とある科学の極限生存(サバイバル)   作:冬野暖房器具

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 お久しぶりです、遅れてすいません。



 久々の投稿ですが、まさかの風呂敷を畳む回……と見せかけてやっぱり広げる回です。

 そして繰り返しになりますが、主人公の知識は新約とあるの北欧神話編までです。







 


073 愚者の彷徨うモノクロの迷宮  『9月1日』 Ⅳ

 

 

 

 

 

 静止した時の中で、彼はただ真っ直ぐに前を向いて座っていた。困惑した表情の上条に、訝しげに眉間に皺を寄せる土御門。さわやかスマイルで小萌先生を見つめる青髪ピアスに……そして不機嫌そうな吹寄。そんな彼らをじっくりと見渡すように視線を動かし、やがてその人物……『木原統一』は口を開いた。

 

「失敗したよ。どうやら僕は僕が思っていた以上に、彼らに思い入れがあったみたいでね。気を抜いたらこの様だ」

 

 それはとてもおだやかな声。俺が最後に目撃した狂気の『木原統一』とは似ても似つかない、世間話をするかのような口調だった。声も姿も自分とまったく同一の別人。俺やクラスのみんなとは違い冬服を着て佇むその姿は、まるでその景色に溶け込むことを拒否しているようにも見える。

 

「これはどういう状況だ?」

 

 周囲の時が止まるという大事件、その上『木原統一』が目の前に出現したという異常事態であるはずなのだが。口を衝いて出た言葉は存外に冷静だった。幾度となく異常な事態に相対してきた事によって耐性がついてきた……というわけではない。微かにだが、まるで何かに感情を抑制されているような気配を感じるのだ。イギリスでの御使堕し(エンゼルフォール)発動後、あの謎の生き物(エイワス)との出会いの時。あの時は逆で、怒りの感情が無理矢理引き出されていくようだった。方向性は違えど、この二つの作用の根本が同じであるのは間違いないと、この時俺は直感した。

 

「いやなに、僕が感情を引き金(トリガー)に出てきてしまった。言ってみればそれだけの話なんだけどね。結果として一人の人間に二人の人格は現出できず、君は意識を失ったんだよ」

 

「意味不明過ぎるぞ。説明する気があるのかそれは……いや待て、今意識を失ったって言ったか?」

 

 という事は、この光景は現実ではないのか。まぁ普通に考えて時を止めるなんて事は無理だろうが……いや、時の概念をぶっ壊す魔神なんてモノもいないことはないのだがそういうことを言いたいのではなく。もしもコレが夢や幻覚による光景なのだとするならばだ……では現実世界の俺は一体どうなってしまったんだ?

 

「ああ、ぷっつりと糸が切れたように、見事に顔から床へダイブしたみたいだ。当然だが肉体再生(オートリバース)で回復できないほどの怪我じゃない。何も心配はないだろう」

 

「……まぁ、丸焼けになったり真っ二つになったりと、イカれた実績はそこそこある。いまさら肉体再生(オートリバース)に疑いの余地はねえけどよ。問題はぶっ倒れちまった俺を見たみんなの反応じゃねえか? 普通に大事件だと思うんだが」

 

「…………」

 

 空白があった。俺の言葉を聞いた『木原統一』はわずかに顔を強張らせ、顎に手を当てて考えこむ事数秒。更に目を覆って天井を仰ぐこと数十秒。そして。

 

「たしかに。教室の様子を確認したがまるで蜂の巣を突いたような騒ぎになっている……そうだな、肉体再生(オートリバース)を持つ『木原統一』が昏倒するほどの”何か”があるならば……皆がパニックになるのも無理はない。未知の毒物や化学兵器の存在を考慮すれば、学校が閉鎖になる可能性も───」

 

 至極真面目な顔で『木原統一』はぶつぶつと呟き始めた。何が引き金になったのかは知らないが、どうやら俺は妙なスイッチを押してしまったようだ。声をかけようにもそもそもどこから突っ込むべきかもわからず。俺に出来る事と言えば『もしもこの学校でバイオテロが起きたら?』という妄想に浸る木原統一(じぶんじしん)を生暖かく見守る事だけであった。

 

(コイツ、自分がただ心配されてるって発想は無いのか? 土御門には義妹(まいか)の件で説教してただろうに……木原円周の技術、思考トレースを利用して友人をボコボコにしていた奴が、クラスメート達の心を欠片も把握できていないとは……照れや恥じらいで話を逸らしている雰囲気もないし。コレがコイツの、『木原統一』の自然体ってやつなのか?)

