スワラージ作戦。それは、BETAへの大規模反抗作戦であると同時に、BETAの心を読み、対話を試みるという作戦なのだ!
ということで、やってまいりました、ボバールハイヴ。
「セーミちゃん。大丈夫。私がきっと君を守る。私は……最強だから」
「はい」
セーミちゃんは記録媒体をしっかりと胸に抱えていた。
そして夏油は脳味噌を抱える。
3人で走る。
敵は戦術機が引きつけてくれた。
とは言っても、やはりBETAは襲ってくる。
「紫」
初っ端から飛ばすぜ!
「硬いな!! 一級クラスからしか歯が立たないぞ!」
だろ、がんばれ夏油!
穴をすぐに埋めてくるBETA。
これは足の遅さがネックになりそう。
それでもなんとかハイヴまで辿り着き、中に入っていく。
作戦はこうだ。
俺と夏油がBETAを倒し、帷の中で休憩する。食料は呪霊に事前に食わせてたものを使う。
頭脳級の調査をして帰る。
転移を使えたらいいのだが、入り組んだ中で使えるほどの便利なものではないのだ、あれは。
作戦は当たった。
ということで、早速どんどん入っていった。
しかし、ハイヴは広かった。
中々辿り着けない。
迷子な気もすごくする。
「流石にまずいかも」
「本当に不味くなったら呪霊を集めてビームみたいのが出来たはずだから、それでなんとか道作って逃げようぜ」
あと少し、あと少しを続けて、頭脳級のところまで辿り着くことができた。
できてしまった。
「こっから先はハッキング勝負になるけど、大丈夫?」
「ゲトー様。手を握っててくれますか? それなら、頑張れると思うんです」
「メロンパン大丈夫そう?」
「少なくともここに来るまでの小さなBETAはいけたからね。まあいけるだろう」
頼もしいぜ、メロンパン。
ということで、一応、プロジェクションでお前らの創造主に指示を仰げ、と送りつける。
無反応。
リーディングで記録を取り、第二作戦。
赫で先っちょを吹っ飛ばした後に、メロンパンをON。
「うーん? いけそう。いけ……!?」
様子がおかしいのでメロンパンを引き離す。
「危なかった。どうやらハッキング対策は万全のようだ。私だけでは少しきついかも」
BETAがなだれ込んでくるので、頭脳級を完全に消しとばす。
すると、BETAはクルリと反転していった。
突如としてBETAがばら撒かれる事になるけど、仕方ないよね。
「帰り道かぁぁぁぁ。食料足りるかな」
「が、頑張って歩きましょう」
「光線級が帰った後なら夏油の呪霊に乗って帰れるんじゃない? って言うかのせて」
「いいよ。お疲れ様、さとり」
でもまあ、帰るしかない。
行きは良い良い帰りは怖いだ。
少し待って、BETAが大方帰還してから移動しよう。
三分の一ほど進んだところで、戦術機に迎えられた。
「よー! 俺ら、すげー頑張った!!」
「やったのです! ほらっ ちゃんと記録とってきました!!」
「お出迎えご苦労様」
「きたばかりで悪いけど、送ってもらえないかな?」
「っ 神の御使様、万歳!! もうだめかと……!!」
「姉様、誇りに思う」
あっ 複座型。あっ セーミの姉妹。
夏油には言うなよ。絶対言うなよ!
俺は必死で心に思い、こくりと複座型の子が頷いた。
こうして、俺達はゆっくりと、とてもゆっくりとお出迎えされ、ハイヴはすぐに奪還されるのが目に見えてるので急いでの調査が行われた。
プロジェクションとリーディングで確認した所、やはり俺たちが死んだと思われて、一ヶ月は待ってもらったが、その後規定通りオルタ3の偵察は行われてしまったそうだ。
全滅ではないが……。
頑張ったのに、死んでたとか夏油のメンタルブレイクが不可避なので意地でもバラさないように、と言明した。幸い、機密の塊だから知っているものも少ないだろう。
夏油にとても大きな秘密を抱えてしまった……。
めでたい凱旋のはずなのに、緊張感あふれる凱旋式になってしまったのだった。
セーミちゃんは、必死に兄弟姉妹、お偉方にプロジェクションする。
大冒険スペクタルだ。
若干美化されている思い出を、ひたすらばら撒き続けるお仕事である。
ちょっぴり邪悪な天使を従える心優しい御使様を讃えるのです……。
無表情ながら幸せそうに任務をこなす彼に目立ちたがり屋で承認欲求の大きい夏油様もニッコリ。
俺も照れくさいけどよかった。
BETAに精神汚染されてないかのチェックをセーミちゃん姉妹にしてもらい、シャワーを浴び、貴重な天然素材かつ豪勢な食事をご馳走になり、夏油は満足そうに寝室に行った。
俺ももう少ししたら寝よ。
「さとり! さとり!!!」
飛び出してくる夏油。空いたドアから裸のセーミちゃんがこんにちは。
「夏油様、セーミのこと、嫌い、ですか……?」
「年齢を考えよう!?」
まあ、そう来るでしょうとも。
「残念だなぁ。俺は自動で無限が掛かってて誰も触れないから! いやー残念だ」
このままソファーで寝ちゃお。
「その無限に入れてくれ!」
ぐいぐいと引っ付いてくる夏油。
「やめろ野郎がくっつくな! いくら無限張ってるっても絵面がやばいだろ」
「はっはっは。仲良きことは良きかなだね。セーミとの子供はどんな脳を持って生まれるか、非常に興味があるよ。いやー。私も子作りできる体があれば参戦してるのだがね」
ぐいぐいぐい。ぐいぐいぐい。
賑やかな夜は過ぎていく。
明日は多分、もっとえぐい現実が突きつけられるだろうけど。
今この瞬間だけは、ギャグ時空である。
感想、評価ありがとうございます!
メロンパンがメロンパンしてなくて、本当にごめんなさい。