終わらない8月27日
「学園都市は学生の街。無論、学生以外の教師や、技術者も多く在籍してはいますがね」
苦々しげなマーティン大臣の顔を見ながら、俺は話を続ける。今が畳み掛けるチャンスなのだ。彼がひるんでいる間に、突っ込まれては困る事柄を適当に喋ってしまえばこちらの勝利となる。柄にもないような事をわざわざしてまでこの構図に持ち込んだのだから、ここでご破算になってしまえば目も当てられない。
「内部の治安維持に学生が駆り出されるのはよく聞く話です。それどころか、技術者として仕事をしている十代の若者だっているほどですからね。中にはその知力を買われ、学園都市の理事会へ口添えをする者も……私の学園都市での身分は学生。先程の回答に嘘偽りはありません。違うのは私の身分ではなく、役職の地位なのですよ大臣」
今言った事も全て真実。治安維持には
そう、彼女達は、だ。
俺にはそこまでの権力はない。誰かを取り締まる事の出来る腕章も、専門的な知識も、高度な戦略的知能も、宇宙衛星から学園都市第1位を発射する権限もないのだ。あるのは、暫定的に得た超能力者の肩書きと、
……これらの事柄はこの場にいる俺だけが知っている真実。つまり、目の前の大臣は知らない。知るはずがない。そしてそれを、わざわざ喋る必要もないわけだ。
適当に真実を並べ立てるだけで、後は彼らが勝手に繋ぎ合わせてくれる。それが俺の狙いである。
「そして肝心の私自身の立場ですがね……これが実に、説明が難しい。なにしろ前例のないことですから。統括理事長との面識があり、イギリス清教との窓口としても機能している私の立場は、はてさてどう言ったものやら……」
この一言で、
学園都市からの来客とはいえ、相手は学生。そんな彼らの幻想を打ち砕いてやればこんなものだ。
学園都市の技術を欲する者は多い。如何にイギリスが魔術の国であろうとも、人々を支えているのは魔術ではなく科学なのだ。科学技術を欲しない分野なぞ、それこそイギリス『清教』くらいのものだろう。
ここに揃っているのはイギリスの重鎮たち。議会の要人は分類上『王室派』に当たる。彼らが、自らの私欲のために技術を欲しているのか、国のために技術を欲しているのかは重要ではない。重要なのは、その技術の架け橋がこの場で断罪されようとしている状況である。
せっかくの金蔓を、断ち切ろうとする者がいるだろうか?
せっかくの儲け話を、もしご破産にしてしまったら。その結果を招いた人物は、議会でどう扱われるだろうか?
「まぁいいでしょう。俺の立場の話はこれくらいで。何かこの件に関して質問はありますか? 大臣?」
「い、いや。君の立場は十分に把握できた。もう結構だ」
「……ほう」
それで? と。暗に促すように、若干首をかしげながら相槌を打つ。
「そ、それと。先ほどまでの非礼を詫びよう。すまなかった。私の無知でこのようなことに」
「いえ、私こそ失礼をしました。売り言葉に買い言葉……あのままではどうなっていたことやら」
うん。今の俺が、B級映画の物語冒頭で偉そうに登場しながらも、事件発生と同時に凄惨な死を遂げそうな三下みたいな役を演じている自覚はある。もしくは助かりそうになりながらも最後の最後で無惨に死んで、観客から"ざまあみろ"と嘲り笑われる役だろうか。どちらにしろ嫌な役だな。助かるためとはいえ、我ながら浅ましいことだ。
「さて、大臣。次の議題に移りましょうか?」
「次?」
「ええ。私が教会の神秘を
「あ、ああああそれは、言葉のあやというか、間違いと言うか……」
「間違いですか、そうですか」
「ええ、そうですとも!」
……なんだか台無しだな。軍人上がりの英国紳士と聞いて、内心かなりビクビクしていたのだが杞憂だったようだ。この状況を自ら作りだしておいてアレだが、あのダンディな紳士が冷や汗を搔いて、うろたえる姿は流石に見たくはなかった。まったくもって───
「情けないのう、マーティン。じゃからお前は、政治家になんぞ向いてないと言うとったのに」
カツン、と杖を床に突く音がした。
「……サー、ですが」
