輪っかのペンダントの力を勘づかれたのかは知らないが、最近ノイントさんが俺の胸元をじーっと見つめてくるようになった。別に見られるだけだから資料に集中できない訳では無い。
ただ、俺がノイントさんの方向を見ても俺の胸元をじーっと見つめているのはなんなんだろう。俺を転生させたやつが言ってたけど、
『そのペンダントに内包された力は簡単には見抜けない』
って言ってたんだぜ?力の中身見ようとしてんの?でも俺この世界で1度もこの力使ったことないんだけどな……。というか地球でも3回しか使ったことがない。
一回目は俺が誘拐された時。なんか神秘を研究するとかいう変な組織に誘拐されたんだが、その時にこの力を使ってそいつらを撃退した。アサルトライフルなんかも使ってきたけど、簡単に倒せた。
二回目は雫の父親と本気で打ち合った時。剣道で真剣勝負をした。負けそうになったら、輪っかのペンダントが俺の力をブーストさせてしまって引き分けに持ち込んじまった。
三回目はこの世界に来る時。謎の魔法陣が現れた瞬間にペンダントから力が放たれた。それを俺は必死で抑えた。どんなことになるか分からないから。一回目でこのペンダントが発する力はとんでもないということがわかっている。
「……このペンダント、結局なんの力が入ってるんだ?」
一回目の時は俺の右手から白色の光線が出た。光の輪っかもでてきた。二回目は単なるブーストだったけど……本当にどう言った力なんだろう。
ノイントさんはそれを解析しようとしているのかな?だとすると一回目の時のあの組織のスパイ……なわけないか。世界が違うしな。
「こんなことを考えるのはやめよう。今考えるべきなのはオルクス大迷宮の攻略だ」
オルクス大迷宮。クラスメイトの殆どのトラウマの迷宮。そこにまた行くことになっている。
部隊は4隊に分けられる。勇者パーティーと呼ばれる兄が率いる隊。ここは兄とその仲良しグループが組んでいる隊だ。俺はそこには入っていない。
小悪党隊。この前の騒動を引き起こした原因。その隊のメンバーは小悪党組のリーダー格の檜山大介、中野新治、齋藤良樹、近藤礼一。
永山隊。永山重吾をリーダーに野村健太郎、遠藤浩介、辻綾子、吉野真央の隊で、仲のいいメンバーが揃っている。
そして俺の隊。だが人間は俺しかいない。それ以外は無機物で構成されている。なぜこのようなことになったかは俺のステータスを見れば分かる。
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天之河 一輝 17歳 男 レベル:15
天職:統制者
筋力:300
体力:300
耐性:75
敏捷:250
魔力:300
魔耐:75
技能:命令伝達[+即時伝達]・兵士作成[+セイバー][+アーチャー][+ランサー][+アサシン][+ライダー][+キャスター][+コマンダー][+ヒーラー][+タンク]・兵士格納[+仕分け]・全属性適正・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・高速魔力回復・限界突破・言語理解
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と言ったステータスであり、俺の技能には兵士作成という技能がある。
この技能は、好きな職種を持った兵士を生み出すことが出来る技能。種類は派生した技能から選べる。そしてレベルアップという、俺の魔力を分けることで強化することも可能。
この技能をメルドさんが見た時は、随分と褒めてくれたものだ。『勇者の弟もとんでもないな』と。
今の俺の兵隊は大体100体ほど。半数がタンクとキャスター、ランサー、ヒーラーだ。理由は簡単だ。長物を持ったランサーと盾を持って仲間を守るタンクが前衛、キャスター、ヒーラーが後ろで攻撃したり回復するのが1番効果的だからだ。
ちなみにほとんどが、というのは、コマンダーがたまに部隊の一部の指揮を担ったり、俺の護衛がセイバーとアーチャーだったりするからだ。
まぁそんなわけで俺は1人で隊を引き受けるわけになったんだが、やはり一人は寂しい。誰か来てくれればその寂しさも無くなるんだろうが、俺以外の隊は全員仲がいいから絶対来ない。
……………もしかして俺ってぼっちなのか?