 

 肉体再生(オートリバース)という能力と長きにわたり付き合ってきた弊害か。あるいは、木原に見捨てられた彼が自然と獲得してしまった性質なのかはわからない。だが事の真相はどうでもいい。土御門を圧倒した力の持ち主、人からはみ出してしまった亡霊(きはら)、風斬やエイワスのような領域へと足を踏み入れつつある存在。そんなプロフィールを持つ彼が見せた人間らしい一面は、ほんの少しの親近感を俺の心に芽生えさせていた。

 

「おい、いい加減妄想の世界から帰ってこい……教室は今どんな状況なんだ? ここでお前や俺が悶々と悩んだところで、状況は何も変わらんだろ」

 

 俺がそう声をかけると、『木原統一』は「たしかに」と呟き再び天井を仰いだ。さきほどの言葉から察するに、また教室の様子を覗いているらしい。便利だなその能力。やろうと思えば俺にも出来るのだろうか。

 

「……どうやら事態は収束したようだな。保健室に運ぶことになったようだ。先ほどの土御門との抗争で打ち所が悪かったのでは、という話らしい。何故肩もみでそうなるのかと小萌先生が訝しがっている」

 

「そりゃそうだろうな。ならこれ以上心配させないために、とっとと起きた方がいいと思うんだが……起きようと思えば起きられるのか? この状況から」

 

「ああ。目覚める事自体は容易いし、やり方もこちらで把握している。何なら僕が君を後押しする形だけでも可能だろう。ちょっと待ってくれ…………よし、いいだろう。言っておくが、目覚めたら君は土御門に両腕で抱えられている状態だ。驚いて落ちないように気を付けろよ」

 

「は? ……ちょっと待て。それって俗に言う───」

 

「お姫様だっこというやつだな。いつか彼女に仕掛けようと思っていたので把握はしていたが、まさかやられる側になるとは思わなかった。さて、心の準備はいいか?」

 

「やっぱ起きるの無しで!! 絶対に後押しなんざするんじゃねえぞ!! その状況で目覚めるとかいくら準備しても心が受け入れるわけがねえだろうが!!」

 

 必死に待てを主張すると、意外にも『木原統一』は「わかった」と素直な返事を返してきた。どうやら絶望送り(ワールドリジェクト)は回避されたらしい。土御門には悪いが、そのまま保健室に運ばれるまではこのままでいさせてもらおう。今起きてしまったら、人生において不要なトロフィーが一つ解禁されてしまう気がするのだ。

 

「僕としては君に指摘された通り、すぐにでも起きた方がいいと思うのだが……君の事だ、何か考えがあるのだろう? 先ほどの件といい、いとも簡単に僕の盲点を指摘してくれるのは流石だよ。僕とは違う独特の視点を持っている」

 

「…………お、おう。いや、大したことはしてないんだが……」

 

 こっちがそこそこふざけた動機で覚醒を拒否したというのに、どうやら目の前の天然野郎は俺の評価を大幅上方修正したらしい。なんだろう、俺の想像してた『木原統一』はもう少し鋭いというか、察しが良いイメージだったのだが、話せば話すほどにそのイメージは崩れていく一方である。物語序盤で荘厳な顔見せをしておいて、中盤であっさり倒せる系の中ボスか貴様は。

 

「謙遜しなくてもいい。少なくとも僕にとっては大きな成果だ。謎に包まれたクラスメートの行動を君は見事に予測できるのだからね。とても勉強になる……ところで、土御門が君を抱えた時、一部の女子が歓声を上げていたのは何故だろうか。君にはわかるか?」

 

「…………いや、わからん」

 

