「じゃあ、食事でもしながら君の事を話してもらおうか」
「んー」
私は気づいた。信じてもらえる要素ないなこれ。
そもそもさとり達がこの世界にいるかもわからない。
間違えた世界に返却した可能性も思いついてしまった。
クローンよりもそっちの方が私としても受け入れやすい。私が複製だなんて思いたくもない。
「たいして話せることはないよ。さとりと、メロンパンと、セーミちゃんと一緒に過ごしてて、今彼らがどこにいるか生きてるかもわからないってことぐらい」
「じゃあ、彼らとの思い出話を聞かせてよ。セーミちゃんとメロンパンの術式何? まー予想つくけど。脳みそ入れ替えて乗っ取りでしょ? セーミは補助系の術式かな」
「すごいね。そうだよ。オリジナルのメロンパンは君の封印と私のオリジナルの体を狙っているらしいんだ。君が封印されるのは嫌だけど、偽物の私なら人質にはならないから大丈夫だよね。ああ、でも私のオリジナルが死んじゃったから、死体が足りないね。私の体、役立てて欲しかったけど、どっちに上げるか迷うな」
「は? させないから。何故傑の体を狙う? 何故お前はそれを受け入れんだよ」
「メロンパンは家族だよ。あと、私の呪霊操術、天元様、って人を操れるんだって。だからそれと呪霊の力を利用して、日本を贄にして、えっと……なんだっけ? 覚えてないや」
「よしわかった。絶対防がないといけないやつね。っていうかそれだけインパクトある計画をよく忘れられるね?」
「ようは日本の人間全部「お友達」に変えるんだろ? なら害はないと思って」
「あるよね!」
そこで、食堂に連れられ、カツ丼を頂いた。
「なにこれ、すっごく美味しい! 合成食じゃない!!」
「むしろ合成食がなんだよ」
「美味しい美味しい」
沢山食べた私は、眠くなるとさとりにくっつく。
「おやすみさとり」
「えっと、パパだよって撫でればいいかな、坊や?」
困惑した声に、そうだと思い出す!
ここは敵地!! 相手は悟!!!
「違くて! いつも無限に入れてくれて寝てたから!」
「無限に入れてあげないと寝れない?」
「それはそう。って違う!」
「どっち?」
「わあああ違う違う違う! 私はもう大人で!」
「体はね。実際の年齢いくつ? いっさい? にちゃい?」
「それに15足すから!」
「偽物の記憶があったところでねぇ。例えば術式使える?」
「それは大丈夫だよ。呪霊はお友達だし」
「じゃーやってみて」
ということで呪霊を用意され、私は呪霊玉をのみこ……めなかった。慣れてるはずなのに全然無理。
あまりの不味さに泣いてしまった。まずい死んじゃううえええええええええんオロロロロ
「嘘だろ、手持ちの呪霊ないの? ぼっちじゃん。友達百人作ろ?」
「友達ならちゃんといる!」
私は呪霊達を出す。アラームがいっぱい鳴った。
「こいつらどうやって手に入れたわけ?」
「た、多分引き継ぎ?」
アラームにワタワタしながら私は答える。
「呪霊操術者同士で呪霊のやり取りができる? 実験体どうしで融通したのか。とすると、マジで1歳かそこらの可能性もあるな……。待て。メロンパンって奴は違うんだろ? お前達クローンの製造目的はなんだ?」
「あ、それはもう終わったみたいだから」
「は?」
「私達はもう自由ってこと」
「なにが目的だったのか教えてもらっていいかな?」
「んーと……」
「1さいに聞いてもわからないか」
言えないで困っていると、勝手に納得されてしまった。
「心当たりや思い出せた事はなんでも話してね」
そうして、私は保護された。
メロンパンやセーミちゃんを抱っこせずに眠るのは久々すぎて困っていたら、学長が人形を貸してくれた。
いい人だと思う。