本当にあったとは言い切れない、それぞれの日常 シーズン3G 作:JUBIA
【クリスマスの双生児】
「お~れたっち、ふったご~の、そ~せ~じっ♪」
「お~れたっち、ふったご~の、そ~せ~じっ♪」
砂原に、仲良し双子のボルボロスがいた。
兄「なぁ、知ってるか?」
弟「なんだよ? 知らねーよ」
兄「まだ何も言ってねーよw」
弟「www」
兄「なんかよ、ハンター達が、もうすぐクリスマスだからって浮かれてるらしいぜ」
弟「クリスマスって何だよ?
兄「ちげーよ、誰かが生まれた日だってよ」
弟「誰かって誰だよ?」
兄「そこまで覚えてねーよ。でも、なんか偉いヤツらしいぞ」
弟「偉いって、どんだけ偉いんだよ?」
兄「知らねーよ。……ジエン・モーランくらいじゃねーの?」
弟「マジかよ!? スゲェな、ソイツ!」
ボルボロスの双子は、クリスマスの話題で盛り上がっている。
兄「でよ、そのクリスマスにお祝いするんだとよ」
弟「お祝いって、何すんだよ?」
兄「なんか美味いもん食ったりするんだとよ」
弟「なんだよ? それ、いつもと変わんねーじゃん」
兄「でよ、プレゼント交換とかもするんだってよ」
弟「プレゼントって何だよ?」
兄「……美味いもん、じゃねーのか?」
弟「なんだよ、それww」
兄「俺らもプレゼント交換するか?」
弟「何をプレゼントすんだよ?」
兄「何かだよ、何か。……やっぱ、もらって嬉しいもん、じゃねーのか?」
弟「イイネ!」
互いにプレゼントするものを探しに、双子はそれぞれ別々の方角に向かった。
しばらくして、ほぼ同時に帰ってきた双子。
兄「ただいまー」
弟「ただいまー」
兄弟「同時かよww」
兄「ほらよ。お前へのプレゼントだ、受け取れ」
弟「ほらよ。こっちもプレゼントだ、受け取りやがれ」
兄「……いつもの飯じゃねーかww」
弟「しかも、一緒の色違いってww」
兄が弟へプレゼントしたのは、お腹が黄色く膨らんだオルタロス、一匹。
弟が兄へプレゼントしたのは、お腹が緑色に膨らんだオルタロス、一匹だった。
「お~れたっち、ふったご~の、そ~せ~じっ♪」
「お~れたっち、ふったご~の、そ~せ~じっ♪」
------------------------------
【火山の男祭り】
火山の平地で、男祭りと称してサッカーを楽しむモンスター達がいた。
リノプロスチームと、ウロコトルチームに分かれ、その辺に転がっていた火薬岩をボールとして使っている。
リノプロスは突進で岩を転がし、ウロコトルは地中からジャンプで岩を宙に飛ばし、それぞれ器用な立ち回りで、スーパープレイさながら、両者とも真剣にサッカーを楽しんでいた。
前半0-0。
わずかな休息のあと、後半に入ってまもなくという頃、そこへウラガンキン亜種が乱入してきた。
審判のメラルーは笛を吹き、サッカーは一時中断となった。
試合の邪魔をしたとして、メラルーが腰のポーチから1枚のイエローカードを取出すと、ウラガンキン亜種へ向かけて大きく掲げた。
その間、ウラガンキン亜種が静かに立ち去るのを全員が待っていた。
が、サッカーに誘われなかったウラガンキン亜種は、それを根に持っていたのか、邪魔をしてやろうと、尻尾からいくつもの火薬岩をばら撒いた。
(あぁ、どれが公式ボールか、分からなくなってしまったニャ!)