 観察力はある。おそらくは人並み以上に。だがそこから展開される解法が間違っているというか、的外れというか。頭がいいのは日頃知識を借りているので間違いないはずなんだが、得た情報を致命的に生かせないのがこの『木原統一』という男らしい……うん、天然ボケと言っても差し支えないな。とりあえず分類(カテゴライズ)としては天然シスターことオルソラと同じ棚にぶち込めば間違いなさそうだ。あっちは人間やめちゃったりはしてないけど。

 

「そうか、君にもわからないか……む。廊下ですれ違った姫神が、何かを察したような顔つきになっているな。彼女に聞いてみるのもいいかもしれない」

 

 このクソ忙しい混迷期に、頭痛の種を増やすんじゃねえ……壮絶に的外れな勘違いを起こしている巫女さんの姿(実際は霧ヶ丘女学院の制服を装備中)が容易に想像できやがる。布束の件での姫神教会への相談会の前に、その庭に生えているであろう腐った花畑を焼き払う工程が追加されちまった……って。

 

「だーっもう! 脱線し過ぎだろオイ!……なあ、どうせならもっと建設的な話をしないか? これじゃあまりにも───」

 

 そう言い終わるのが早いか遅いかというタイミングで、俺は言葉を失った。まるでロケットで打ち出されたかと錯覚するような勢いで、教室の風景が一瞬にして吹き飛んでいったのだ。そして気が付けば俺は、とても見慣れたとある部屋へと佇んでいた。

 

「建設的か。それは実に難しいな」

 

 そこは俺の……『木原統一』の部屋だった。その中で、突然の風景の切り替わりに動じることなく、『木原統一』はゆっくりとベッドに腰かける。おそらくは彼がこの景色を切り替えた犯人なのだろう。さっきの教室の覗き見といい、どうやら彼はこの不思議空間をかなり熟知しているようだ。

 

「僕が君に隠している事は多い。だがどの秘密も、君に打ち明けたところで建設的な話にはならないと思うんだ……ああ、そんな顔をしても無駄だよ。君だってそう思ったからこそ、土御門や上条に色々と隠していた経験があるじゃないか。プラスにならないだけじゃない、マイナスになるだけでもない。どうなるか予測が出来ないというのが一番厄介なんだ」

 

 『木原統一』は至極真面目な表情だった。誤魔化しているわけではない、全て本当の事を語っていると。根拠は無かったが確信が持てるような、真摯で誠実さを帯びた言葉。たぶんコレが、俺が土御門にかけられなかった言葉なのだろうと、俺は思った。

 

「……何も言えない、という事か?」

 

「そこまでは言ってない。それも土御門の時と同じく、”言える事なら全部吐くけど” といったところか。君には迷惑をかけたからね。聞きたいことがあるならどうぞ、だ」

 

 聞きたい事。そう改めて問われると難しい。全てが始まったあの日からここに至るまでに、色々な謎に直面してきたものの。押し寄せる危機に対処するのが精一杯で、立ち止まって考えるなんて事はしてこなかった。単なる怠慢というわけではなく、その必要が無かったのだ。解き明かすべき謎、無知から導かれる不安や恐怖。そういうのはもうとっくに通り過ぎてしまったと言っても過言ではない。

 

(なら、優先すべきは俺の好奇心を満たすような言葉じゃない……この先に必要な事だ。来るかもしれない危険を予測して、それに対処できるだけの準備をする。そのための情報が最優先なんだ。ならまずは───

 

「俺は親父を、木原数多を救いたいと思っている。お前はどうなんだ?」

 

「愚問だね。まさかこの段階でそんな言葉が出るとは思わなかったよ。君は僕の事をなんだと思っているんだい?」

 

 呆れるように肩をすくめてみせる『木原統一』。それ以上彼が口を開く素振りはない。どうやら、答えるまでもないと言いたいらしい。

 

「把握しているのか?」

 

