【公開:短編集】書置き集   作:satikaze

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【たんもし:探偵はもう、死んでいる。】
【単話】ifルートgirl's dialogue&ifエピローグ


【ifルートgirl's dialogue】

シエスタ「私に君の身体を使えって言うの?」

 

 プラチナ髪と銀髪を合わせたような名探偵シエスタという女の子は困惑したような様子で(あたし)に尋ねた。

 

夏凪渚「うん。正確に言えば精神の半分と身体を使ってほしい」

 

 わたしが私であるため、そしてこれからの戦いにおいて参考にするため、シエスタさんの戦い方を生で感じるため。

 

シエスタ「前に話し合いの結果『助手のことは任せる』と言ったじゃない。それに君は『君塚にふさわしいのは私だ!』と言ったじゃない。」

 

 名探偵は透明な淡い浅葱色の瞳で遠くを見つめるかのようにじっと(あたし)を見据える。

 

シエスタ「それに、この体は心身ともに何もかも君のものだよ。髪先から足爪先まで。勿論、今は(・・)心臓(こころ)もね。」

 

 紅茶を優雅に飲み、一息つき、名探偵は(あたし)を見据えた。

 

夏凪渚「そうだよ。心身ともに何もかも私のものよ。勿論今の心臓(こころ)だって。でも!(こころ)は・・・………(あたし)とあなた二人のものよ!」

 

シエスタ「今、間があったわよね。何か言いたいのかしら。」

 

 そう詰めてくる。

 

夏凪渚「・・・・君塚君彦を助けるという同じ目的なら相性が悪くても協力し合えるはずでしょ?」

 

シエスタ「・・・・私はもう死んだのよ。今更、私が助手に関わる資格はない。」

 

 ピキッパキと音を立て、(あたし)のダイナマイトに火をつけた。

 

夏凪渚「───────あーもう!いい加減にしなさい!」

 

シエスタ「私が…?」

 

夏凪渚「さっき『私が助手に関わる資格はない』と言ったとき!そのときに何故『彼』ではなく『助手』と言ったのよ!まだ君塚君彦と一緒に《名探偵と助手》をしたんじゃないの!それにいつの日かの夢の中で『やっぱり助手の相棒に相応しいのは私だ』とも言ったくせに!」

 

 あたしは私でいたいけど、同時に心臓(こころ)は二人のものだ。それに私は過去に…

 

シエスタ「・・・それは、だから。結局話し合いの結果、助手のことは君に全て任せるということになったんじゃない。」

 

夏凪渚「だからもう金輪際、貴方は君塚に関わる権利がないって?それを言うのなら私のほうが」

 

 すると名探偵は険しい顔をした。

 

シエスタ「やっぱり思い出していたんだ。『過去』のことを」

 

 私の中で我慢の限界になった。

 

夏凪渚「あー!もう!時間がない!さっき言った通り精神の半分と身体を使え!」

 

シエスタ「私に命令をしたのは君が初めてだよ。分かったよ。行くよ。行けばいいんでしょ?でも『精神の半分と身体を使う』ことは制御はするけど、もしかしたらのとってしまうリスクもあるわよ。」

 

夏凪渚「あら?貴方にしては弱気発言わね。でも、それでもいいわ。私が君塚と貴方から貴方の心臓を奪ってしまったもの。それに彼は今は『(あたし)夏凪渚ではなく《名探偵シエスタ》』を必要としているから。」

 

シエスタ「・・・分かった。」

 

 そう言って(あたし)と名探偵は彼のもとに精神世界から現実世界に向かった。

 

 

 

【エピローグ】

 夜になり、夏凪(とシエスタ)は俺の部屋に入ってきた。

 瞳はまだ、夏凪のルビー色の瞳とシエスタの透明な淡い浅葱色の瞳だ。

 

夏凪渚/シエスタ「「おまたせ」」

 

 二人の声が美しく重なる。

 

 そう言って入ってきた。俺はベットに横たわり、夏凪身体は椅子に座った。

 

夏凪渚/シエスタ「「てか何その興味なさそうな体勢は/ふふっ助手らしいわね」」

 

 何故か二人の声は重なっているのに聞き取れにくそうなのに聞き取れる。

 

君塚君彦「一度確認するけど渚とシエスタでいいんだな?」

 

夏凪渚/シエスタ「「そうよ」」

 

