本当にあったとは言い切れない、それぞれの日常 シーズン3G 作:JUBIA
【鎖十三竜】
火山のとあるエリアに、アグナコトルが三頭集まった。
「ねー、今日は何する?」
「……そーだな」
「あ! ギネスに挑戦してみないか?」
「え?」
「えっ?」
アグナコトルの一頭が提案した。
「ウロコトルを繋いで、デッカイ長ウロコトル跳びを作ってさ、僕達でギネスに登録するんだよ!」
「いいね!」
「面白そうね♪」
アグナコトルは、ウロコトルを10匹呼び寄せた。
「いいかい、君達! 一列に並んで、それぞれ右のウロコトルの尻尾に、しっかり噛み付くんだ」
「あーい」
「あーい」
「あーい」
「あーい」
「あーい」
「あーい」
「あーい」
「あーい」
「あーい」
「あーい」
「さてと、僕と君で両端のウロコトルを口で挟むんだ」
「私は?」
雌のアグナコトルが聞いてきた。
「君は、僕達が回す長ウロコトルを地中からジャンプで、三回跳んでくれるかい?」
「了解♪」
「それじゃぁ、いくよ!」
長く連なったウロコトルの両端を二頭のアグナコトルが口で挟むと、勢いを付けて長ウロコトルをブンブンと回し始めた。
雌のアグナコトルは、最初はタイミングを計るために、長ウロコトルを数回見送ったが、どうやら見切ったようで、地中に潜ると鮮やかな三回転をしてみせた。
「やったね!」
「やったな!」
「やったわね♪」
初回で成功するとは思わなかったが、素晴らしい出来にアグナコトル達は、協力してくれたウロコトルを含め、互いを称えていた。
「……あ、ごめん……これ、まだ非公式だった」
「え?」
「えーっ?」
ガックリとうなだれるアグナコトル達に、どこからともなく
声のするほうを見てみると、いつのまにか、このエリアの入口に4人のハンターが立ちすくんでいた。
みな、それぞれ盛大な拍手とともに、中には感激のあまり、男泣きしているハンターもいる。
アグナコトル達は、全員揃ってハンター達に一礼した。
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【最恐に満ちる狂気】
凍土の一角に、一頭のイビルジョーがいた。
ドス黒く
俺ハ今、究極ノ選択ニ迫ラレテイル。
ナゼナラバ、コノ暴虐的ナ飢エト葛藤シテイルカラダ。
俺ハ、飢エレバ飢エルホド、チカラガミナギッテクルノヲ知ッテイル。
タダデサエ最恐ノコノ俺ガ、ドコマデ……最恐ニナレルカ。
俺ハ、ソノ辿リ着ク先ニ、何ガアルノカヲ確カメル必要性ガアル。
シカシ、怒リ狂ウホドノコノ食欲ヲ、ドコマデ抑エラレルカ。
正直、限界点ガ近イヨウナ気ガシテキタ。
と、そこへ、数人のハンターがやってきた。
ハンター達は、イビルジョーを見るや否や、戦闘態勢に入っている。
ヨシ、ココハヒトツ、運試シヲシテミルカ。
ヤツラニ勝利シタアカツキニハ、ヤツラヲ貪リ食ッテ、コノ飢エタ腹ヲ満タシテヤロウ。
万ガ一、ヤツラニ負ケルヨウナラ、俺ノ飢エハ、マダマダノビシロガアルトイウコトダ。
ソノ時ハ、サラニ極限マデ、コノ飢エト再ビ葛藤スルコトニナルダロウ。
イビルジョーは、向かってくるハンター達に戦いを挑んだ。
ハンター達の体力は、イビルジョーの凄まじい攻撃力でゴリゴリと削られていく。
運試シドコロカ、練習台ニモナリヤシナイヤツラダ。
見テミロ、人間ガマルデ糞虫ノヨウダ。
余裕を見せるイビルジョーだったが、手練れのハンター達も負けずとチームワークを駆使し、次第にイビルジョーを追い詰めていく。
コ、コンナハズデハ。
何ダ?
