ボーダーでも数少ないリアルタイム軌道を描くバイパーを使えるシューター。病弱であり、境遇の似た那須さんに憧れて入隊した。
記憶力がほとんどなく忘れっぽい代わりに、演算能力と平行思考に優れる特異体質者。『ボーダー隊員のレベルを上げるために』自分から撃墜しないマイルールをもっている。バイパーと戦術眼を兼ね備えた軌道はまさしく『千発零中』。ソロでいるために比較されることはほとんどないが、二宮や出水と遜色のない戦力をもつ。
・ステータス評価
トリオン……13
攻撃……5 防御・援護……13
機動……12 技術……………9
射程……6 指揮……………2
特殊戦術……2
トータル……62
・トリガー構成
MAIN
バイパー
Flee
シールド
バッグワーム
SUB
バイパー
グラスホッパー
シールド
メテオラ
作・やまいけさん(ツイッター)→ @yamaike_WT
あれ?
めっちゃ気まずい。
一刀両断されたユウキは焦っていた。
ユウキがマイを挑発するのは今回に限った話ではない。合同で防衛任務にあたったときも、戦闘に参加したがらない彼女にトリオン兵をより多く倒してもらうために軽口を叩いたはあった。記憶力のないマイが覚えていてくれるほど、ユウキは彼女と親しい自覚はあった。それだけに彼女の拒絶は、刺そうとしたナイフがいつの間にか自分に刺さったかのような、絶望感がユウキの胸に広がっていた。
再び沈黙が流れる。2分前の沈黙とは違い、焦るユウキの吐息がまじる。その様子を見ていたマイはおもむろに姿勢をモニターに戻し、流しっぱなしのログ視聴に戻る。映像は自動再生になっているようで、那須隊の第3戦は終わっており第4戦へと移っていた。
演算能力豊かな彼女の脳内で決められた結論に、ユウキが及ぶはずもない。
「それで?エースのあてはあるの?」
「えっ……?」
「あるの?」
半ば諦めかけたその時、こちらに背を向けたままマイがポツッとつぶやく。合理的な彼女が、チームを組む気のない人に向かって唐突にエースを入れる想定の話をするのだろうか?そう感じてユウキは2分前までのマイの発言を振り返る。
『自分の作る部隊にユウキはいらない』
『お零れでもらうチャンスはいらない』
一言も、『ユウキの作る部隊に入らない』とは言ってない。
面倒くさいやつだなぁ……。
ネガティブに振れていた思考を一旦リセットする。そして、改めてユウキは、彼女を自分の隊に入れることを決意する。
「私ならソロ戦こなしてるから、フリーの隊員でエースになれる心当たりは何人かいる」
「……続けて」
「そのエースを連れてきて、私がタンク兼サブアタッカー」
「だから甲斐さん、攻撃手相手に勝てないでしょう?ソロ戦の勝率も5割切ってる」
「そうでもない。数字ではそう見えてるけど、一発勝負には割と強かったりするんだよ?」
「どういう意味?」
マイがログの再生を止めて向き直る。やっとユウキの話を聞く気になってくれたらしい。
ユウキはソロ戦を戦う中で、オプショントリガーを使ったブラフや牽制を多用する。エスクードで視界を塞ぎグラスホッパーで意識を誘導、鉛弾で動きを止める。そして、それらを一回見せたあとでも同様の動きでチラつかせることで、相手を二択三択の読み合いに仕掛けていく。
このスタイルは小細工が効きにくいソロ戦の中で実力差のあるマスターランクの相手にも通用している。ゼロの状態から実力外の勝負を仕掛けているのだ。同じ相手に挑むたびにトリガーセットも少し変えているから選択肢も多く、技量の差があっても勝率は3〜4割程度と低くない。
下準備のできるチーム戦では十分に渡り歩くことができる。他人とのソロ戦をする経験が少ないマイにそう伝えると、深く腰掛けたまま腕を組んで目を閉じてつぶやく。
「そう……」
「私はこれを『ポーカースタイル』ってよんでる。実力勝負から読み合いになる一瞬だけ、私は太刀川さんとも同等に戦える」
「……ポーカー、ね」
剣で勝てないのなら、テーブルに着かせればいい。
年長の新人であるユウキが年少の猛者たち相手にすぐ結果を出していくために、真っ向勝負から得られる成長を捨ててたどりついた結論である。
「だから私の隊に必要なのは、援護や誘導ではなく膨大な情報量をぶちまけられるようなアシスト」
ユウキは戦う相手に判断材料を多く押し付けて、本命の一撃を懐に携える。確実に刺すためにマイに求めるのは単に状況をより有利にする王道の援護ではなく、より濃いブラフの霧に本命を隠すために放たれる、嘘の弾幕。
「そんな千発零中みたいなことできるシューターはボーダー広しといえど、マイしかいなくない?」
「…………ん」
マイは腕を組んだまま目を開く。相手を倒さない代わりに、トリオン量は出水や二宮に匹敵する。放たれるリアルタイム弾道のバイパーは、相手を【鳥籠】に文字通り閉じ込める。『記録室のヌシ』であるがゆえに才能を誰にも知られていなかった射手は、ユウキに力強い視線を向けて一言。
「私と組んだらそのポーカー、ストレートくらいの役は作ってあげる」
相手のチェンジを縛り、自分のハンドは増やす。
ユウキのもつ『ポーカースタイル』は、愛すべき理系の相棒と組めば『イカサマポーカー』へと進化する。
2022年04月13日 22:36
#ワ創作 #甲斐隊 「山井麻衣①」
『ポーカースタイル』は、愛すべき理系の相棒といることで『イカサマポーカー』へと進化する
手順さえ覚えれば仕込みはお茶の子さいさい、ログは5倍速でみる愛すべき理系はこちら→ @yamaike_WT
https://t.co/RoCuiA7dy4
起承転結の起がない小説【show down!!】です。よその子とのコラボで書いていたTwitter小説をリメイクしております。
今回、主人公の甲斐さんがスカウトした山井麻衣は、まさしくハーメルンで見るような強者側の主人公です。たぶん作品が違ったらオリジナルの黒トリガーもたせてる。やまいけさんは、これを自己投影だと言うもんだから当の本人はたいぶ尖った高スペック人間だと思います。
次も原作キャラは出てきません。でも、ワートリ原作の隙間産業を目指していく【show down!!】。自己満足投稿なので、気が向いたら楽しみにしてください。