正直今更アークエンジェルが沈むとこ見たく無いんですけど、めちゃくちゃ不穏な映像でしたね。
あと令和の世でリ・ガズィ思い浮かべる変形見れるとは思いませんでした。個人的にはあの変形好きなんすよね。
えー、分かると思いますけども。二段落目までとそれ以降までにかなりの期間があり、ここ書いてるまでとも期間空いております。そりゃ何度か映像公開のタイミングありましたからね。なんなら主題歌も発表されました。西川アニキありがとうございます。
ここまで時間かかった原因に関しては、後書きの方で言い訳しますぬ。
解決としましては、想定してた出番を8割ぐらいカットしました。先送りってヤツです。
「ラクス・クライン…かぁ」
「プラントの歌姫だよな。なんでこんなとこにいたんだ…?」
「さっきの特殊なジンと、関係してたりするのかな…?」
「さぁな。オレが堕としたから、知りたきゃラクス・クライン本人に聞くしかねえが…」
「本人のあの反応的に、ザフトが探してたってのは当たってそうじゃない?降りるまでこの船、ザフトのだと思ってたみたいだし」
ラクスが救助されてから、少しが経った。
オルガたちは食堂へ集まり、現状把握と指示を待っている。
一方で、その渦中の人物であるラクスは、この船の責任者とでも言うべきマリューやナタル、ムウが話を聞いてる最中。
『クロト。もうちょっとそっち寄ってくれよ。聞こえないだろ』
『おい、トール!あんま押すなっての!艦長にバレるだろ…』
『クロトも声がデカいぞ。そんな声出しちゃ…あっ』
『なぁにしてんだオマエら。あとで聞けゃあいいだろうが。とっとと搬入作業に戻るぞ』
『オルガさん!首根っこ引っ張らないでくださいよ!』
『ボクに至っては右耳なんだけど!?い、痛いってオルガ!』
『………トールとクロトがいて助かったな。キラ、カズイ』
『う、うん……』
『そうだね…』
そんな一幕もあったが、搬入作業も終わり、現在に至る。
「………あのジンに僕たちが見つからなければ、あの子は…」
「だから、撃ったのはオレだって言ったろ。お前が気にすることはねえぞ、キラ」
「クライン…。クラインってのも、聞き覚えあるんだよな…」
『各員に告ぐ。これより、この宙域を移動する。繰り返す。これより本艦は、ユニウスセブンを離れ、移動を開始する。各員は、各々の準備を整えよ』
そこへ、ナタルの艦内放送が響く。
諸々の準備が終わり、アークエンジェルは航行を再開したようだった。
「各々の準備って、食事とか?」
「まあ、トールたちの場合はそうなるかね。ボクは格納庫に戻るけど」
「へぇ。まだ仕事あんのか。忙しいこって」
「オルガが頼んだ武器の製造だよ!!どの口が言ってるんだよ!?」
「えーっと。じゃあ、人数分のご飯の準備は出来たから。あともう1つ…」
「ミリィ?いつの間に準備してたんだ」
「あなたたちが喋ってる間、ずーっと1人でやってたんだけど?」
「………ご、ごめん…」
「そらよ、クロト。これでも入れとけ」
「おっと。またゼリーかよ。貰っとくけど…」
「これぐらいしか食えねえだろ。ご苦労なこって」
「誰のせいだと思ってんの?ん?」
静かに怒りを溜めるクロトと、どこ吹く風な態度のオルガ。
それを半笑いな表情で見るキラたちという、微妙な空間が広がっていた。
「じゃあ、ボクは格納庫に…おっと」
「みんな、食堂にいたのね」
「フレイ」
そこへ、フレイが入って来る。
ヘリオポリス組の最後の1人が集まり、歳の近い子供たちが集まった形となった。
「ちょうどよかった、フレイ。これ、持って行ってくれる?」
「持って行くって、誰によ?」
「あの女の子に。一応こうなる前に、マリューさんに許可を取ったから大丈夫だと…」
「あの子に!?イヤよ!そんなの!!」
「うるっさ。どうしたんだよ急に」
「あの子ってコーディネーターよね!?しかもザフトのなんでしょう!?そんな子のところに行けって言うの!?」
「お、おい…!そんなこと言うもんじゃ…」
近くにいたクロトが、動揺しているフレイを止めようとするが、そう簡単に止まりはしなかった。
「キラは違うっていうのは、流石に分かってるけど…。コーディネーターって、頭の良さも、運動神経も全然違うのよ。何かあったらどうするのよ!」
「何かあったらって…」
「飛びついたりってこと…?あの子はそんなことしないと思うけどなぁ…」
「そんなの分からないじゃない。コーディネーターの能力なんて、見かけじゃ分からないのよ!」
「見かけじゃ分からないってのは、ナチュラルも同じだろ」
「で、でも!コーディネーター程じゃないでしょ!」