「たしかに儂は、これを期に学園都市とのパイプを持てるならば大歓迎じゃと言った。じゃがそれは、決して10代の若造に頭を下げろという意味では断じてない。曇りなき
カツン、と。再び老人は杖を突く。
「それをお前は。海の向こうが、地球の反対側が、儂たちの常識が通じるものだと勘違いした挙句に自爆しおった。政治家どころか軍人としても失格じゃ。今のお前が部隊を率いる立場でなくてよかったと、心の底からそう思うよ」
老人が発したその言葉に、マーティン大臣はがっくりと肩を落とし、下を向いてしまった。
「………さて、木原君と言ったか。元部下が失礼をした」
「……貴方は?」
国防大臣を頭ごなしに
「サージェント=ストライニコフという。肩書きとしては……難しいのう。この国の外交の、ほんの一部を担っておる。学園都市に住む者にはいまいちわからぬかもしれぬがのう。あの街はまっこと特殊な場所じゃからな」
「外交、の一部?」
「『軍事』じゃよ。より正確に言えばその技術と資源じゃな。軍事技術は例えるなら一種の生き物……外からの供給無しでは育たぬからの」
ゆっくりとした足取りで、ストライニコは檻に近づいてきた。いや、待て。油断をするな。これは……紛れもなく攻撃だ。
「ところで少年。イギリスが今後、軍事的な技術支援を受けたいと願い出た場合、それはどの程度受け入れられるのかのう?」
……動揺を悟られるな。この老人は飄々としながらも、問題の核心を突いてきやがった。
「それは、私の一存では決められませんね」
「軍事にも色々ある」
俺の声が聞こえなかったのように、ストライニコフは話を続けた。
「戦車一つとっても、それを運用する兵も、整備士も実に様々な職種がおる。コレに関しては学園都市とイギリス、おそらくは両者の共通点を探すほうが難しいくらいじゃ。互換性、と言い換えてもよいかのう。ソフトの提供を受けたところで、ハードが違えばお終いじゃからな。軍事的な技術支援、と言ってしまえば言葉は短いが、それが意味するものはとても深く、広く漠然とし過ぎておる」
そして、ついに檻の側までやってきたストライニコフは立ち止まった。そして周囲に見えぬように、くいくいと手招きをしてきている……罠か? いや、周りに聞こえたらまずい事でもあるのだろうか。檻を挟むとはいえ、あの距離ならば会話も記録されることはないだろう。魔術による嘘発見器機能は手記によるものだからな。
悩んだ結果。ひとまず相手の誘いに乗ってみることにした。畜生、見た目は気さくなおじいちゃんが孫を呼び寄せているように見えるのだが。呼び出されている孫の視点では完全に死神の手招きである。
「ほっほ、来てくれてありがとう」
「なんです一体? というか、審問会の最中にこんなことしていいのですか?」
ひそひそ話の始まりだ。なんだこれ? 俺は今なにをしているんだ? ダメだな、完全にあっちのペースだ。
「いいんじゃよ。君が先ほど仄めかしたように、今の儂の役は学園都市の技術を欲しがるイギリス軍の窓口じゃ。ま、そんな事はまったく期待しておらんがのう」
「……何故です?」
「言ったじゃろう、軍事にも色々あると。故に、軍事技術と無縁の者なぞ現代では極々少数じゃ。そして普通の外交官はの少年、軍事的支援の要請を受ければ、まずは可否を問わずにその内訳を聞く。国に持ち帰って、その意見を精査するためにな。極々少数の、軍事とは無縁の聖人のような奴は単純じゃ。"自分にはわからないので、専門家と話をしてくれ"と言うだけじゃからのう。時代が変わっても、この2択は変わらん」
にこにこと、老人は笑うように囁く。だが内容はとてもじゃないが笑えない。つまり───
「国防大臣に啖呵を切っておいて、いざ技術提供を申し込まれた途端に"一存では決められません"じゃと? そんな事はここにいる誰しもが知っているじゃろう。まぁ先ほどのやり取りから"未だ無礼を許せずにいる子供のような外交官"の可能性が少なからずあるのじゃが。君は一旦、マーティンの言葉を飲み込み、反撃の好機を待ち、そして見事撃退した。感情で動く子供のそれではない。迂闊ではあるがのう……ほっほ」
…………この爺さん、妖怪か何かか?
