになって倒れる。
しかし電線ロボは爆発せず、片手片足がそれぞれ下半身のようになって立ち上がる。ブレイバーが振り返って電線ロボが起き上がったのを見つけ数瞬、呆然とした様子を見せる。
しかし、ブレイバーは背中のバックパックを展開させて、飛び上がりつつ銃のようなものを展開する。絨毯爆撃のようにビームを撃っていき電線ロボを破壊しようとする。
コノマール的には、ブレイバーが上空に上がってきたときに自分に気づかないかが心配だったが気づかなかったようで、攻撃を続けている。周りの森も燃えだしているようだが、ブレイバーは気にした様子はない。
光線をある程度撃つと、煙が晴れるのを待つ。電線ロボの鉄骨側は壊れたようで立ち上がらなかったが、電線側は帯電したものを周りに放出しながら立ち上がる。徐々に燃えている周りの木を電気で浮かせ、体にまとわせて鉄骨部分を補うような様子を見て、ブレイバーはブレイバーバスターを両手に持って、電線ロボを狙撃する。何度か撃ちこむと、電線ロボは倒れたまま動かなくなる。それを確認すると、空中で分離して三体の乗り物に変形する。空を飛べない乗り物は船と車だったようだが、車はなぜか羽が出て空を飛び始めたため、飛行機と連携して船を持ち上げて連れて行った。
しばらくすると、電線ロボが壊れたあたりから火が燃えだす。燃え広がる前に消火作業を行うためか、ブレイバーを吊り下げていたヘリコプターがやってきた。消火作業を済ませると、電線ロボの残骸を回収していく。
変電所は壊れたままだ。そして、ブレイバーたちが来た方向と帰った方向、ヘリコプターが来た方向も同じだった。変電所が襲われてから割とすぐに来たことからブレイバーたちの基地も近いことが考えられる。
コノマールはそこからも数時間か待ち、地面すれすれを飛んでブレイバーの来た方向へいく。変電所の人間が逃げてからブレイバーが見えてきた時間飛ぶと、大きな湖が見えてきた。その先はしばらくすると山が終わり、街が広がっている。街のさらに向こうは海だった。いったいブレイバーはどこへ行ったのか。レーダーの強度を最大にして探したが、基地のありそうな反応はない。
コノマールは前世の知識を総動員したが、湖の下、海の中、街全体、空の上それぞれ有りそうだった。宇宙や空はコトボーグ星の総力を挙げて調べていたため地中にありそうな気はした。宇宙から写真を撮り、立体化したマップにしるしをつけて変電所まで戻る。ここにもマークを付けて基地に戻ることにする。
全くやる気が起きない期間が長かったです。一つずつできることの確認をする中の一つにこの小説の続きがありました。
それなりの長さが書けたため、続きを投稿します。しかしこの先のストックがないため、続きが投稿されるかは微妙なラインです。