アムロ再びみたいになってますけど、ほんのちょっとだけ由来あります。
オルガは、妙な日だとは感じていた。
そこそこ気に入っていたコップは割ってしまうし、靴紐は切れるし、毎日オルガが迎えに行ってたカズイが自分でゼミに来るし、見覚えがあるようで無いような男…?が教授の客として来るなど、いつもとは違うことが連続で起こる日だった。
「……カズイと来客はともかくとして、コップと靴紐は不穏だな」
「えっ、どうしたんですか。何かありました?」
「やけに縁起が悪いことが続いたもんでな。あんま気にしねえタイプだったんだが、ここまで続くとな」
今日もいつものキラ達3人を迎えに行ったオルガは、話しかけて来たトールにそう答える。
ただ、不吉なことが起こる前から、オルガは嫌な予感を抱いていた。
(…………今更だけどヘリオポリスって、前回のどこかで聞いた覚えがあるんだよな。オーブの中立コロニーってのは知ってたが、何かのタイミングで名前自体を聞かなくなったというか、むしろそれ以来名前を聞かなくなったっつーか……)
逆行前、ヘリオポリスが崩壊した時のことを、オルガは知らない。
その当時、オルガは生体CPUとして調整をうけていた為、外部からの情報のほとんどをシャットアウトされていた。
研究員の誰かが報告としてヘリオポリスの名を出したが、それ以来オルガは、その名を耳にすることはなかったのだ。
(………この世界で嫌な予感となると、キナ臭いことしか浮かばねえんだがな)
この嫌な予感は、オルガはつい先程のある出来事により、大きくなっている。
オルガがキラ達を迎えに行くのは、自動操縦の自動車の乗り場の近くであるため、そこに並んでいる人たちの顔が、ある程度見える。
その中の1人に、見覚えがある顔があったのだ。
(……見間違えじゃなきゃ、やたらあの艦長に似てたんだが。なんで中立国に、連合の士官がいるんだ?)
同時刻。ヘリオポリス港内。
「これで護衛任務は終了だ。ご苦労だったな、フラガ大尉」
「周辺にザフト艦が2隻いたようですが、よろしいので?」
「ザフトも、港に入ってしまえば手出しは出来んよ」
「中立国…でありますか。聞いて呆れますな」
「オーブとて、地球の一国ということだよ」
地球連合軍輸送艦内に、男達の姿はあった。
1人はムウ・ラ・フラガ。この輸送艦の護衛の任務を与えられた地球軍のエースパイロットである。
(地球の一国…の割には、コーディネーターの受け入れを積極的にしてるようにも思えるんだがね。表向きは、かなり中立寄りなんだろうが……)
「では、艦長」
「うむ」
「………上陸は本当に、彼等だけでよろしいので?」
「ヒヨッコでも、Gたちのパイロットに選ばれたトップガンたちだ。問題無い」
ムウは、"7人"の一般兵を見送った後、艦長に心配の声を挙げた。
自分の顔はある程度割れている為、中立国とてなかなか歩き回れる立場でないと承知してはいるが、さっきから感じる不吉な気配に、警戒を止めることは出来なかった。
それからしばらくして、オルガ達はカトーゼミ内で轟音と揺れを感知。
その後警報が鳴り響き、揺れが続く中、避難シェルターへと向かう。
「きゃあっ!?」
「停電…!?何が起こってるんだ…」
「そこに非常階段があるはずだ。そこから行くぞ」
「はい!」
遂には停電まで起こり、パニックになりかけるゼミメンバーを落ち着かせ、サイに指示をするオルガ。
非常階段の扉を開けると、他の避難者がいた。
「おい!何が起こってんだ?」
「ザフトのMSが、ヘリオポリスに入って来たんだ!」
「はあ?ザフトが?」
「君たちも早く避難しろ!」
「チッ…早く行くぞお前ら!!」
ザフトのMSが攻め込んで来たと聞き、困惑するゼミメンバー。
とにかく、早くシェルターへ向かうため、オルガはサイ達を先に向かわせ…。
「キミ!」
「キラ!?」
「すぐに戻る!」
その声に振り返ると、1人で別方向へと向かった客人を、キラが追いかけていた。
「ったく…!トール達は先に行ってろ!遅くなっても、引き返したりするんじゃねえぞ!!」
「オルガさん!?」
キラの後を追い、オルガも走る。
また誰かが追ってこないように釘を刺すことも忘れない。
(ザフトが攻め込んで…ヘリオポリスの名前を聞かなくなった…となると…!)
