強い方のオルガの逆行奮闘記   作:トライデント

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SEEDは艦隊戦も見どころさんです。


キラの決意

 補給の確認が済んだオルガは、ブリッジへと移動していた。

 オルガ以外にその場にいたのは、マリュー、ナタル、ムウら上官たち。

 そして、とくに異色だったのは…。

 

 

 

「………なんで、お前がここにいんだ?」

「何?私がここにいたらいけないワケ?」

「………言い方変えてやる。なんで、お前がそれを着て、ここにいんだよ」

 

 

 

 オルガの記憶の中でも、着ていなかった服装である、ピンク色をした地球連合軍の軍服に身を包んだ、フレイ・アルスター。

 彼女がその格好をしていることを、全く予想していなかったということは無いが、いざそれを目にすると、聞かずにはいられなかった。

 

 

 

「何もしないでいられないわよ。そんなことしてたら、パパに怒られちゃう」

「……………」

「別に、アンタを責めてないわよ。ナチュラルだし、あのロボットだって、すごい性能を持ってるなんてこと、無かったんでしょ」

「おい、その言い方だと…」

「………もちろん。キラにも、この人にだって責めないわよ。あの時は、あんなことを言ったけど…。後で謝るわ」

「オレはついさっき、言われたよ。まぁ、嬢ちゃんが志願することに、思うところはあるが…」

「特段止めることは無い、というのが現状だ。サブナック二等……。いや、サブナック伍長」

「………あん?いつの間にか、伍長になんかなったんだよ」

 

 

 

 突然の昇格に、驚くオルガ。

 二等兵から、伍長へとなると、三階級昇格となる。

 

 

 

「ハルバートン提督からのお達しでな。三階級上がることになったとよ」

「なんでまた…。それに、こんな急に上がることあるかよ?」

「功績を考えたら、妥当だそうだ。正式に軍に入るとなると、順番は逆になるが、艦の防衛とかを考えたら、そうなるだろうさ」

「ということだ。サブナック伍長、これからも、よろしく頼む」

「………おう」

 

 

 

 自分の昇格には、あまり興味が湧かないオルガ。

 それよりも、意識を向けるべきことが、出来てしまったからだ。

 

 

 

(………ぜってぇこの女、何か考えてるだろ。あの時に見せたあの目から、さっきオレだけ見えたその顔、見逃さなかったぞ)

 

 

 

 昇格の前に、フレイと会話を交わした時、フレイはマリューたちよりも前に出ていたため、フレイの表情が見えたのは、オルガだけだった。

 オルガの記憶にあったフレイの印象は、困惑の表情が大きかった。

 それはドミニオンに拾われた時から、ブリッジに立つことになったことから、それはそうだろうと、今のオルガは理解していた。

 だが、直近のオルガからしたら、その印象をかなり薄れ、代わりに埋めることになったのは、憎悪の目だった。

 

 

 

『本気で戦ってないんじゃないの!?』

 

 

 

 オルガとムウがナチュラルで、キラがコーディネイターだと知っていたフレイは、そうキラに言い放ってしまった。

 そのことについて、フレイは後で謝罪すると言っていた。

 

 

 

(………オレの考えすぎならいいんだが、どうしたもんか)

 

 

 

 オルガの考えを他所に、フレイはブリッジから立ち去って行った。

 その振る舞いに、特段大きな違和感を抱くことは無かったが、それでも憂は晴れない。

 

 

 

「アイツ、なんて言って志願したんだよ」

「とくに変わったことは言ってなかったぞ。自分も坊主たちのように、志願するってぐらいか」

「……………」

「オレも負い目はあるが…。志願したのはパイロットじゃない。オレたちが護るのは変わらないぞ」

「………まぁ、そこ以外も気になるんだけどよ。オレからは何も出来ないな」

「とにかく、サブナック伍長。これからも、よろしく頼む」

「………頼むわね。サブナック伍長」

「ああ。まあ、アイツらもいることだ。やれるだけやってやる」

 

 

 

 そんな言葉を交わし、オルガもブリッジを出る。

 

 

(………そういや、あの親子や、他の避難民はメネラオスに移ったんだよな。そろそろ、降下用のシャトルとかの準備も…)

 

 

 

 そう思ったのも束の間、艦内にアラートが響き渡る。

 何度も聞いたアラートは、開戦の合図だった。

 

 

 

「チッ…。仕掛けてきやがったか」

 

 

 

 未だに軍服を着ているオルガは、パイロットスーツに着替えるため、部屋へと急ぐ。

 その部屋に着いたのは、オルガとムウだけだった。

 

 

 

「キラはメネラオスに行ったのか?」

「オレは何も聞いてないな。どっちだろうが、オレたちが出ることには変わらん。早いとこ来いよ」

「分かってるっての」

 

 

 

 以前もこんなことをしたなと思いながら、オルガは素早く着替え始める。

 

 

 

(まあ、提督と話す前に言ったしな。どうなろうが、こうなりゃアイツの選択だ)

 

 

 

 そこから着替え終わったオルガは、格納庫へと急いだ。

 先にムウがいるはずで、メビウス・ゼロからの出撃になるだろうと思ったオルガだったが…。

 

 

 

「ストライカーパックは、全部を使えるようにしといてください!」

「いつもそうしてるよ!それより先に、出撃する時の決めてよ!」

 

 

 

 目に飛び込んで来たのは、クロトに指示をしていたキラだった。

 それを見たオルガは、何故ここに、とは思わなかった。

 

 

 

(………珍しいな。クロトにああ言ってるキラ)