「完全ではない。君の知識はその殆どが読み取れていない状態なんだ。巷で言われるような知識と思い出なんていう括りは存在しない。人間の五感で感じ取れるあらゆる情報に加えて、君が想像で補ってしまっている精度の低い情報も、全てが雑多に集約されてしまっている。そんな中から死に物狂いで抽出した結果として……父さんや母さん、そして先生の最期は知ることができた。アレを回避するためなら、僕は協力を惜しまないよ」

 

 ……言質は取れた。先生、というのはよくわからなかったが、少なくとも木原数多の守護に力を貸してくれることは間違いない。ローマ正教と学園都市の頂点、神の右席と超能力者。その中でも特段にイカれた二人を相手にするのだから、味方は多い方がいいはずだ。なにより、土御門を圧倒したあの力があれば───

 

「ただし。わかっているとは思うが、この前のような援護は期待しないでくれ。騎士団長(ナイトリーダー)と土御門、二人を打倒できたのは条件が整っていたからだ。カーテナ=セカンドと神の力(ガブリエル)という二つの特殊な存在が無ければ不可能。僕自身は満身創痍の土御門に追いつめられるだけの存在に過ぎないよ」

 

 カーテナ=セカンドと神の力(ガブリエル)……つまりは天使の力(テレズマ)か。騎士団長(ナイトリーダー)のフルンティングを右手で受け止めたり、土御門を打ち倒し上条家を原作より3倍増しで破壊したあの力。莫大な力を強引に流用し、運用する技術。俺は魔女狩りの王(イノケンティウス)を介してならば可能だが、『木原統一』は自らの肉体でそれを実行出来るのだ。そんなトンデモ能力を期待していたのだが、どうやらそう上手くはいかないらしい。

 

「なるほど。確かに九月三十日には、天使の力(テレズマ)の発生源になるようなモノは無いな……いや、なら当日までにどうにか用意出来ないか? 儀式場を用意して、御使堕し(エンゼルフォール)の時のような、純度100%の天使の力(テレズマ)に拘らなければあるいは───」

 

「君が言うならそうなんだろうけど、生憎と魔術なんて外法の可否は僕にはわからないからね。その辺は君の方で上手い事やってくれ。なるべく張り切らない方向でね」

 

「……お、おう」

 

 いかにも不機嫌という表情で、『木原統一』はベッドに寝転がった。返事が無いのは、この話はここで終わりだという意思表示なのだろう。何が気に障ったかはわからない……事もない。おそらく『魔術』という単語がトリガーだとは思う。何故それで不機嫌になるかはまったくわからんが、以前のこいつの言動を鑑みるにそれだけは間違いなさそうだ。

 

「なぁ、言いたくないなら言わなくてもいいけどさ。何でそんなに魔術を毛嫌いしてるんだ? 魔術についてお前が知ったのはつい最近……というか、その状態(、、、、)になってからの事なんだろ?」

 

「……君は、今感情を抑制されている自覚はあるかい?」

 

「? ……ああ」

 

「それは僕が仕掛けたものだ。何も今この瞬間だけじゃない。君と僕の魂は互いに、そして常に引き合う性質を持っている。本来人の心は複雑だ。距離や大きさ、濃淡や高低、あらゆる表現でも完全に言い表すことは出来ないが。あえて表現するなら、君の心の動揺は僕に引き付けられ、その中間で留まるように調整されている」

 

「……」

 

「今はあえてその繋がりを強くして、君の混乱を回避しているんだが……気に障ったかな?」

 

「……別に。そんな事でへこむ段階はとうに終わったよ。というか、以前に最強の超能力者(レベル5)を相手に、喧嘩を売りに行っちまった理由がようやくわかったところだ。アレはお前の意志で布束を───」

 

「……? いいや、あの時僕は君を必死で止めようとしてたよ。魔術をよく知らない僕としては、勝ち目なんてゼロだろうと思っていたし。それでも止まらないのだから、あの時は頭を抱えたよ」

 

「あ、そう……じ、じゃあエイワスに殴りかかりに行ったときは───」

 