「ナチュラルだって、薬漬けにでもされりゃ、コーディネーターと同じぐらいの能力を持つことだって出来るだろ」
「そりゃ外的な要因で力を付けりゃ…って、薬漬け!?」
「あ、あなた急に何を…!?」
「………たとえ話だぞ?」
「えっ…あっ、そ、それは分かってる…けど……」
オルガがたとえ話と評した今の言葉で、一瞬だけフレイの勢いは止まった。
それは、クロトやトール、キラたちも同じだった。
たとえ話にしては、あまりにも自然な流れで出された為、一瞬でも流しそうになり、それを認識するのに少しの時間がかかってしまったからだった。
「…とにかく、武器も持ってない一般市民が、敵軍の新造艦で暴れるようなことはしないだろ。仮にお前が逆の立場だとして、そんなことするか?」
「それは……」
「あら、何の騒ぎですの?」
そこへ、あまり耳覚えのない声が響いた。
フレイやクロトの後ろから、その声の主は現れた。
「ラクス・クライン…!?」
「な、なんであなたがここにいるのよ!?」
「まあ。驚かせてしまったのなら、すみません。わたくし、喉が渇いてしまって…」
「答えになってないわよ!なんでザフトの子が、勝手に歩き回ってるのよ!?」
「あら。勝手にではこざいませんわ。わたくし、何度も許可を求めましたのよ?それに、わたくしはザフトではありません。コーディネーターですが、軍に所属してはおりませんもの。貴女も、地球軍では無いのでしょう?」
「まあ…。これに関しては、ラクス・クラインの言う通りだと思うけど…」
「ちょっと!なんでこの子の肩を持つのよ!」
「肩を持つって言うか、アンタは拒絶し過ぎと言うか…」
フレイがその場から離れ、フレイとラクスの間にいるクロトがそう言うが、フレイの姿勢は変わらない。
だが、クロトの意見は、フレイ以外にこの場にいるキラたちと同じものだった。
「ご挨拶が遅れましたわね。ご存知の様ですが、わたくしは…」
「ちょっと。やだ!やめてよ!」
「あら…?」
「冗談じゃないわ!なんで私があんたなんかと握手しなければいけないのよ!」
「……?」
「コーディネーターのくせに、馴れ馴れしくしないで!!」
それを聞いたラクスは、先ほどとそこまで変わらない様子だった。
だが、それ以外。この言葉を聞いて、衝撃を隠せない者がいた。
「………………」
ラクス以外は、今の言葉に少なからず、表情を歪ませていたが、一番ショックを受けていたのは、もちろんと言うべきか。
この場にいる、ラクス以外のコーディネーターである、キラだった。
「………もういい。分かった分かった。悪いがサイ、コイツと一緒に、部屋で飯食っててくれねえか?」
「………はい。行こう、フレイ」
「ちょっとサイ?急になによ」
「いいから。いくよ」
「なによ、もう……」
オルガの言葉により、サイとフレイが食堂から去った。
「………あの子、ブルーコスモスじゃないんだよね?」
「お父さんはそうらしいけど、本人は違うって…」
「ただ、あの感じだと、そんな変わんないようにも見えるけどね…」
「キラ。悪いがその…ラクスの飯を運んでやってくれ。そうしたら、お前も飯だ」
「………………」
「おい、キラ。食えるうちに食っとけ。それがお前の仕事だ。出来るだろ」
「………あっ。は、はい…」
「また部屋に戻るようで悪いけど、我慢してくれや」
「あら。また1人であの部屋にいないといけませんのね…」
「つまんねえだろうが、仕方ねえだろ。ここが地球軍の船ってことは、アンタも分かってるはずだろ?」
「皆様とお話しをしたかったのですが…。仕方のないこと、なのですよね。分かりましたわ。すみませんが、お願いできますかしら?」
「う、うん…。じゃあ、行こうか」
「………今度こそ、ボクは格納庫に行くから」
「ああ。頼んだぜ」
そうして、キラとラクス、そしてクロトも去って行った。
残ったのは、オルガとトール、カズイ、ミリアリアの4人だった。
「………いや。オレもちょっと用事あったな。悪いが3人は、先に飯済ませててくれ。キラが戻ったら、頼むぜ」
「あっ、はい…。えっと、オルガさん…」
「ん?」
「………いや、何でもないです」
「そうか?じゃあ、行ってくるぜ」
「………オルガさん、さっきの…」
その最後のトールの言葉は、オルガに聞こえることは無く、食堂の扉は閉まった。
(クロトのヤツにもう一個言うの忘れてたな。今度はシールドなんだが…)
オルガの目的は、武器の他に、シールドのバリエーションを増やしたいことを伝えることだった。
それを忘れていたオルガは、格納庫へと向かうが……。
