とりあえず短めではありますが、こちらも投稿をば。
次話から多めに、ね。
ナスカ級"ヴェサリウス"艦内。
「奪った機体を全て投入するのか」
「隊長の命令ならば、従うさ。ナチュラルが作ったにしては、試作MSなだけあって、ジンとは性能が段違いだからな」
「しかし…。ミゲル、大丈夫なんでしょうか…?」
「本国に搬送されたんだ。意識は失ってたが、呼吸はあったし、応急処置も済ませていた。命に別状は無いだろうさ」
「話しか聞いてないけどよ、あのラスティが奪うはずだった機体…。ストライクだっけか?ソイツがデッカいソードを持ってたのに、急に割り込んだ敵のMSのサーベルが足りないせいで、あれぐらいで済んだみたいだぜ。どういう意図があったのか知らないけど、運が良かったよな」
「………たしかに。生きてるだけ、マシ……ですよね」
ヴェサリウス格納庫内で、そんな会話が行われていた。
ヘリオポリスから奪取されたG兵器のパイロットとなった赤いパイロットスーツを着込んだ少年たち。
デュエルのパイロット、イザーク・ジュール。
バスターのパイロット、ディアッカ・エルスマン。
ブリッツのパイロット、ニコル・アマルフィ。
そして、もう1つのG兵器のパイロットは…。
「……そうか。キミが月に居た頃の友人が、ヘリオポリスにいたのか」
「……はい。アイツがあの機体に乗っているのは、偶然なんです。地球軍にいるのも…!」
ヴェサリウス内、隊長室。
イージスのパイロットである、アスラン・ザラ。
そして、このヴェサリウスを母艦とするクルーゼ隊の隊長、ラウ・ル・クルーゼが、そこにはいた。
「だが、その機体を動かせて、なおかつコーディネーターならば、再び戦場に出てくるはずだ。私も、キミに友と争わせるようなことはしたくない。アスラン。先は許可したが、キミにイージスは…」
「いいえ。自分が、アイツを連れ戻します。同じコーディネーターなんです!話せばアイツも分かってくれるはずで…!」
「……ならば、ストライクの相手はキミの仕事だ。アスラン。ちょうど、あの船には他にも障害がある。イザーク達には、そちらの相手をしてもらう」
「……クルーゼ隊長のお話で、エンデュミオンの鷹がいるというのは、お聞きしました。しかし、あのモビルスーツは……?」
「どうやら、地球軍の試作モビルスーツはG兵器だけでは無かったようだな。アドバンテージと言ったそうだが」
「はい。イージスでロックオンした時、そのように」
「ふむ。ビームマシンガン、シールド、そしてビームサーベルに、両肩に付けた砲門……。中距離支援用の試作モビルスーツ、というところか……」
「……………」
「……不穏分子は、先に潰すに限る。分かるな?」
「………はい」
一方その頃、アークエンジェル艦内。
「おい、クロト」
「なにオルガ。いま僕、見ての通りめちゃくちゃ忙しいんだけど」
「整備班が整備してるのは当然だろ?それに、なんかあったら来いって言ったのお前だろ」
「いや、たしかに言ったけど。アレって方便とかって分からない?来るなとまでは言わないけど、タイミング考えてくれない?」
「今じゃなきゃいつ来るんだよ。武器に関することだってのに」
「おお、兄ちゃん…。いや、サブナック二等。何の用だ?」
「別に、そんな風に呼ぶなよ。艦長もいないんだからよ。戦うことを選びはしたが、なるべく階級で呼ばれたくはねぇし」
「そうか。じゃあ兄ちゃん。何の用だ?」
アークエンジェルの格納庫内に、オルガは現れた。
今なお整備中のクロトに声をかけているところにマードックもやって来て、オルガは本題に入る。
「あのグレネード撃ったビームライフルあるだろ?」
「ああ、デュエル用のライフルか。あれがどうした?」
「いやよ。あのビームライフルはまだ使い道あるからいいんだが、グレネード撃ったんだから、別のにしてくれねえか?」
「……ああ。グレネード装填させるのを止めて、別の付けろってことか?」
「そういうこと」
「えっ。なんでだよ。グレネード付けれるなら、付けたほうがいいだろ?」
「別に武装付けるのに文句言ってんじゃねぇんだよ。あのグレネード、ライフルの下に付いてるから相手にモロバレだし、仮にライフルが壊されたら、誘爆が凄いことになるだろ。それに、まだ使っちゃいねえが、あれ使う時なんてレールガン使う時とそこまで変わんねえだろうし、だったら他にも取り回しのいいやつ付けて欲しいんだよ」
「あー………。なんかオレ、いま凄い正論を目の前のオルガからぶつけられてる気がする」
「あれに付けれて、取り回しのいい武装となると……」
「マシンガンがいいな。あのジンと似たようなやつ」
「ああ。それならいけるな。よしクロト、あそこにガッチリハマれるマシンガン部分作るから、死ぬ気で行くぞ」
「えっ、あの、おやっさん?僕もう2徹目なんですけど。そろそろ3徹目行きそ」
「…………………よし。行くか」
何やら悲劇的なことを言いながらマードックに引き摺られるクロトを見届け、オルガは格納庫から立ち去る。
後で水でも持って来てやろう。そう思いながら。
「あっ……オルガさん」
「ん…。トールか」
格納庫を抜け、自室へと向かう廊下で、トールと出会ったオルガ。
「部屋にいなくていいのかよ?それに、カズイたちは?」
「カズイたちは、部屋の中です。ただ、オレたちも、艦長に言いたいことが……」
「……………お前ら、まさか」
「………この艦にいるなら、自室に引き篭もろうと、何処にいても、そんなに変わらないでしょう」
「……ブリッジにいる方が、一番危ねぇぞ。敵のモビルスーツが狙うなら、大体そこだ」
「それでも、2人にだけ……。いや、違います。2人が戦うから、じゃなくて…。オレにも、オレたちにも出来ることがあるなら……!」
「……なら、オレに止める権利はねぇがよ。だったら、オレたちが帰れるよう、頼んだぞ」
「………はい!」
『サブナック二等、ヤマト二等、至急ブリッジへ!2人は、至急ブリッジへ!!』
「えっ……!?」
「………チッ。思ったより早ぇな」
艦内に、緊急アナウンスが流れる。
アラートまでは鳴っていないが、危機が迫っているというのを感じるのには、充分だった。
「そうするつもりなら、早く来い!アイツらも呼んどけ!!」
「は、はい!!」
オルガはブリッジへと走り、トールは引き返し、仲間のいる部屋へと戻る。
オルガがブリッジへ着くと、既にキラもそこへいた。
「早かったな、キラ」
「偶然、近くにいたので……」
「キミたちを呼んだのは、これだ。この熱源はザフトのナスカ級と、ローラシア級と認識された」
ブリッジ内のスクリーンに移されたのは、この宙域の地図だった。
その地図には赤い丸と、それを刺す矢印が記されている。
そこにはたしかに、ナスカ級、ローラシア級のアイコンが映されている。
「………十中八九、クルーゼ隊だ」
「……………」
「……赤いヤツ、イージスは落とさないようにする。撃って来たからには、撃ち返しはするが、なるべくトドメは刺さない。でいいよな?」
「……流石に、それ以上のことは言えないわ。それに、送り出す私たちが言えたことでは無いですが、自分の身を最優先にしてちょうだい。いいわね?」
「んなこと、分かってる。だろ?キラ」
「…………はい」
戦いは、近い。
要するに105ダガーのビームライフルみたいなものと思ってください。