地球を監視していた宇宙人が、地球の危機にその職務を逸脱して人を送ってきた。
それゆえ、エイリアンの事情を内密に横流ししてもらえた。
なのでこれは絶対に内密で、今後も地球に援助が欲しければ、電波にも流してはならない。
地球へ秘密裏に援助に来てくれた者達への迫害など論外である。
そのようなストーリーと浮かぶ脳みそと若者2人の写真、BETAの事情は速やかに各国に配布された。
すなわち、超新星爆発でエラーを起こした資源採掘機で、珪素生命体の作品であるゆえに炭素生命体に対応しておりませんという残念なお知らせを。あと、司令系統は箒型なのでカシュガルを倒せば当面はなんとかなります。あのBETAかなり拡大して宇宙に大増殖してて、正直犯人見つけるの死ぬほど大変だし、生存してるかも厳しいかもよ?
「安全装置くらいつけておけっっっ!!! 宇宙なんだからあらゆる状況に対応させておけっ 1人でいいから見張りをつけろ!! 無駄に学習装置などつけおって、異常を検知したら報告を上げるように作っておけ!! 産業廃棄物を公共の宇宙に放流など、度し難い!!」
荒ぶる各国首脳陣。誰だってそうなる。当たり前である。
エラー起こしちゃいました、てへぺろで10億単位の人類が死んでいる。
人類以外の生命体も混ぜれば文字通り桁外れの数となる。
「訴訟だっ 絶対に訴訟してやる!!」
「そのためにも宇宙船の建造は欠かせませんな。移住できると太鼓判を押されたのも幸いでした」
もはや逃げるためではない。訴訟の為に宇宙船の開発計画は立った。
「しかし、向こうが機械だというのなら、ハッキングや修理はできないのか? 相手が機械だというのなら、オルタ3は全くの無駄なのか?」
「いえ、オルタ3は宇宙に打って出るならば必要かと。翻訳に役立つはずですし、それこそBETAのハッキングに使えるやもしれません。何より、オルタ3は、エイリアン2号の真意の確認に最適です」
そういうわけで、電波に乗せられないならと、改めて呼ばれることとなったのだった。
どのオルタ計画を優先させるか、あるいは新しくぶち上げるかの重要な会議である。
同時進行できる余裕などないのだから。
「うー。緊張してきた。オルタ3の子達も来るんだよな」
「ダメだと言っても来るでしょうね」
「変な事考えないようにしないと」
「はっはっは。頑張ってください」
左近さんとは何度か調整をしている。
練習にも付き合ってもらったし、大丈夫だと思う。
俺は、一生懸命改めてBETAについて説明をした。
「それで、なんで君達を送るだけで対処しないのかね。君らの依頼主は」
「無責任じゃないかね!??」
「何がルール違反だ!」
「やめてください!!!」
叫んだのは、今まで控えていた心を読む少女。
あ。嫌な予感する。
「彼らは、並行世界から神様に助っ人に呼び出されたに過ぎません。他の星の事なんて、神様は感知しておられないと思います。人間の行いに神が関与しすぎるのも、本来は越権行為ではないか。そういう事なのでしょう。勇者、様」
まあ。マルッとバレるよな。
「俺らを呼んだ依頼人が神様なのか、高位生命体なのか、面白半分の悪魔なのか、それとも善意の第三者なのか。俺は知らないから、なんとも言えない。俺が知ってるのは、地球を救うとお願いを一つ叶えてもらえるって事と、俺達が元は並行世界で死んだ人間だったってことくらいだよ」
「それでもあなたは、依頼を受けました。私達、この世界の地球の人々の祈りを、呪いを受け取られました。助けてください」
「……わかってるよ。俺達にはその義務がある。ただ、もう2人は繊細でさ。余裕のない状況だから、乱暴に扱われたくないんだ」
「私が守ります。地球を救ってもらえるならば」
その言葉に、ざわざわと騒めきが走る。
「つまり、神の使い? 奇跡? 今更?」
「そんな、信じられん!!」
「しかし、嘘をつくような情緒は育てられていない」
「それはそれとして護衛の越権行為ではないかね?」
「静粛に! 静粛に!!」
そのまま大騒ぎになってしまい、休憩を挟んで、会議が再度始まった。
左近さんが告げる。
「さとりさん。貴方は、私の望むものを一つだけ呪ってくれるとおっしゃった。ならば、ボバールハイヴを呪ってほしい。スワラージ作戦への参加をお願いします」
「あー。俺、守る戦い、苦手なんだけど。友達呼んでいい?」
「もちろん。むしろこちらがお守りしますよ」
ということで、スワラージ作戦に参加する事となったのだった。
越権してまで俺を庇ってくれた女の子を庇うのもあって、俺は了承した。
あ、オルタ4は順当に宇宙船建造計画となりました。オルタ3もハッキングできないかに鞍替えとなった。原作崩壊!!
オルタ4は緊急避難先として、資源調達の場として移住を考えつつ、最終目標は犯人確保らしい。
この時、俺はうっかりしていた。
迫害される特殊能力を持った幼女……彼女らに夏油を近づけるべきではなかったのだ。
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