強い方のオルガの逆行奮闘記   作:トライデント

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今のところタイトルが◯◯のオルガで続いてますけど、別にそういう縛りとかは無いですね。


感想欄で言われてたオルガの服装のアイデア頂きました。
袖破れてるし下に長袖のシャツ着てます。
要するに軍服の部分が普通のお洒落なYシャツとズボンになっただけですね。


ヘリオポリスのオルガ

オルガがこのコロニー、ヘリオポリスにやってきてからしばらくが経った。

その間で何があったかというと…。

 

 

「オルガさん!今日もありがとうございます!」

 

「別に。わざわざオレが来なくても自動操縦のがあるんだし、礼を言われることはないだろ」

 

「ですけど、こういうのって口に出さないと伝わらないですから。当たり前にするのも、ちょっと」

 

「……あっそ。ていうか、その敬語もやめてくれねえ?慣れねえんだけど」

 

「えっ、でもオルガさん。19歳って言ってましたよね?」

 

「言ったろ。大体って」

 

「前も言いましたけど、大体ってなんですか…。それが通るにしても、私達16ですよ?前後したとしても、最低2つは差がありますし…」

 

「そうそう。サイは1つ上だからまだしも、オルガさんにタメ口は利けませんって」

 

「…………どういう経緯でそうなったかは、聞かないでおいてやるよ。トール」

 

 

オルガが運転する車に同乗してるのは、トール・ケーニヒ。ミリアリア・ハウ。そして、キラ・ヤマトの3人である。

ヘリオポリスを探索していたオルガは、周りを走っている自動操縦の車の順番を待っていた3人を目撃。

「このままだと遅刻しちゃう」だの「そもそもトールが寝坊しなきゃ」だのと聞こえて来たので、切羽詰まった状況だというのは、オルガも感じていた。

見なかったことにしてもよかったのだが、その内の1人の声が、どこかで聞いたことがあるような声だったことと、自分よりも年下の子供とはいえ、右も左も分からないオルガからすれば、誰かとコンタクトを取るのは必要なことだったので、首を突っ込んだ。

 

 

『………遅刻しそうなのか?』

 

『えっ?あっ、はい…そ、そうなんです……』

 

『じゃあ、オレが送ってやる。その代わり、ちょっと手伝って欲しいことがあってな』

 

『えっ』

 

「………なんて言うもんですから、オレはてっきり面倒ごととか、なんか悪役映画みたいなことを言われるもんだと思いましたからねー」

 

「だから、悪かったって言ってんだろ。混ぜっ返すな」

 

「たしかに第一印象は怖そうな人って思ってましたけど、オルガさんは良い人でしたからね。格好もオシャレだし。なんだか、橋の下の段ボールに入ってる猫に傘差してそうな」

 

「……ミリアリアも、聞かないでおいてやるよ」

 

「あ、あはは…」

 

 

隣で苦笑いするキラを横目に、これまでのことを思い出す。

この3人と関わったことで、この場所と時期など、色々なことを知ることが出来た。

だがそれでも、まだ不可解なことがあった。

 

 

(………なんでオレ、オーブの住民カードとか免許証なんて持ってんだろうな)

 

 

車を運転するのに必要な免許証や、ヘリオポリスの各所にあるゲートを開けるのに必要なIC付きの住民カード。

もちろん。これらは本来オルガは持ち得ないものであるはずなのだが、ズボンのポケットに入っていた財布の中に、何故か入っていたのだ。

しかもそれを見ると、自分はヘリオポリス在住のナチュラルということになっていた。

 

 

(まあ、死んだはずのオレが戻って来たことに比べたら些細なことか)

 

 

実際、オルガ自身はコーディネーターではなく、ナチュラルなため、全てが偽造というワケではない。

今も自分のICカードでゲートを解放できたため、ヘリオポリスにオルガがいることに、違和感を抱く人間は誰もいない。

 

 

「でも、大変ですね。頭を打って、自分の事のほとんどを忘れちゃってるなんて」

 

「……まぁ、オーブの住民ってことはこれで証明されてるんだから、ごくフツーの男だったんじゃねぇかな。生年月日のとこにキズがついてて、見えねえけどよ」

 

「にしては、うちのゼミの色んなこと手伝ってますよね。何か関係してたりするんですかね?」

 

「オレに聞かれてもな。身体が覚えてるってことはありそうだがな。ほら、なんだっけか。あんな理工学系なのに、何故か心理学の本があって、それに載ってた……。ああ、手続き記憶か。自分のことを忘れても、道具の使い方まで忘れてるってことは、まず無いって書いてあった気がするぜ」

 

「………オルガさん。見た目に反して、頭良いですよね」

 

「キラは聞かなかったことにしてやらねえ」

 

「ええ!?」

 

 

まさか自分が元地球連合軍の生体CPUだったとは言えるはずもなく、そうやって誤魔化す。

オルガ自身も操縦はともかく、工学系のことも出来ることに、驚いていた。

 

 

(まあ、そのおかげで屋根のあるとこで暮らせてるんだから、文句は言えねえが)

 

 

今のオルガは、キラ達の通うカトーゼミのある建物の一部屋で生活している。

キラ達の送り迎えや、ゼミの手伝い。そうでない時は、趣味の読書をしていたりと、普通の生活を送っている。

 

 

(…………これが続けばいいんだが)

 

 

そのオルガの気持ちとは裏腹に、時代は刻一刻と進んでいった。

ヘリオポリスの崩壊まで、ちょうど1週間を回ったところだった。




初めて来た時から3週間ぐらいが経過してますね。
つまりオルガはおよそ1ヶ月、ヘリオポリスにいることになります。

自分が死んだと思ったら、生きてて過去に戻ったことと、全く身に覚えのないものを持ってることに比べたら、前者のが100不可解ですよね。
なのでオルガは誰にも怪しまれることなく、ヘリオポリスに滞在できています。
まあそのせいで、これからのことに巻き込まれるんですが。
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