ブリッツ盗まれたのが絶望的に運が最悪過ぎただけで。
前回アンケート始めたのが投稿してから少し経ってからだったので、現状トップの夜投稿にさせてますが、本決定は次話からにしますね。
アークエンジェルは航行を続け、アルテミスへと到着した。
アルテミスからの通信を受け、マリューたちが素性を明かし、なんとか要塞内部へと入ることができた。
「やけに入るのに時間かかったな」
「そりゃあ、アルテミスはユーラシアんとこだからな」
「ユーラシア………。あー、てことはアンタら。大西洋連邦なのか」
「言ってなかったけか?まあ、それ抜きにしても、アークエンジェルは新造艦だ。データも登録されてなかったんだろうよ」
「…………ふーん?」
先のクルーゼ隊との戦いから、そこまでの時間が経っていない状況だったため、オルガはまだ格納庫へいた。
近くにいたマードックとそんな会話をし、ストライク、アドバンテージを見上げる。
(………となると、コイツは……)
「おっと、オルガ。お前はまだここにいたか」
「フラガのおっさん?なんだよ。そんな野生のキラ捕まえて」
「や、野生って……」
「まあ、2人にしか出来ない……。いや。アドバンテージはマードック軍曹たちにも出来るか。ともかく、お前らの機体のOS、ロック掛けといた方がいいぜ」
「まっ、だろうな。キラ、ストライクのOS、しっかりやっとけよ」
「わ、分かりました……」
降りてからそこまで立ってない、各自の機体のコクピットに2人は戻り、作業を始める。
それから少し経ち、2人はコクピットから降りてくる。
「おっさん、マニュアルありがとよ」
「おう。ただ、よくマニュアル見ながらでもこんなすぐに対応出来たな」
「そうか?マニュアルありゃ、出来るだろ」
「いや、オルガ。マニュアルあったところで、OSのことに関してそんなすぐに対応出来るって、なかなか出来ないと思うけど」
「………まあ、ヘリオポリスで部屋を借りてたのが、その方面のゼミだったからな。キラもそんな感じだろ」
「いや、オルガさんの対応速度は僕も凄いと思います」
「なんでこの流れで裏切んだよ」
同意を求めたキラに裏切られたオルガは、そのままキラの肩、どころか首に腕を回し、捕まえる。
ギブの声を上げるキラと、その光景を見つめるクロトとマードックたち。
キラの犠牲のもと、ほんの少しだけ、和やかな光景が広がっていた。
「足付き、アルテミスへと逃げたって?」
「みたいだな。偵察のジンが確認したそうだ」
一方その頃、ヴェサリウス艦内。
アークエンジェルのアルテミス入港を確認したクルーゼ隊は、これからの方針について話し合う。
「アルテミスとなると、あの傘が厄介だな。出てくるのがメビウスぐらいだとしても、あそこに引き込まれては何もできん」
「たしか、要塞全体をビームバリアが囲むんだっけ?そんなことされたら、こちらの攻撃なんて届かなくね?無駄にエネルギーや弾を減らすだけだよなあ」
「………それ、仕組みは分かってます?」
「仕組み?そんなの、敵見つけたら展開するだけだろ」
「………でしたら。僕のブリッツが、急所を突けると思います」
「ブリッツが、か。フェイズシフトは知ってるが、他にも何かあるのか?」
「はい。1つ、面白い機能がありまして。それでしたら、あの傘が首を絞めることになると思います」
「ふむ。ではニコル、切り込みを頼めるか?」
「ええ。任せてください、アスラン」
「んじゃあ、あとはストライクやアドバンテージの対策考えるかね。ストライクの装備の切り替えも厄介だけど、普通にアドバンテージ自体が邪魔なんだよな」
「今まで使ってはいないが、あのキャノンも気になるところだ。何が発射されるかは分からないだけ、余計にな」
「ストライク………」
再びの襲撃は、近かった。
「各位!手を上げろ!その場から動いてはならん!!」
「な、なんだよ急に!?」
「チッ…。トール、一応言うこと聞いとけ。武装した奴らばっかだからよ」
アークエンジェルがアルテミスへ入港して少し経ち、アルテミス側からの反応を待っていたアークエンジェルクルーたちだったが。
オルガたちがいた食堂、そしてブリッジなど。艦内にアルテミス側の武装した軍人が乗り込んで来た。
「これより、他のクルーをここに集める。おかしなマネはしないでもらいたい」
「ずいぶんな歓迎じゃねえか。同じ連合なはずだろうによ」
「識別コードの無い軍艦を、そのまま友軍艦と認められるか!」
「ならなんで入れたんだよ……。へいへい、大人しくしてりゃいいんだろ」
悪態をついてはいるが、言われた通り両手を上げ、その場から動かないオルガ。
隣にいたトールやカズイもそれに倣い、抵抗はしない。
「し、識別コードが無いってのは、たしかに怪しまれるとこってのは分かりますけど……。お、同じ連合の服着てますよね?こんなにされることあります?」
「…………まっ、奴らにとって識別コードが無いってのは、よっぽど重要だったんだろうよ」
「おう、坊主共もここにいたか。となると、連れてかれたのはフラガ大尉や艦長たちだけか」
「マジでここに集められてんのかよ。整備班の連中までここに来られると、キツキツどころじゃないんだけど」
「悪いな。おかわりだ」
「…………マジかよ」
ブリッジにいたアーノルドたちもやって来て、いよいよぎゅうぎゅう詰めとなったアークエンジェルの食堂。
早く終わってくれと願うオルガだった。
「マリュー・ラミアス大尉。ナタル・バジルール少尉。ムウ・ラ・フラガ大尉……。たしかに、IDの照合は出来た」