オルガの中で、最悪の計算式が出来つつあったが、今はキラ達を追い掛けるのが先だった。
「何してるんだよ!そっち行ったって…」
「お前こそ何してる!早く逃げろ!」
「2人とも何してやがる!こんなとこで足止めるな!」
「オルガさん!?」
「お前も…!」
オルガがキラ達に追いついた直後、走って来た方から爆発音が聞こえる。
オルガは後ろを見るが、今の爆発で、来た道は埋もれてしまっただろう。
「クソっ…トール達と合流できるか…?」
「女…の子……?」
「なんだと思ってたんだ。今まで!」
「あっ、えっと…!」
それに振り返ると、今の爆風でさっきまで被っていた帽子が飛び、客人の顔がはっきりと見えるようになった。
キラが目の前の子の正体が女の子だったことに驚くが、今はそんな場合では無い。
「何してやがる!とっとと行くぞ!」
「は、はい!ほら早く!」
「離せこのバカ!」
「バ…!?」
オルガが先導し、キラが女の子の手を引っ張り、走り出す。
キラが自分をバカと言われたことに驚くが、泣き出しそうになってる顔を見て、鼓舞する。
(工場区に行けばシェルターはあるだろうが、3人入り切るか…?ともかく、行くしかねえけどよ……!)
しばらく走り続けると、目の前に光が見える。
その光に向かって走ると、そこは工場区に間違い無く、銃撃の音も聞こえる。
柵の方へと近付き、下を見ると…。
(何っ…!?コイツは……!)
オルガが驚くのも、無理は無い。
銃撃戦が繰り広げられている周りには、稼働前のMSが2機横たわっていた。
1つはイージス。
オルガは話でしか聞いたことが無いが、お仲間のクロトの搭乗機であるレイダーの前身機である。
そして、もう1つはストライク。
オーブ解放戦の頃から、フリーダムやジャスティスと続き、何度も闘いを繰り広げたMSだった。
その付近にも2つ、MSコンテナが見えるが、1つは炎に包まれ、壊されていることは目に見えている。
「やっぱり…地球軍の新型機動兵器……!お父様の裏切り者おお!!」
「お、おいバカ!こんなとこで大声上げるな!!」
今の叫びで、オルガは冷静さを取り戻す。
キラも今の状況を理解し、女の子の手を取り走り出す。オルガもそれに続く。
さっきまでいた場所に弾丸が飛んでくるが、追撃が飛んでくることはなかった。
「すぐそこで戦闘になってるとこで大声上げりゃこうなる!何考えてんだ!!」
「うっ…うううっ……!」
「………泣いてんのかよ」
「泣いてちゃダメだよ!ほら!そこにシェルターが!」
走り続けるオルガ達は、ようやくシェルターのある場所にたどり着く。
満員でないことを示す緑色のライトが見え、安堵するキラ。
「ほら、ここに避難してる人達がいる…!」
『まだ避難してない人がいるのか!?』
「ああ!連れの2人も一緒だ!開けてくれ!!」
『3人…!?』
「ああ!」
『……もう、ここはいっぱいなんだ!左ブロックに37シェルターがあるが、そこまでは行けるか!?』
「なっ……」
その声を聞き、左を見るオルガとキラ。
同じく、シェルターの扉が見えるが、距離が遠い。
オルガとキラは、互いに見合わせ、頷く。
「だったら、1人だけでも頼む!女の子なんだよ!!」
『分かった!スマン…!』
その声と同時に、エレベーターの扉が開く。
「おら!さっさと入れ!!」
「えっ…?な、何をする!私は…!」
「僕たちは大丈夫だから!早く入って!!」
「ま、待て!お前達は」
女の子が入ったことで、満員の赤色に変わるライトを見届ける2人。
「………行くぞ、キラ。諦めんなよ」
「はい…!」
今まで走って来た道を戻る2人。銃声が鳴り響く中、走り出す。
「ラミアス大尉…!」
「ハマナ!ブライアン!早く起動させるんだ!」
(………ラミアス大尉…?)
