メロンパンが交渉の鍔迫り合いをしている間、俺は夏油に話しかけることにした。
「夏油、大丈夫?」
『うん、今の所酷いことはされてないよ。君とメロンパンとセーミは大丈夫?』
「今、メロンパンが頑張ってくれてる」
『メロンパンに任せておけば安心だね』
「おう。だから安心して待ってて」
話していると、五条悟から殺気が漏れた。
俺は無限でメロンパンとセーミちゃんを慌てて包む。
「なになに、なんなんだよ!?」
「君は交渉をちゃんと聞いていてくれないかな?」
メロンパンは呆れていう。なんだか五条悟は怒っていた。
「僕と傑の友情が君の策略? 面白いことを言うじゃないか」
「私の策略ではないのだがね」
「別に、人質は1人でも構わない。そうじゃないかな?」
「いいのかな? 私のオリジナルの放った手駒の情報は知りたくないかな」
「あ、あんまり怒るなよ……」
俺は消え入りそうな声で言いつつ、メロンパンを抱き締める。
「さとり。私は柔らかいから、もっと優しく扱ってくれたまえ」
「ん、ごめん」
「それにしても信じられないな。君のオリジナルと、僕と、傑。この3人から遺伝情報と記憶をすっぱ抜くなんて、どういう術式だよ。やったのは高専入学前?」
「いや。高専入学後の彼は壊れてしまっただろう? だから、壊れてしまう前まで記憶がロールバックされて作り出されているんだよ。後、私は体が豆腐だが彼は精神が豆腐なので優しく扱ってくれたまえ」
「ちっ!」
「製造者責任は私たちにはないのだから、文句はそっちに言ってくれないか」
「誰だよ責任者」
「神様かな?」
ガンッとテーブルを蹴られて、俺はビクッとなる。
そこで、轟音が起こった。
「呪霊達による襲撃です! と、特級呪霊が数体!!」
「ちょうどいい八つ当たり先が現れたみたいだね。君達はここで待ってて」
「一旦交渉は終わりということにしないかね。自衛をするのに縛りが邪魔だ。なにせ誰が呪術師で呪詛しかわからないからね」
「嘘つけよ。僕よりその辺詳しいだろ。君の本体の記憶があるならさ。交渉を決裂させたくなければ大人しくしておけ。攻撃されたら攻撃するぐらいは許してやるからさ」
そして、五条悟は消えてしまう。
『さとりっ 大丈夫かい!?』
「夏油、俺達は大丈夫。お前は身を守ることだけ考えてくれ」
『さっき呪術使わないって縛っちゃったよ!』
「ええ!?」
「やれやれ、参ったな」
「ひとまず、セーミさんとメロンパンさんは別々に避難していただきます」
「ふざけんなよ。絶対嫌だ。夏油連れて俺たちは帰る」
伊地知さんの言葉に断固拒否の構え。
「セーミさんとメロンパンさんの安全は保証します」
「信じられるか!」
「ではこう言い換えましょう。セーミさんとメロンパンさんと夏油さん、誰が一番大事ですか?」
俺は思わず口籠る。
これって人質は1人いればいいフラグ!