 また声が重なる。

 

 『過去』の渚はシエスタの…

 

シエスタ「この体の持ち主が貴方に話したいことがあるそよ。だから私は一度引っ込んでるわね。」

 

 そう言い残し渚が渚に戻る。

 

夏凪渚「・・・これ、わかるかしら」

 

 そう言われた直後、渚の瞳が赤くほんのりと光り、直後に自分の体が動かせなくなる。

 

君塚君彦「ッ!言霊…!これはやっぱり…ヘル…」

 

夏凪渚「正確に言えばヘルの記憶が(あたし)に融合したところかしら。例え第二人格のあたし()でも(あたし)が…」

 

君塚君彦「それ以上言うな!」

 

夏凪渚「・・・・・(覚悟はしていたけど…やっぱり…)」

 

 微妙な雰囲気が立ち込んだ。

 

 と渚が瞬きをし、瞳がシエスタの透明な淡い浅葱色の瞳になった

 

シエスタ「君は馬鹿か。」

 

君塚君彦「理不尽だ。知っているはずなのに混乱している。」

 

シエスタ「だから君は馬鹿なんだ。」

 

 そういえば…いつも馬鹿と言われてたな…

 

シエスタ「許すかどうかは殺された張本人、私が決めること。外部者が定めることではない。」

 

 それは…知ってる…しかし…!

 

シエスタ「キミ、私が好きなんでしょ。そして、私が生前のときは気づかず、死後に気づいたと。」

 

君塚君彦「・・・否定しない。。。」

 

シエスタ「私も。さっきの戦闘中に言った通り。しかしこの身体は夏凪渚のもの。と、同時にヘルでもある。」

 

 こいつは…戦闘中にガチで言ってたんだな…

 

君塚君彦「お前ははどう思ってる。」

 

 これが今一番の本音。それにより大きく気持ちは変わるだろう。

 

シエスタ「助手に伝える義理はないけど。言わないままグダグダしそうだしね。恨んでなどはない。心臓(こころ)(わたし)(わたし)として存在しているから。

 『《探偵》は依頼人の願いを叶える存在』」

 

 そうか…こいつは…シエスタは…例え敵であろうと目の前で願いを言われたらそれを叶えさせるのだな…

 

シエスタ「馬鹿な君に一つ願い事。この身体の持ち主、夏凪渚と仲良くヤって。たまに現れるから。」

 

君塚君彦「お前から直で願い事を言われるのは初めてだな。それとヤッては意味深に聞こえたんだが?」

 

シエスタ「馬鹿。そういうことは言わない。君、絶対モテないでしょ。」

 

 ハハ。空で出会った頃も言われたけ。

 

シエスタ「・・・私はいつか忘れ去られ、必要とされなくなる。。。」

 

 何処か凛々とした雰囲気だった。

 

君塚君彦「そんなことはない!」

 

シエスタ「ある。いつか。私と助手そしてヘルの戦いを忘れていたように。」

 

君塚君彦「ッ!」

 

シエスタ「だけど私はいつも心臓(こころ)にいる。」

 

 その瞬間、シエスタは瞬きをし、夏凪渚に戻った。

 

夏凪渚「君彦…」

 

君塚君彦「夏凪渚…俺は俺だ。シエスタはシエスタ。渚は渚。ヘルはヘル。」

 

夏凪渚「何を言いたいわけ?」

 

君塚君彦「俺はまだキミを許せない。俺の相棒、シエスタを殺した事実は変わらない。しかし俺はキミを『恨みはしない』。」

 

夏凪渚「そう………。」

 

君塚君彦「俺から信用を勝ち取れ。」

 

 今、言えるのはこれだけだ。

 

夏凪渚「うん!」

 

 渚はこれだけでも嬉しいのだろう。泣き始めた。

 

夏凪渚「あとね…贖罪になるかどうかは分からない…自己満でかもしれない…けど…定期的又は貴方がシエスタをシエスタが貴方を私がシエスタを求めたときに変わることになるから。。。」

 

君塚君彦「そうか…でもさっきは…」

 

夏凪渚「あーあれね。あれは私もシエスタも精神をすり潰すし、体力も喰うから基本的にやらないことになったから。お互いに精神世界でも生きられるためにも。」

 

君塚君彦「そんなに危険なことを。まったくお前ら(・・・)は。」

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