「ん……?これって、歌声か…?」
曲がり角の奥から、聞き覚えのない歌声が響く。
女の声ということは、オルガにも分かった。
「ああ。歌姫だもんな。そういうことか」
そこから、これはラクスの歌声だというのも、すぐに理解した。
「………いい歌声だな」
それに誘き寄せられるように、曲がり角へと近付くオルガ。
角の向こうには、キラとサイがいた。
「ん。サイまでいたのか?アイツとの飯、もう済ませたのかよ」
「あっ、オルガさん。フレイなんですけど、あまり食欲湧かなくて、あとで食べるって言われて。オレも食堂に戻る途中だったんですよ」
「そうかよ。んじゃあ、先に飯にしとけ。オレはちょっと用事あるからよ」
「分かりました。キラ、先行ってるよ」
「………う、うん…」
「………?」
サイと対照的に、キラの顔色が優れないことに、オルガは気付いた。
その間にも、ラクスの歌声は響く。
「………………」
「………おい、キラ。さっきのことは、気にすることねえぞ。あの女がああいう性格だってのは、アルテミスでもそうだっただろ」
「………あの、オルガさん」
「ん?どうした」
「この子の歌声、どう思いますか…?」
「どうって、綺麗だなって。お前はそう思わないのか?」
「いや、その……」
「まあ、強いてあげりゃあ…」
「……!」
「知り合いがうるせえのしか聞かなくて、音漏れが酷くてな。それに比べるのもラクスに悪い気はするが、それとは大違いってぐらいか。さすがは歌姫ってところじゃねえのか?」
「えっ……」
「………本当にどうした、キラ。ポカーンとしやがって」
「えっと。オルガさんの記憶って、自分の過去のことを、ほとんど忘れちゃったんですよね?その知り合いって、どこまで覚えてるんですか?」
「あー………。そう言えばそうだな。名前や顔までは行かねえが…それだけは浮かんだってとこか?」
「ってことは、ほんの少しでも記憶が戻ったってことですか!?よかったじゃないですか!オルガさん!」
「………………」
ふと頭に浮かんだシャニのことを、そうやって誤魔化したオルガだったが、それを記憶が戻ったと思ったキラは、喜びの笑みを浮かべた。
それを見たオルガは、罪悪感を感じると共に、安心もしていた。
「………お前はいいヤツだな、キラ」
「えっ…?」
「そら、早く食堂に戻れ。オレもすぐに行くからよ」
「あっ…、はい。オルガさん」
そう言われたキラは、食堂の方へと戻って行った。
(オレのやること、決まったな)
キラに見えないところで、オルガは1人、覚悟を決めた。
やること自体は変わらないが、心持ちがたしかなことになったのは、オルガ自身にとって、大事なことだった。
(しかし、オレってこんなに、コーディネーターとちゃんと接することが出来たんだな。周りにトールたちがいたキラはともかく、ラクスとも普通に出来た)
そこで思い返すのは、今までのコーディネーターとの交友関係のことだった。
逆行する前は、生体CPUとされたこともあり、オルガが覚えてる範囲ではコーディネーターと接したことがなかった。
それもあり、ナチュラルに囲まれていたキラ以外のコーディネーターと接することに、わずかな不安を抱いていたオルガだったが、その心配は無用だったようだ。
(もしかしたら、オーブの市民ってことになってたことと、何か関係あるのかもな?あそこは中立国だ。ナチュラル以外に、コーディネーターも…)
そこまで考えていたオルガだったが…。
『オルガ!』
「………?」
オルガに覚えの無い声が、脳内に聞こえた。
それは、逆行前も、逆行してからも聞き覚えの無い、男の子の声。
「………気のせい、か」
周りには、そんな男の子などいない。
今も聞こえるのは、ラクスの歌声だけだ。
気のせいと断じたオルガは、すぐに行くというキラとの約束を守るため、格納庫へと急いだ。
なんか初期ラクスのキャラを掴むの、ザクIIで大気圏突入するよりめちゃくちゃ難しかったです。どういうことなんですかね?
自分今まで色んな作品のキャラのセリフを書いたり、即行で演じたりしてたんですけど、ここまでキャラを掴むのに時間掛かったの初めてなんですよね。
ラクス・クラインというキャラと相性が致命的に悪いのかと思ったんですけど、試しに書いてみたエターナル搭乗時辺りのラクスはそうでもなかったので、初期のラクスとめちゃくちゃに相性が悪かっただけみたいです。他のSEED小説書いてる人凄い。
「自分の敵を全て倒せば平和になりますわ」とかいうエアプ以下のラクスが生まれるところでした。今年一のホラーです。
キラくん良い子ですね(作者感