「いやいや、この程度の心理的駆け引きなぞ序の口じゃよ。ここにいる者の半分ほどが、今のやり取りでこの可能性に気づいたはずじゃ。なにも儂が特段優れているわけではないぞ? 儂は至って普通の
人の心を読んでくるのは普通の爺じゃねえよ。というか嘘だろ? たしかに、苦し紛れに発した一言だったが、それでここまで読めるものなのか?
「沈黙が答えじゃな。どうやら賭けには勝ったようじゃ」
…………どうやら、攻撃はまだ続いていたらしい。こちらは勝手に白旗を上げてしまっただけで、爺さんの綱渡りは終わっていなかったようだ。つまり、ここまで全部ハッタリであったと。
「……クソったれ」
「うーむ、その一言が無ければ及第点くらいはあったんじゃがのう」
及第点なんぞあるもんか。この爺さんだけでもマズイというのに、下手を打てばここにいる半数に俺のハッタリがバレているだと? 俺にとってその事実は、死刑宣告にも等しいのだが。国防大臣直々に牢屋に叩き込まれる未来が濃厚になってきやがった。
「安心せい。この内緒話の最後に儂が"実に有意義な話し合いじゃった"と締めくくれば、疑いは晴れるじゃろう……これに懲りたら、次からはもう少し考えて審問に来る事じゃな」
だから心を読むな。もう少し考えて来たほうがいいってのは同意だがな。そもそも二度と来る気はねぇよ。
「……なぁ、アンタの目的はなんなんだ? 俺が大して
絶対に、なにか対価を要求されるに決まっている。そうじゃなければ帳尻が合わないだろう。
「うん? それだけじゃが?
「舐めてんのはどっちだ爺さん」
頭が痛くなってきた。状況判断能力がぶっ飛びそうな気分である。断頭台に乗せられた上にギロチンがひたすら上下運動を繰り返した挙句、"今日の調子はどうよ?"とまさかの執行人が気さくに話しかけてきたかのような。そんな意味不明な気持ち悪さが胸の中に広がっていく。どんな状況だそれは。
「そうじゃな、説明したいのは山々なんじゃがのう。1から10まで説明していては日が暮れる。謎を解く
そう言うと、俺を散々からかっていた爺さんはニコニコと笑い手を差し出してきた。握手か……非常に納得がいかないが、とりあえず愛想笑いをしながらその手を握り返す。そして皆に聞こえるように、彼はこう言った。
「『王室派』の
カチリ、と頭の中の歯車がかみ合う音がした。なるほど、やっとこの爺さんの狙いが見えてきた。正確な狙いはわからないが、その方向性が。
爺さんの立場は王室派の『軍事』。という事は、姫は第2王女のキャーリサを示しているはず。この国の行く末を憂う……か。もしかしたらこの妖怪爺さんは、あの王女の狙いを知っているのかもしれないな。いや、小さな一員と称していることから、大きな地位に就いていてもそこまで信用はされていないのか話しては貰えず、だが察しはついているということか? やっぱり妖怪じゃねえかこの爺さん。
今、イギリスは学園都市と争うほどの余裕も時間もない。すなわち、"審問会に召喚された少年が、学園都市における重要人物でもなければイギリスに敵対的でもない。『清教派』に所属したところで、そこまでの戦力にはなりえない"という事実が、第2王女にはこの上ない一報になるということだろう。あくまでも敵はフランスを始めとする諸外国であって、断じて学園都市ではない。そんな
つまり俺は、軍事の姫様の気まぐれで助かったようなものか。「お前のよーな小物に構っている暇はないし」というところだろう。
「貴方の忠誠心に感服致しました。そして……
そう返すと、爺さん、サージェント=ストライニコフの握る力が強くなった。「正解じゃ」というところか。この爺さんは、王女様の狙いがなんとなくわかっているのにも関わらず、それを止める気もない。だがこちらの込めた皮肉に反応がないということは、その方法までは知らないらしい。