アルテミス内の、司令室にて。
アークエンジェルより移動させられたマリュー、ナタル、ムウの3人と、アルテミスの司令官、ガルシアがそこにいた。
「ご足労をおかけして、申し訳ありませんね」
「いやいや。しかし、エンデュミオンの鷹とこうして会えるとは、光栄だ。まさか、あんな艦でやって来るとは思わなかったがね」
「特務ですので。細かいことは言えません。すみませんが、補給をお願いできませんかね?我々も、すぐに出て行きますので」
「ふむ……。何か急を要することがあるのかね?」
「一刻も早く、月の本部に向かわなくてはならないのですよ」
「それに、ザフトに追われている状況です。迷惑をかけるワケには…」
「ザフト…?ふむ。それは、あれのことかな」
ガルシアがモニターを表示させる。
そこに写っていたのは、一隻のローラシア級だった。
「なっ……!把握してるなら、何故何もせずに!?」
「別に、いつものことだからさ。辺りをうろちょろして、すぐに帰る。燃料を無駄にしているだけだよ。こんな状況で、補給を得て出たところで、どうにもならないのではないかな」
「奴らの目的は、我々です。このままここに留まっていては、アルテミスにも被害が……」
「被害?このアルテミスにか?ハハハハハ。エンデュミオンの鷹は、ジョークのセンスもお有りのようだ。このアルテミスに、傷一つ付けることは叶わんよ」
「しかし司令、やつらは……」
「ともかく、君たちは少し休みたまえ。連戦を潜り抜けてきたのだろう?だいぶお疲れのようだ」
「ですが、司令!」
「補給も何も、ザフトが去ってからで良かろう?月とも通信が出来ようさ」
「………アルテミスは、そんなに安全ですか?」
「ああ。まるで母の腕の中のようにね」
自らの要塞の堅牢さに慢心するガルシア。
それを見抜いたムウたちは、一刻も早く脱出したい気持ちでいっぱいだった。
「いつまでこんな状況なんですかね?」
「さあなぁ。艦長たちも戻って来ないしよ」
「友軍相手に、暴れるワケにはいかないからな…」
「にしても、この扱いは不当じゃありません?不明艦ってのを加味したとしても、艦長たちの素性は割れたころのはずでしょ」
「たしかに。フラガ大尉までいるんだから、その辺りはスムーズに進みそうな気するよな」
食堂にまとめられたクルーたちのぼやきが響く。
クロトが言った通り、この扱いが不当だというのは、この場の全員が思っていたことだった。
「………と、なると。今頃アイツら、これが大西洋連邦の艦だって分かってるはずだよな」
「まあ、普通に考えればそうだよね。と言うか、最初に艦長が言ってたはずだし」
「んじゃあ、アイツらの目的は……」
オルガがその先を言おうとしたところに、食堂へ何人かが入って来た。
アルテミスの司令であるガルシアと、その副官、士官だった。
「この艦に積んであるMSのパイロットと技術者は誰かな?」
「……………」
「パイロットと技術者だ。答えろ!」
手を挙げようとしたキラを、マードックが抑える。
オルガの方は、見向きもしなかった。
「何故、我々に聞くのです?」
「なんだと?」
「艦長たちが言わなかったからですか?それとも、聞けなかったからですか?」
「………なるほど。そうか、君たちは大西洋連邦でも極秘任務を任された優秀な兵士だったな」
「ストライクとアドバンテージをどうするつもりで?」
「別にどうもしないさ。公式発表の前に、是非ともお目にかかりたいと思っただけさ。して、パイロットは?」
「フラガ大尉ですよ。アドバンテージの方は、今のところ倉庫番でさぁ」
「おっと、それはウソだな。こちらのモニターでも、先の戦闘でメビウス・ゼロは確認出来た。ガンバレルを扱えるのは、フラガ大尉だけというのは私も知っているよ。もちろん、あのキャノン付きの機体が出撃していたのもね」
「くっ……」
「艦長が女性なのでね。違うだろうが、念のため……」
「きゃあ!」
「ミ、ミリアリア!!」
「やめてください!卑怯な!!」
「お、おい!坊主!!」
「僕が…!僕がストライクのパイロットです!!」
「………あー。んで、オレがそのキャノン付きのパイロットだよ。文句あっか?オッサン」
キラが名乗り上げたことに続いて、オルガも諦めたかのように名乗り上げる。
「お、オッサン……?い、いやいや…。何を言うかね、キミたちは。キミたちみたいな子供に、あれを動かせるはずがないだろう。ふざけたことを言うな!」
「……うるせぇな」
「なっ……!?」
キラよりも前にいたオルガに殴りかかったガルシア。
だがオルガはそれを回避し、腕を引っ張り背負い投げをお見舞いしていた。
「殴って来たの、そっちだからな」
「止めろオルガ!抵抗するな!」
「立場ってのがあるってのは分かるけど、何もしてねえのに殴られろってのはゴメンだぜ」
「貴様!!」
「オルガさん!」
「チッ…」
「やめてください!」
自らの上司を投げ飛ばした者に掴み掛かろうとした副官と、その標的だったオルガの間に割って入ったサイだったが…。
「ぐっ……!」
「サイ!ちょっと、やめてよ!キラたちが言ってること、嘘じゃないわ!2人がパイロットよ!」
「フレイ!」
「またそんなことを……!」
「だってキラは、コーディネーターだもの!!」
「なっ……」
吹っ飛ばされたサイを見て、この争いを終わらせたかったフレイ。
だが、その終わらせ方は、良くない方向へと話が転がっていった。
キラはコーディネーターだもの。
して、じゃあオルガは……?