「………あっ、オルガさん」

「軍服で出る気じゃないだろうな?さっさと着替えて来い」

「も、もちろんです。と言うより、オルガさんも…」

「その辺のとこは、後で話そうぜ。敵が来る」

「………分かりました」

 

 

 

 そう言って、キラは一度格納庫から出て行く。

 その背中を、オルガはじっと見ていた。

 

 

 

(………軍服でここにいたってことは、最初から残る気だったのか?それか、最後まで迷ってたかだが…。オレが考えたとこで、仕方ねぇけど)

「オルガ!オルガはどうやって出るんだよ!結構武器、揃ってきたけど?」

「………ああ、そうだったな。じゃあバズーカ持たせといてくれや。ラックにはビームライフル」

「オッケー。ああ、頼まれてた改造も済んでるから、マシンガンも撃てるよ。グレネード撃った時と、同じやり方ね」

「おう、あんがとよ」

「………って、キラのヤツ!ストライカーパック決めないで行ったな!?どうするんだよ!あんま時間ないのに…」

「敵の数、どんなだよ?」

「敵艦が2。多分クルーゼ隊」

「じゃあランチャーにしとけ。第8艦隊がいて、数は今までよりマシだろうが、艦隊で数いるジン相手にすんのキツイだろ。後ろからあのビームで威嚇出来りゃいい」

「分かった。キラにもそう言っとくよ」

 

 

 

 それを聞いたオルガも、自分の乗機であるアドバンテージへと急ぐ。

 あらかじめ開いていたハッチへ飛び込み、シートに背中を預ける。

 

 

 

『サブナック伍長。あくまで私の予想でしかないが、この戦い、激しいものとなるぞ』

「だろうな。第8艦隊と合流したのを見た上で、わざわざ仕掛けてきてんだ。ジンとか相当補充されてるだろうな」

『こちらも援護はする。そちらにも、かなり援護を頼むことになるだろうが…』

「モビルスーツ乗れてるオレやキラはともかく、オッサンの心配した方がいいんじゃねえか?腕は疑っちゃいねえが、メビウスで相手取るの相当キツそうだぞ」

『フラガ大尉については、ラミアス艦長が付いている。ヤマト伍長にも、今はハウ二等たちがな』

「ならいいが…」

『………ところでだが』

「あん?なんだよ」

『今言うことでは無ければ、失礼なことだが…。あまり、キミのイメージには浮かばないものが、最初に私の目に映ったのでな』

「………ああ。そこ、見えたのかよ」

 

 

 

 オルガが一瞬だけ向けた視線には、エルから貰った花があった。

 コンソールやボタンなど、何も無いとこに飾った瞬間を、ナタルは見てしまい、思わず聞かずにはいられなかったのだろう。

 

 

 

「まあ、せっかく貰ったんだ。ゲン担ぎってほどじゃないが…」

『………そう、だったか。すまない。不躾な質問だった』

「そこまでじゃねぇよ。ともかく、準備はもう出来てるぜ」

『分かった。メビウス・ゼロは、既に出ている。ストライクもすぐに出るだろう』

「いつもの流れだろ。分かってるっての。さっさと出してくれ」

『ハッチ解放!アドバンテージ、発進させろ!』

『システムオールグリーン!アドバンテージ、どうぞ!』

「オルガ・サブナック。アドバンテージ、出るぞ!」

 

 

 

 この戦いのこの時点で、正史と異なった点が、いくつか存在している。

 早期の地球軍側のアークエンジェル隊の機体の発進が、その内の1つ。

 その変化は、ザフト側にも存在していた。

 

 

 

『敵影確認!前方にイージス、バスター、ブリッツ、デュエルの4機』

「そいつらが出てこないワケがねぇ。そっちも気を付けろ!」

『……?いえ、もう1機!ジンも確認!ですが、これは…。普通のジンではありません!』

「なに…?」

 

 

 

 メインモニターにも、ザフトの先陣が映し出された。

 奪われたG兵器の4機に随伴する形で、確かにジンもいた。

 だが、そのジンは、普通のジンではなかった。

 

 

 

「………オレンジ色の、ジン…?」

 

 

 

 そのジンは、専用機の証明である、通常機とは異なるカラーリングをしていた。

 更に、異なるのはカラーリングだけじゃなく、バックパックに付けられたエンジンも、通常機とは違ったように、オルガは感じた。

 

 

 

「待てよ。あれってたしか、この前のシグーのと似てないか…?」

『ということは、ハイマニューバ型だ!ジンハイマニューバ、アドバンテージへと向かってるぞ!』

「分かってる!」

 

 

 

 アドバンテージの姿を確認したのか、一目散にこちらへと向かってくるジンハイマニューバ。

 ヘリオポリスで見かけた、バルルス改を装備していた。

 

 

 

「……ってことは、コイツ…」

 

 

 

 その機体のパイロットの正体を、オルガは感じ取った。

 同じくヘリオポリスで、崩壊の前に、交戦した相手。

 

 

 

『見つけたぜ、アドバンテージ!イザークと違って傷は残さなかったが、礼はさせてもらうぜ!!』

「あの時のパイロットか…!」

 

 

 

 "黄昏の魔弾"ミゲル・アイマン。

 専用のジンハイマニューバを駆り、復活を果たした彼は、リベンジを果たすべく、アドバンテージの元へと向かっていた。




階級上がったことに関しては、あまり深く考えないようにお願いします。この作品の細かいところはライブ感で出来ていますので。
という建前はともかく、キラが少尉と定まったタイミングを全く思い出せなかったのが原因でもあるので、二等兵から一気に少尉に上げるよりは、先に伍長とかのが納まりがいいとこだと考えたのもありますけど。
にしても二等兵から伍長も、なかなかありませんけど。



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