交渉なんて全然ダメな俺だけど、心強い味方がいる。
セーミちゃんとメロンパンである。
ということで、3人で呪専へと向かった。
「おっ 来たね! ようこそ呪専へ!」
「夏油は……っ」
「あまぁいお菓子食べて待ってるよ」
その言葉にホッとする。五条がそう言ってるならそうだろ。
「んー? 何かしてる?」
その言葉に、ビクッとなる。五条悟は、じっとセーミちゃんを見ていた。
「セーミちゃん」
「術式は……持ってないね。でも何かしてた。何かな?」
そこでメロンパンが声を上げる。
「彼女は超能力者でね。君の言葉の真偽を確かめていたのさ。ダメだったかな?」
「ふぅん。そうだね。お互いに交渉が終わるまで危害を加えないと言うのを縛ろうか」
「良いだろう。ただし、私たちが私たちに対して何かをするのはよしとしないか」
「例えば?」
「セーミが君に触れるのはなしだが、私や夏油、さとりに触れるのはアリということさ。もちろん、さとりが私たちに触れるのもね」
「それはよろしくないなぁ。逃げるって事だろ?」
「本拠地は抑えているのだから、もう少し寛大になり給えよ」
「じゃあ、こうしよう。逃げたら交渉決裂と見做す」
「それは当然のことだね」
メロンパンが頷いたので、俺は縛りを結んだ。
夏油とはテレビ電話での会話だった。
「夏油! 直接会わせてくれるんじゃないのかよ」
「そんな事一言も言ってないよ」
ぐぬぬ。
『さ、さとり』
夏油は何かを書かされていた。持っている呪霊のレポートだろうか。
1000万いるはずだけど。あっ 確かにお菓子は用意されてるみたいだ。
「夏油。大丈夫。絶対助ける」
【安心したまえ。いざとなれば、五条悟の心を読んで夏油の位置を探して転移すればいい】
【了解】
『うん。待ってる』
「そんな緊張しなくても大丈夫だって。それにしても、すごい組み合わせだよね。脳みそを入れ替えることで体を乗っ取る術式持ちに、呪霊操術に、多分心を読む超能力者に、最強の僕のクローン!」
俺は思わず固まってしまう。
「ふぅん? 心を読むのはマジなんだ。いいね、使えそう。人質チェンジしてもいいよ」
「俺達4人の1人だって取りこぼしたら意味ない。俺達は家族だ」
「仲良しなんだね。残念だけど、君もゆうも強すぎる。人質なしはありえないかな。でも大丈夫。研究は今まで通りできるよ。メロンパンはね。他の3人は僕たちの仕事を手伝ってもらう事になるかな」
「俺達は呪術師にはならない。呪詛師にもならない。普通でいたいんだ。そもそも俺、呪霊討伐苦手だし……。ほら、かわいそうじゃん?」
「面白いこと言うね」
仕方ねーだろ、今まで呪霊=味方の環境だったのだ。
「それと、本物のメロンパンが傑の体を狙ってるって聞いたけど」
「ああ、呪霊操術は天元を操れるからね。それで私のオリジナルが彼の体を狙っていたのさ」
「夏油傑を倒す時は、その場で火葬しないといけないってこと」
「これ以上の情報はお代をもらうよ? 私達が悪いことをしない限り、私達の秘匿死刑を禁ずる。これを縛って貰わないことには、この先のことは話せない」
「なるほど?」
頑張れ、メロンパン!