大きな音で笛を吹いた審判は、ポーチからイエローカードを1枚出すと、立て続けにレッドカードを取出し、ウラガンキン亜種をその場から退場させた。
目の前に広がっているのは、いくつもの火薬岩。
どれが公式で使っていたものか、メラルーが一つ一つ調べていると、そこへまた新たな訪問者が現れた。
ブラキディオスだ。
ブラキディオスは、祭り事にはまったく興味がなかった。
しかし、道行く先で、通行の邪魔をするようにサッカーをされていたことに、腹を立てているようだ。
ブラキディオスは鋼鉄のような剛鉄拳で、そこにあるすべての火薬岩を次々と壊していった。
(あぁぁぁっ! な、なんてことするニャ!)
一際大きく笛を吹いたメラルーは、ポーチからレッドカードを取出し、ブラキディオスに向けて大きく掲げ、一発退場とした。
ブラキディオスは「チッ!」と、不服そうに舌打ちすると、その場から退場していった。
予期せぬ訪問者達が去ったあと、すべての火薬岩が破壊されてしまったため、今年の男祭りは余儀なく中止となった。
------------------------------
【海海海+α、一方面作戦】
孤島の深い海の中、一匹のマンボウが潮の流れに身を任せて、悠々と泳いでいた。
と、そこへ一匹のカツオが近付いてきた。
カ「マンボウは、今日もユラユラと、ご機嫌そーだなー」
マ「あ……カツオ君。元気……かい?」
カ「何かさー、最近さー、ふと思うところがあるんだけどさー」
マ「なん……だい?」
カ「俺達って、影薄くね?」
マ「……え? 僕達……水中だから、影は海底まで……届かない……よね?」
カ「いや、そーゆーことじゃなくてさー。なんていうか、こう、表舞台から遠ざかってるっていうか、さ」
マ「カツオ君……舞台で……演劇でも……するの?」
カ「……(ダメだ、コイツ)」
と、そこへ、スイーッと一匹のサメがやって来た。
カ「お! サメ! いいところに来た」
サ「ん? なんだ?」
カ「俺らさー、なんかさー、あんまし目立ってなくね?」
サ「あ? お前、最前線に行きたいのか?」
カ「いや、そこまでじゃなくてさー、こう血がたぎるような……」
サ「お前、バカだな。のうのうと泳いでいられるうちが華だぞ」
カ「サメはいいさー。水中闘技場で、ハンター達と血気盛んに戦えるクエストがあるしさー」
サ「バカか? あれで俺ら、1クエで30匹は狩られてるんだぞ!」
カ「あ、いや、ごめん。でもさー、ちょっとくらい俺達が主役になれるクエストがあればなー、なんてさー。ちょっと思ってみたわけよ」
三匹の間に、少しの沈黙が流れた。
が、その沈黙を破ったのはサメだった。
サ「……お前、ハンター達と互角に戦えると思ってんのか?」
カ「お、俺だって本気を出せば……少しくらい」
サ「ふっ、甘いな」
カ「な、なんだよ!」
サ「いいか? よく聞け! 新米ハンターどもは、ただ自分の持っている武器を振り回して、俺達を散らせるだけだ。だがしかし、プロ級のヤツらは、トドメにモリを使って皮やらヒレやらを剥いでいく、って知ってたか?」
カ「……いや、今初めて知ったよ」
サ「ふっ、これくらい常識だぞ。今から連れてってやるから、モリを持っている連中には注意することだな」
カ「お、おぅ!」
と、そこへ、ユラーッと一匹のクラゲがやって来た。
ク「あれぇ? みんな揃って、何の話してんのぉ~?」
カ「へへっ、俺達これからハンター達に……」
と、カツオが言い掛けた時、サメがカツオの口をヒレでふさいだ。
サ「なんでもない、クラゲには関係のない話だ」
ク「えぇ~、ボクちんも混ぜてよぉ~」
サ「お前は……足手まといだ」
ク「えぇ~、やだぁ~、やだぁ~! ボクちんも行くぅ~!」
カ「(こいつ、オトリに使えんじゃね?)」
サ「(……お前というヤツは)」
カ「そんじゃ、クラゲも一緒に行こうぜ」
ク「やったぁ~♪」
マ「大丈夫……かな?」
クラゲは、これから何をしに行くのか知らないまま、サメ達のあとを追っていった。