「おやおや、お困りのようですね。助けてあげようか?」
「うーん、私のオリジナルの手の物かな?」
「ごめん、呪術師は信用してないけど、呪詛師はもっと信用してないんだ」
「逃げるのです! ゲトー様の捉えられてる場所はわかりました!」
「オーケー!」
夏油を回収して、俺達はバタバタと研究室に逃げ込む。
「おかえり」
「夏油様の偽物! 奈々子欲しい!」
「夏油様の偽物! 美々子も欲しい!」
「やあ、待っていたよ」
「お茶でも飲むかい?」
逃げようとした途端、帷が降りる。
「えーと、教祖様。なんで自分を乗っ取ろうとした人と唆した人と一緒にいるの?」
「君に対処する方が優先だからね。それにほら。その子を差し出してもいいんだし」
俺は夏油を庇って前に立った。
「仲が良くて何よりだよ。ところで私の呪霊を返してくれないかな? かなり数を減らしてしまってね」
「嫌だ! 君、私の、君の、私の、父さんと母さんを殺しただろっ 呪霊は人殺しに使ったたら駄目なんだ! この力は、人を守るためにあるんだから!」
教祖はキョトンとした顔をして、クスクスと笑った。
「そう信じていた時もあったよ。……懐かしいなぁ。君、私のものにならないかい?」
夏油は総毛だって俺の後ろで威嚇をする。
手が早いのに妙だな。
【傑、呪術使わないって縛りはまだ有効?】
【呪術師が君らに危害を加えないで悟がいいって言わない限り呪術を使わないってしばった】
【迂闊だね】
「俺の友達虐めるのは無しで」
「まあまあ。複製というなら子供みたいなものじゃないか。君、僕のコピー。どうやって脳みそだけで生命維持活動をしているのかな? いつ私の情報を抜き取ったのかも含め、興味あるね。メロンパンって名前に甘んじてるのもどうかと思うし、私の所に戻っておいで。今なら六眼と呪霊操術にテレパスの子もセットでもらってあげるよ」
「最初から君のものじゃないんだよなぁ」
「五条悟ハッピーセットは売り切れです」
「完璧な複製。それも六眼! 興味あるね。是非とも研究させてほしい」
「「「「いやです」」」」
「たった4人でどうにかなるとでも?」
「ん、じゃあこうしよう。私達は教祖君に呪霊を一つ譲る。それが気に入ったら、私のオリジナルを倒して、私達にも天元様にも危害を加えないようにしてくれないか。ただし、呪霊の受け渡しは後日とする。縛って?」
「ほう? 興味深いね」
「真人か!」
「馬鹿な! 真人は……まさか! 呪霊の複製まで作ったのか!?」
「……さあ? これから捕獲に行くのかも。ちなみに真人は非術師を術師に変えられる」
「なんだと!?」
「どうするかね?」
「そうだね。私に譲渡した後に取り戻そうとしないなら」
「そちらが生きていて真人の譲渡を望まない限り、真人を取り戻そうとはしない」
「よし、じゃあ」
帷が、割れる。
「傑。ユウを悪い道に誘わないでくれないかな?」
「誘惑されたのは私のほうさ」
「悟! もう縛りはいいだろ!? 破棄してほしい」
「だーめ。すぐ終わらせるから、ユウは待ってなさい。後、五条先生ね」
「生徒にする気満々じゃねーか」
「ついでに君も息子にする気満々だけど」
「マジかよ何歳の時の子供だよ」
「僕が知りたいね。やっぱり天内理子の護衛依頼の時の血液かな?」
「黙秘しまーす」
「やれやれ、断言しよう。そこの子は、また君を裏切るよ? さとり君のこともね」
羂索の言葉に、俺は鼻で笑う。
「裏切らねーよ。裏切らせない」
「随分と自信家だね?」
「何の為にセーミちゃんが24時間夏油のメンタルチェックと夏油の思考トスをしてると思ってるんだよ! メンタルブレイクの兆しのたびに悩み事に合わせた俺のスペシャルヨシヨシで沈静化させてるわ!」
「えっ」(教祖)
「えっ」(夏油)
「えっ」(五条)
「えっ」(羂索)
「あっ」(セーミ)
「あっ」(メロンパン)
「えぇ? それは……いいのかい?」(九十九)
「「きもっ」」(ミミナナ)
「夏油様、美々子あいつ嫌い」
「夏油様、あいつ吊るそ?」
「どういうことなんだい? さとり、セーミちゃん。メロンパンは知ってたのかい?」
「情報操作して汚いものはなるべく見せないようにとかもしてたよ。君、メンタル豆腐だから」
「豆腐じゃないよ! 失礼だな!」
「それ心を読めて数多の心を見てきたセーミちゃんの目を見て言える?」
「セーミちゃん!」
「(目逸らし)」
「わああああああああああ!」
泣き崩れる夏油。
「「偽物のゲトー様!! おのれ、偽物の五条悟!!」」
「あー、そんなメンテ方法ありなら、導入してもいいけど……?」
「絶対に嫌だ!!」
「いや、参ったな。その辺は後で考えるとして。君が繊細なのはわかったし、できるだけ配慮はするよ。だからさ。おいでよ。今度こそ、僕は君を守る。約束するよ」
「悟……」
「夏油! 呪術師が信用できるかよ! 俺とそいつ、どっちが大事なんだよ!?」
「ごめん、さとり。私、記憶を封印されてはいるけど、それでも呪専での記憶も埋め込まれてはいるんだよ。私の胸の一番奥の所で、言ってるんだ。親友は、悟1人だけだって」
「うわああああああああああ!」
「どうでもいいことでメンタルブレイクしている場合じゃないんだけどね、2人とも」
メロンパンの言葉に、最もだと涙を拭う。
「どうでも良くない!!!」
夏油はまだショックから抜け出てないようだ。
「はいはい、2人ともヨシヨシしてあげるから、いい子にしててね」
「やれやれ。私は守られる存在なんかじゃないよ。不快だね」
「中学生の君だろ。お前とは違うさ、親友」
「とはいえ、色々興味深いことを知れた。今日はここで失礼するよ」
「待ちたまえ。呪霊操術で従えた呪霊に成長はない。後ほど夏油から貰うか、オリジナルの方の真人を狙うなら、育てた後にしたまえ。夏油のは育ててあるからね」
「やっぱり呪霊もコピーできるんじゃないか!」
そして、彼らは逃げて、俺達は再回収されたのだった。残念。
「あっ そうだ! 真人直す前にメカ丸治さないと」
「何かね、唐突に」
「メカ丸って誰だい?」
「天与呪縛で超索敵長くなってるけど体弱くて困ってる人。そいつを治せば俺達が逃げ出した後、追跡が難しくなる」
「なるほど。健康になる代わり、呪術師でなくなると」
「いや、呪力結構あるから、呪術師じゃなくなると呪霊ばら撒くかもしれないし。呪術師のままにはしといてあげて」
「わかった。メカ丸はどこにいるんだい?」
「僕を蚊帳の外にして話を進めないでくれないかな?」
いやでーす。
この後、引き離したら(夏油が)暴れると駄々を捏ねて、4人を引き離すことは阻止した。
でもこれからずっと4人一緒ってのもしんどいよね。
なんとか身を守る方法を考えないと……。
そもそも上層部が信頼できないのが痛いよな。むしろ隙あらば、隙がなくても秘匿死刑にしようとしてくるし。
あっ 真人は隙を見て無事引き渡せた。なんか教祖様めちゃくちゃ術師量産してるっぽいウケる。