俺と他のクラスメイト、メルドさん達国の騎士は今、オルクス大迷宮の60階層で止まっていた。え?話が急すぎる?……俺の体感時間だと3日くらいなんだが………。
どうやらみんなトラウマがあってここから先に進めないようだ。……俺は別に行けないという訳では無い。上司からの命令があればそれは行かなければならないだろう。前世の社畜としてのアレかな?
「香織……君の優しいところ俺は好きだ。でも、クラスメイトの死に、何時までも囚われていちゃいけない! 前へ進むんだ。きっと、南雲もそれを望んでる」
「ちょっと、光輝……」
「雫は黙っていてくれ! 例え厳しくても、幼馴染である俺が言わないといけないんだ。……香織、大丈夫だ。俺が傍にいる。俺は死んだりしない。もう誰も死なせはしない。香織を悲しませたりしないと約束するよ」
「はぁ~、何時もの暴走ね……香織……」
「あはは、大丈夫だよ、雫ちゃん。……えっと、光輝くんも言いたいことは分かったから大丈夫だよ」
「そうか、わかってくれたか!」
……正直ウゼェ。兄もこういうところがなければ素直に尊敬でき……るか?なんだろう、いつも暴走してるから残念感がめちゃくちゃ出てるんだよな……
俺は1人で百面相しながらライダーが引く
俺は今ライダーとアーチャー2名、キャスター2名を出して進んでいる。目の前に敵が来たらすぐさま破壊していくため少し迷惑そうにされるが気にすることじゃない。遅いヤツが悪いのだ。
「……いい加減真面目にやれ、一輝!」
「……真面目だぞ、俺は」
ついに兄が文句を言ってきた。まぁ確かに戦車に乗って寛いでいるようにしか見えないだろうが、俺はライダーとアーチャー、キャスターに指示をきちんと送っている。文句を言われる通りはない。
「いやどう見ても真面目じゃないだろ!」
「……あぁもうめんどくさい」
「はぁ!?」
つい口に出してしまった。だが仕方ないだろう。ちゃんと働いている人間に向かってそう言ってきたんだから。
「もう知るか、トロ臭いお前らに合わせてたら日が暮れる……」
もうこうなったらやりたいようにやるだけだ。ベヒモスレベルなら今の俺であれば狩れるだろう。……一人で行こ。そうしよう。
「いやちょっと待て!」
「……うるさい、ライダー、全速力で65階層にむかえ!」
「待て……てあぁぁぁぁぁぁ!!!」
兄が俺のライダーの戦車に掴まって俺を逃がさまいとするが、どれだけステータスが高くとも、車のスピードは耐えられなかったのかそのまま吹き飛ばされた。
後に残るヤツらのことなんか知るか、俺は先に行ってベヒモス討伐しよう。そうしよう。
主人公の戦闘中の様子はライダーの戦車に乗りながら時に魔法を放ったり、時に指示を送ったりしている。ただたまに寝ながらだったりするのでヘイトが溜まるようです。まぁ他が歩いて自力で戦ってるのに1人だけ車に乗って戦いもしなかったらイラつくよね。
兵士作成のバリエーション
セイバー:剣を持った騎士
ランサー:槍を持った軽戦士
アーチャー:弓を持った軽戦士
キャスター:ローブをまとって杖を持ったいかにも魔法使い
アサシン:鎧無し、ナイフ持ちの暗殺者
ライダー:重装備、質素な戦車持ちの兵士
ヒーラー:キャスターとほぼ同じ
タンク:盾を持った重装歩兵
コマンダー:軍帽被ってサーベル持った将校
主人公の名前は天之河一輝。最初はリバイスとクロスさせようとしたけど、そうすると光輝がカゲロウになってなんかイメージに合わなくなりそうだから辞めました。
天職はノイント達がエヒトによって作られたということから、それに似た天職やってみよう!と思ってやってみました。
ほかの技能は光輝の技能から感知系を抜いた感じ。
これからもよろしくお願いします。