転移先は、呪世界だった。
メロンパンもセーミも夏油もいない。
たった1人だ。
ひとまず、探す所といったらあれだろう。
呪専である。
ということで、こっそり侵入する。
夏油がぬいぐるみと共にいるのを見て、手を振った。
「夏油!」
「さと…り? さとり!!」
「良かった、すぐに逃げるぞ!」
「ちょっと待って、悟に連絡する」
「連絡すんな!」
「なんで?」
「なんでじゃねーよ! 呪術師ってのはなあ!お友達の呪霊と殺し合いしないといけない職業なんだぞ!!」
「呪霊はそもそもお友達じゃないでしょ」
そう言って、俺の首根っこは容易く掴まれた。
「げっ 五条 悟!」
「よろしく、さとり」
「っ」
俺は瞬間移動で夏油を確保し、さらに離脱しようとする。
「させないって」
ベリっと夏油を奪い取られ、俺は歯軋りする。
「狙いはなんだ!」
「僕のセリフでしょ、それは」
「俺は! 俺は皆と平和に生活できればそれで……!! だから夏油! 一緒に逃げよう!」
「さ、さとり……でもここのご飯美味しいよ?」
「それは友達と殺し合いする理由になんねー!」
「君、そこまで呪霊と親しいわけ?」
「俺は……! 味方の呪霊……夏油の呪霊しか知らない。知る必要もない」
「いやあ。そこは貪欲に知識を得ていこうよ。呪霊以外の友達欲しくない?」
「何度でも言うが、必要ないね。俺は皆と一緒にさえいられればいいんだ」
「さとり……。でも私は、悟が親友でさとりは友達だし……」
「は? だって、俺達、何年もずっと一緒にいただろ。五条悟といた記憶なんてないはずだろ?」
「それでも、私の魂が言ってるんだ……。私の親友は悟だって。悟にとっては偽物だってわかってるけど」
「お、俺は……」
灰になった俺は、容易くオリジナルに捕獲されてしまった。
「わああああああああああ」
「さ、さとり……」
泣きじゃくるさとり。さすがに気づいてよってくる学校関係者。
「何を泣いているんだ、早く泣き止ませろ」
「うーん、痴情のもつれかな? 無限に入れて寝てたって言ってたね、そういえば。仲良しなんだね」
「悟の泣き顔なんて珍しーな。撮ってやろ」
「やめて、そもそも僕じゃないし」
そこで、棘がニュース動画をタップ。気になる速報ニュースが出たのだ。
『宇宙人現る!!』
嘘くささ大爆発のニュースである。
『我々は、宇宙人だ』
喉を震わせての声真似。メチャクチャ嘘である。が。
「嘘くせー。って、マジかよ!?」
スマホに映る女の子と空飛ぶ脳みそが並んでいれば、信じざるを得ない。
「この声! セーミちゃん!」
「セーミ!」
『我々マブラブ星人は人型ロボットの知識情報と引き換えに、友人の情報と穏やかな生活を求める』
「メロンパン……」
「メロンパン!」
「うーん この脳みそ、君らの仲間? オリジナル?」
「仲間だよ」
「ふぅん。ちょっとお話聞いてみようか」
なんだか嫌な予感!