イギリスの聖剣にして、ピューリタン革命の際に失われたが後に作り直されたという儀礼剣。そこの女王が持っているセカンドの元となったオリジナル。それをキャーリサが捜し求めているということを。
こうして、ストライニコフは席へと戻って行った。ひとまず俺のハッタリが効いたのか、他に質問をしてくるような輩がいる気配も無い。どうやらなんとかなりそうだ。ひとまずは、あの爺さんには感謝だな。
「おっと、儂としたことが。マーティンの尻拭いをするのに夢中で、肝心の質問をするのを忘れておった」
………別に質問は義務じゃないし、わざわざしてない事をアピールする必要もないだろう? 嫌がらせにしか見えないんだが。
「君は期せずして、『清教派』の洗礼を受けその一員となった。無論、選択肢が無かったことは重々承知じゃ。不幸にものう。そこで気になったんじゃが……君には"願い"というものはあるのかのう? 儂の聞いたところでは、君が所属する部署は
「今一度、考え直してはどうか。ですか? ストライニコフさん」
「そこまでは言っておらんよ。じゃが、所属する部署を間違えてはおらんかのう?」
そう言って、ストライニコフは視線を斜め上に……ベージュ色の修道女の方へ向けた。脅されているのではないか、今なら乗り換えられるぞ、という事か。うん、脅されているのは正解だよ。だが───
「いえ、私が居るべき場所は間違いなく、イギリス清教、
忘れもしない、
「私にも願いはあります。神秘に頼らなければ叶えられない願いが。神に縋ってでも、助けたい人がいるのです」
科学の街、学園都市。アレイスターの支配するあの領域で、奴の
「なるほどのう。信仰あるところに悲劇ありとはいうが……イギリス清教の救いの手は、確かに海の向こうに必要とされているようじゃ。ならば、反対する理由はあるまいて」
………どうやら、俺の精一杯の告白は、この審問会のダメ押しの一手に利用されたらしい。まったく、俺がまともな言葉を言えなかったらどうするつもりだったんだ? どこまでギャンブラーなんだよあの爺さ───
神裂火織は安心していた。今行われている審問が、何事も無く終焉を迎えそうなことに。そしてなにより───
(彼は無理矢理、必要悪の教会に入れられた。
彼は言った。魔術的に会話が記録されたこの場でこう宣言した。"願いがある"と。そしてその願いが、人を救う事だと。ならば彼は、紛れもなく自分たちの仲間だ。更に言うなら、自分と志を同じくする者でもある。
(負い目を感じる必要は無い、というのは間違いですが……彼を魔術師として、イギリス清教の一員として助けることに、遠慮はいらないのですね。彼がそう望み、そうあり続ける限り、私は彼を助けましょう。私が土御門にして貰ったように)
神裂が自らの決意を新たにしたその瞬間。それは起きた。
どこか遠くでミサイルが着弾したかのような地響きが、ウィンザード城全体に鳴り響いた。聞きなれない人間には一体何の音なのか、見当もつかない事だろう。3大派閥の長や、一部の騎士派と清教派。そして、聖人にして結界術にも通じている神裂火織には、瞬時にしてその要因の検討がついた。
(結界への術的圧迫!? いえ、圧迫などと生易しいものでは……)
鋭い視線が、審問会の会場を交差する。ここはイギリスの名だたるVIPが揃う会場だ。その守護を任された者たちが、この異常事態に敏感に反応するのは当然である。
そして、
「女王を最優先に! 手の空いている者は
「うむ、母として言わせてもらうが、アレがこのシチュエーションで、自らを王女だと知っている者を部屋に入れると思うか?」