「いつの話だいそれは? 僕が知らないとなるともしかして、御使堕し(エンゼルフォール)の発動時かな? あの時は魔術の余波で一時的に君との繋がりが切れてしまっていたからね。抑制が外れて、普段より攻撃的になってもおかしくはないが……殴りかかる? あの謎の生命体に? やれやれ、得体の知れないモノに手を突っ込むのは頂けないな。たとえ死にたくなったとしても、もう少しまともな選択肢があるはずだ」

 

 聞かなきゃよかった。というか、まるで俺に自殺願望があるみたいな言い方はやめて欲しい。どうやらこれまでの事を掘り返してもいい事はなさそうだな。

 

「……話を戻そう。お前の魔術嫌いの話は?」

 

「君との繋がりとは別に、僕の魂を縛り付ける因子がもう一つある。科学に愛され、そして悪用してしまう性質。起源は人類の誕生から存在し続ける概念……"木原"だ」

 

「お前、それは……」

 

 科学を担う者の証。人類全体というスケールで、最先端の科学でもって悪事を実行する者たち。伝統や継承、一族の家訓などというわけではない。人類最先端の様々な分野の科学が発生する時、必ず出現し悪用してしまう概念。それが木原一族である。地球規模で現れるこの超絶に傍迷惑な一族は現在、世界最高峰の科学の道を突っ走っている学園都市が独占している状態であり、逆に言えば学園都市が日本に存在するからこそ、『木原一族』という枠組みに収まっているともいえる。学園都市成立前には、世界各地に草の根のように広がっていた概念らしく、そもそもは血や名前に縛られるような性質ではないのだ。

 

 だからこそ、はみ出し者が出てくる。学園都市に住む木原さん全員が、草刈感覚で対戦車ミサイルをぶっ放したり未元物質(ダークマター)でUMA化したりはしないのだ。必ず例外となる者は存在すると、俺の家に置いてあったレポートにはそう書いてあった。俺……すなわち『木原統一』は間違いなく、その例外に該当するらしいと。

 

「言いたいことはわかる。僕は木原を発現していないと言いたいんだろう? 科学に愛されず、いつまでも凡人止まり。それが学園都市が下した評価だ。僕だけが特別というわけじゃない、木原を発現しない者は他にもいる……そういう事もあるんだろうと、そう思っていた。いや思い込まされていた」

 

 視界が明滅を始める。これは以前コイツと会った時と同じ現象だ。現実に戻される前触れか、それともコイツの感情の揺らぎを表現しているのか、あるいはその両方なのかはわからないが。

 

「いるんだよ。本来の科学から、自分の気に入らないモノを切り離した奴が。科学を愛する木原からそれを取り上げた輩がね。一度科学でないと定義されてしまえば、たとえその分野のエキスパートとして生まれた木原にだって手は届かない。どこまでも非論理的で、斯くあるべしとされてしまっているのだから。科学の中に存在しないアドレスとして、僕に返ってくるのはエラー表示だけということさ」

 

「まさか……その切り離した奴ってのは───」

 

 ふと頭をかすめたのは、とあるゴールデンレトリバーの言葉だった。

 

『魔術だろう。我々の司る科学とは、対を成すよう設定された(・・・・・)技術体系……なるほど、私がそこまで無知な存在だと思えるならば、これは福音だな───」

 

「アレイスター=クロウリー。彼と、彼の操る原型制御(アーキタイプコントローラ)。この二つを叩き潰して科学を必ず取り戻す……非科学なんてモノの存在は、僕は絶対に許さない」

 

 そして視界が暗転した。彼の姿はもう見えない。だが彼の燃えるような眼差しは、まるでそこに焼き付いてしまったかのように。俺をいつまでも見つめ続けていた。

 

 

 

 

 

 










 まさかの独り言回。次回はもうちょっとだけ登場人物が増えます。


 あとなんか凄い絵を頂きまして、「使い道はご自由に」とのお言葉を頂いたのでこの場を借りて紹介しておきます(初使用の挿絵機能がうまく機能してくれればいいんですが…そして貰ったのが2月なのに今更紹介という…)


【挿絵表示】


 はたけやまさん作です。容姿の描写の少ない主人公なのによくぞここまで……絵描きさんはすげぇんだなと、思い知らされた1枚です。本当にありがとうございました。


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