何ガ足リナイ?
俺ニハ、マダ飢エガ足リナイ、ノカ?
ココハヒトマズ、秘密ノネグラデ、サラニ飢エヲ溜メ込ンダホウガヨサソウダ。
イビルジョーは、普段は誰も立ち入ることができないエリアへのバリケードを突破し、ねぐらへ急ごうとした。
すると、バリケードを破壊した瞬間、イビルジョーよりもハンター達が一足先に、その奥地へみなこぞって駆けていった。
ナ……ニ?
アイツラ……俺ヲ待チ伏セスル気カ?
糞ッ!
俺ダケノ……秘密基地ダッタノニ。
イビルジョーは、奥地にあるねぐらに急いだ。
奥地に入ると、ハンター達はピッケルや虫網を振りかざし、あろうことか採取にいそしんでいる。
コ、コイツラ……。
俺ノコトハ無視カヨ!?
無視どころか、ねぐらを荒らされて怒り狂うイビルジョーは、採取に励むハンター達へ襲いかかった。
しかし、飢えによるパワーアップを断念させられたイビルジョーは、苦戦を強いられていた。
……アト少シ、コノ飢エガ蓄積サレテイレバ、コンナヤツラハ瞬殺ダッタノニ。
運試シニ負ケタノハ……コノ俺ノダッタカ。
今度ハ……極限マデ……飢エルコトニシ……ヨウ……。
イビルジョーの意識は遠のいていった。
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【凍てつく占い】
凍土の冷たい風から守られている洞窟で、アグナコトル亜種が占いをしていた。
凍土中では、よく当たると噂される占い館だ。
本日のお客様は、ベリオロス。
「こんにちわ、占いお願いできますか?」
「いらっしゃいませ、ではこちらにどうぞ」
ベリオロスは、アグナコトル亜種の目の前に座った。
「あの~、実は私……」
「あぁ、いいの、いいの。何も言わなくても私には分かるのよ」
う~むと、アグナコトル亜種はベリオロスの顔をマジマジと見つめている。
「あなた……最近、寝不足気味ね?」
「え? あ、寝不足気味で最近、特に目がショボショボするんです」
「……あとはそうね。実は、その牙、少し邪魔だと思ってない?」
「スゴイ! 当ってる! 本当のこと言うと、もう少し短くてもいいかな、って思ってたんです」
「それじゃ、ちょっと手相を見せてもらえるかしら?」
ベリオロスは、前脚の肉球をアグナコトル亜種に差し出した。
「あなた……ご両親とは生き別れよね?」
「えぇ、ある程度成長した時に、『巣立って行きなさい』って、両親から巣を追い出されたんです(ぐすっ」
「でも大丈夫よ。あなたのご両親は、今でもあなたを愛していらっしゃるわ」
「うぅぅ……(ぐずっ」
「あなた……今、恋をしたいと思ってるわね?」
「えぇっ! 思ってる、思ってる、めっちゃ思ってます!」
「ズバリ言うわよ! ……1年、……2年、……そうね、3年以内に、必ず素敵な相手が現れるわ」
「本当ですか? でも3年かぁ……意外と待つんですね」
「それは、女子力を磨く準備期間だと思ってていいわ」
「私、頑張ります!」
「さて、お代はポポ肉で結構よ」
「ありがとうございました! ちょっとスッキリしました」
ベリオロスは、ポポ肉を置いて洞窟を出た。
「……あ、肝心なこと聞くの忘れちゃったじゃない!」
ベリオロスが本当に占ってもらいたかったのは、『どうすればハンターに勝てるのか?』だった。
占い師の言葉は、あとからよく考えてみると、当たり障りのないことのように思えていた。
「あの占い師……本当に本物なのかしら?」