戦闘が行われてる中、聞こえて来た名前に違和感を覚え、足を止めるオルガ。
その名前は、前回に自分の母艦だったドミニオンの艦長が、口にした名前だったはずだと、薄らと思い浮かべる。
「はっ…!?危ない!後ろ!!」
一緒に足を止めていたキラが、ラミアスという名の女性…マリューの背後から銃を向けるザフト兵を見つけ、声をかける。
その声のおかげで、命を落とさずに済んだマリュー。
「来い!2人ともだ!」
「左ブロックのシェルターに行きます!お構いなく!」
「あそこはもうドアしかない!」
「えっ…!?」
その声と同時に、左ブロックから爆発が起こる。
もう、左ブロックには行けない。
顔を見合わせたオルガとキラは、走り出す。
「こっちへ!」
「……行けるか?キラ」
「は、はい…!」
今2人がいる場所からマリューのいる場所へ正規ルートを辿るとなると、かなりの時間を必要としてしまう。
オルガはキラに確認を取り、2人は覚悟を決めて、そこから飛び降りる。
「なっ…!?」
「チッ…!大丈夫か!キラ!」
「え、ええ…!なんとか…!!」
その間にも、残っていた作業員が赤いスーツを着たザフト兵を撃ち抜き、残るザフト兵は1人だけとなる。
「ラスティ!?くっ…!うおおおおおお!!!」
「ぐわあっ!?」
「ハマナ!?」
最後の作業員も撃ち抜かれ、それに気を取られたマリューも撃たれるが、致命傷は負っていない。
「ああ!?」
「お、おい!キラ!!」
それを見て、マリューに駆け寄るキラ。
そこに最後のザフト兵が接近。弾が無くなった銃からナイフに持ち替え、トドメを刺そうとする。
そして、その2人の顔を、互いに認識する。
「アス…ラン……?」
「なっ…キラ……!?」
互いに、それまでの動きを止める2人。
降りかかったナイフを下ろすザフト兵を見て、困惑するオルガ。
(アスランってのも、聞き覚えのある名前だが……今はそれどころじゃねえ!!)
唯一の襲撃者が動きを止め、キラに危害を加える心配もない。
となれば、今は自分の身を第一にする時間だ。
「キラ!!早くそれに入れ!!」
「えっ…?」
オルガはその場を離れながらも、キラに指示を飛ばす。
その声を聞いたマリューは、アスランに銃を向け、撤退させる。
それを見たマリューは、キラを空いているコクピットに突き飛ばし、自分もそれに続く。
「となると……オレはコイツしかねえ……!」
周囲に爆炎が起こりながらも、隣のMSに飛んでいったアスランを確認し、オルガは最後に残ったMSへと走る。
その一瞬だけ、肩にカラミティと同じぐらいの砲台が2つ載っているのが見えたが、これがカラミティではない事は、オルガにはすぐ分かった。
開いていたコクピットになんとか飛び込み、爆炎から身を守り切った。
「クソっ…!またここに入ることになるとはな……!」
また、コクピットに入る。MSに搭乗することになることに悪態を吐くも、現状一番安全な場所であるため、そうは言ってられない。
「………そこのイージスにザフト兵がいるとなると、とっとと離れねえとな…!」
稼働スイッチを押し、OSを起動させる。
何度も見てきたカラミティのG.U.N.D.A.MのOSとは違い、普通のナチュラル製のOSだということは、オルガは理解してしまった。
「これ、やたら動かしづらいんじゃなかったかよ…!まあ、文句言っても仕方ねぇけどよ…!」
OSを起動して少しすると、このMSの名前なんだろう。英文字が並んでいることが分かった。
「ADVANTAGE……アドバンテージ…?センス無え名前してやがるな…!!」
悪態を吐きながらも、なんとかMSを動かし、起き上がらせる。
こうして、オルガは再び、MSに乗ることとなった。
カラミティのOSの描写ないんでG.U.N.D.A.MのOSかどうかは怪しいですけど、カラミティ達もG兵器なんで、多分使ってるとは思います。一応オリジナル設定とさせてもらいますがね。
詳しい設定は次話にして、先に名前の由来だけ置いときますね。
ストライク
→常勝
→常勝のためには有利な状況が必要
→有利
→アドバンテージ
あとこれも先駆けて。
OSの描写で分かると思いますけどコイツ、G兵器じゃないです。
アムロ再びみたいなタイトルにしたのもそのせいです。アムロ乗ったのディジェだし。一応改造元リック・ディアス(γガンダム)だけど。
そんで、もう1つあったけど破壊されてたMSも同じ名前ですけど、なんか足の形状が他のMSと違うとだけ。