本当にあったとは言い切れない、それぞれの日常 シーズン3G 作:JUBIA
【ポポの鑑】
凍土に住まう、ポポの親子連れがいた。
まだ体こそ小さい子ポポは、すでに乳離れをし、自分で餌を食べられるようになっている。
「お母さーん、僕、ちょっと遊びに行ってくるねー」
「遠くには行っちゃダメよ」
「分かってるよー♪」
母のそばを離れた子ポポは、隣のエリアにやって来た。
すると、そこで一匹のメラルーが、ガサゴソと何かを探しているようだ。
「メラルーさん、メラルーさん、何してるの?」
「ん? なんだ、ポポニャンか」
「落し物? 僕も一緒に探してあげようか?」
「ダメダメニャ! ポポニャンは何でも踏んづけてしまうから、ここに来ちゃダメニャ!」
子ポポは、シュンとなった。
「あーぁ、あとで遊んでやるから、そこで大人しくしてるニャ」
「うんっ♪」
探し物を続けるメラルーに、子ポポが話し掛ける。
「僕ね、お母さんが毎晩お話ししてくれる『ポポの大冒険』って、お話しが大好きなんだ♪」
「ふーん、どんな話かニャ?」
「うんとね、まだ小さいポポが一匹で冒険に出掛けてね、いろんなことを経験してね、立派なポポに成長するお話なんだよ♪」
メラルーは、探し物をする手を止めた。
「ポポニャン、世の中そんなに甘くニャいんだよ」
「え?」
「幼いポポニャンが一匹で、この凍土を一回りでもしてごニャンよ」
「……?」
「この凍土でさえ、ベリオロスやらギギネブラ、アグナコトル亜種、ジンオウガ亜種、究極のイビルジョーだっているんニャよ」
「……(プルプル」
「それら捕食者の目をかいくぐって、無事に冒険を完結させるニャんてのは、夢のまた夢ニャ」
「……(ガクブル」
「悪いことは言わニャいから、いつまでもそんなおとぎ話を信じてたらダメニャ」
「うわーーん! お母さーん!」
子ポポは、泣きながら母の元へ帰っていった。
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【温泉鳴動】
ここは温泉が湧き出ることで、知るモンスターぞ知る秘境。
日頃、ハンター達に狙われるモンスター達が、疲労した身体を癒すため、その存在は口コミで広がっていた。
本日も、すでに早朝から客がいるようだ。
アオアシラとメラルーは、互いに適度な距離を保ちつつ、湯に浸かっていた。
そこへ、新たにウルクススがやってきた。
ウ「ちっ、今日こそ一番乗りかと思ったら、お前ら来てたんだな」
ア「ふっ、お前がお寝坊さんなだけだ」
メ「(くすくす)ニャ~」
次に現れたのは、ドスジャギィだ。
ド「お? みんな揃ってるな。グシシ、俺イイもの持ってきたぞ!」
ドスジャギィは、首にぶら下げていた袋から、酒と杯を取り出した。
ウ「うぃ~、気が利くねぇ~」
ア「相変わらずだな」
メ「(マタタビ酒がいい)ニャ~」
温泉の中で、酒盛りが始まった。
ウ「アレだな、なんかツマミが欲しいな」
ア「干しアロワナでもあれば、実に最高だ」
メ「(マタタビがいい)ニャ~」
ド「温泉ときたら、アレでしょ~(ニヤニヤ」
ウ「温泉卵か?」
ア「温泉卵だな」
メ「(温泉卵)ニャ~」
ド「ガーグァをびっくりさせて、ちょっくら拾ってくるか。……と言っても、俺はこの姿を見られたら時点で、逃げられてしまうしな」
ウ「…………」
ア「…………」
みんなの視線が、おのずとメラルーへ集中する。
メ「(な、な、な)ニャ……?」
卵調達要員は、全員一致でメラルーに決定した。
しばらくして、頭の上に卵を乗せたメラルーが、息を切らしながら戻ってきた。
ド「待ってました!」
ドスジャギィは、メラルーから卵を受け取ると、それを抱えながら温泉の中に入った。
みんなはヨダレを垂れ流しながら、卵を見つめている。
ド「そろそろかな~♪」
ドスジャギィが、卵をコンコンと軽く叩いた。
すると、中からコンコンと返事が返ってきた。
全員が顔を見合わせている。
と、その時、卵にピキピキとヒビが入っていく。
割れた卵からヒョコッと顔を出してきたのは、可愛らしいリオレイアの雛だった。
みんな揃って、メラルーへ視線を向けている。
メ「(が、が、ガーグァが眠ってて仕方なく、どこかの巣から持ってきた)ニャ~……」
雛「ピィー、ピィー、ピキュッ?」
ド「……ど、どーすんだよコレ?」
ウ「そっと返してきたほうがいいんじゃないか?」
ア「同感だ」
メ「(です)ニャ~(汗」
と、その時、ドシーンドシーンと、明らかに大型モンスターが近付いてくる足音が聞こえた。
ド「バレたか?」
ア「いや……これは……」
そこにやって来たのは、ドボルベルクだった。
あちこちに擦り傷や、切り傷があり、脚を引きずっている。
ド「誰だよ? アイツにここ教えたの?」
ウ「あちゃ~、アイツにだけは知られたくなかったぁ~」
ア「まったくもって同感だ」
メ「(アチキじゃないです)ニャ~」
疲労
高く上がったシブキは全員の頭に降り注ぎ、温泉は一気に狭くなった。
みんなは我先にと、温泉から出ていく。
ド「……今日は、これで解散だな」
ウ「ちっ、しょうがねぇな」
ア「致し方あるまい」
雛「おかあさ~ん、知らないモンスターがいっぱいいるよ~」
メ「(あ、こらっ、待つの)ニャ~」
ド「雛は頼んだぞ!」
走り出して行く雛をメラルーは追い掛けていった。
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【淵底のお正月】
海底遺跡の奥深くに、一頭のナバルデウス亜種がいた。
今日もヒマね~。
お正月が近いから、みんな忙しいのかしら?
みなさ~ん、私は年中無休ですよ~!
……。
…………それにしても、ヒマね。
下々の世界では、お正月には玄関にしめ縄を飾ったりするらしいわね。
それじゃ、ここにも何か飾ったほうがいいかしら。
飾るといっても……あ、あれがいいわね。
ナバルデウス亜種は、ユラ~と巨体で静かに泳ぐと、バリスタの兵器のところへやってきた。
よいしょっと~♪
頑丈な角を使い、兵器をミシミシと岩肌から剥がすと、それを撃龍槍の上まで運んだ。
う~ん、まだ何か物寂しいわね。
次に、海底に置いてあった赤や白い箱も、撃龍槍の上に運んだ。
う~ん。
あと一つ、何かが足りない気がするわ。
あ、アレアレ!
真下にある撃龍槍を、頑丈な角でゴリゴリと削り取ると、これも上に運んで見栄えよく立て掛けた。
う~ん、我ながら素晴らしい出来だわ♪
これで気持ちよく、新年を迎え入れられるわね。
ハンターのみなさん、新年は淵底ツアーがオススメですよ~!