「非常時です、ドアをぶち抜かせて頂きます。許可を」
「ダメだな。空っぽの部屋を、わざわざぶち壊す必要はない」
「……!? まさか」
女王エリザードの目線の先。VIP用の席ではなく、一般公聴用の席に座っているフードを被った正体不明の人物。ああ、嘘だろ、という表情を隠せない騎士団長だったが、今は緊急事態だ。護衛も付けずにこんな場所へ来ていた事は置いておこう。
「……彼女を保護しろ。今すぐにだ!」
複数の騎士が、フードの人物に駆け寄っていく。
「おや、騎士派が守りけるのは王室派のみなの?」
からかうように、ローラがめそめそと泣くような動作でふざけてみるが───
「いえ、貴女方は私が命に換えても守ります」
騎士団長はどこ吹く風で、自らの剣を床に突き刺し、こう叫んだ。
「
その言葉を聞いた瞬間、周囲の騎士がどよめいた。
「し、死ぬ気ですか!?」
「当然だ。3派閥のうち、唯一頭が倒れてもよいのは騎士派だからな。ここが私の命の使いどころだ」
ジロリ、と殺気を込めた視線を部下に送る。そして次に、その意志を確かめるように騎士は女王を見た。
「後は頼みます」
「それもダメだな。そもそも私にはカーテナ=セカンドの防護がある。これ以上の防護術式はいらん……まだまだ働いて貰うぞ、騎士団長」
決死の覚悟の術式行使を止められてしまった騎士団長だったが、悩んでいる暇は無い。
「承知しました。通常の対魔術効果妨害術式に切り替えます」
「……え? ちょっと? 待って待って、なんでどさくさに紛れて私の守護を解除しけるのかしら!? その術式の対象に、私が外れけるのだけれども?」
「ここには清教派も何人かおるだろう。そいつらに頼ればよいではないか」
だが今の所、清教派の長たる
そんなあたふたしている最大主教を遠目に、神裂はやれやれという感じで防護結界を張る準備を進めていた。
(ある程度準備を終えたところで、檻を破壊して彼女の元に向かうとしましょうか。今すぐに動けば、混乱した騎士派に攻撃されかねませんし……彼らが結界を張り、動けなくなったところで行くのが最善でしょうか)
この非常事態にも、自分の所属する部所のトップは平常運転だった。大物なのか小物なのか、いつもながら読めない人だと、神裂は思う。
(あとは、木原統一の保護ですか……彼が自前で結界を張れると助かるのですが。そうでないなら、この後彼を抱えて脱出しなくては───)
その瞬間、神裂火織は。ドチャリ、という嫌な音を聞いた。
「………?」
気づけば、彼は倒れていた。固い大理石の床の上……ではなく、
誰の血なのか。そんな事はわかりきっていた。彼はその身体のいたるところから出血していたのだから。彼は倒れる前から大量に血を噴出していたらしい。そうでなくては、自らの血溜まりの中に飛び込むことなど叶わないだろう。
明らかに致死量と言える出血。だが彼は生きていた。彼をよく知るものならば、それは当たり前だというだろう。木原統一の能力は
そしてその光景に、神裂火織は恐怖した。皮膚が絶えず裂けては治り、大量の血液を噴出しつつあるその男に。白目を剥いて、ついには絶叫を上げた仲間の姿に。
「が、ァァァァァァァァァァッ────!!!」
神裂の思考が停止する。一体なにが起きているのか。先ほどまで健康そのものだった彼が、どうして───
次の瞬間。ウィンザード城の結界を、正体不明の大規模術式が直撃した。
前回及び今回登場したオリジナルキャラですが
・ノーエスト=ブルーシェイク
・ディゴリー=マーティン
・サージェント=ストライニコフ
苗字は新約で登場したキャラから頂きました。「あー、アイツらね」と思い出せる人は大したもんだと思います。私には出来ません……