本当にあったとは言い切れない、それぞれの日常 シーズン3G   作:JUBIA

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彩鳥混成合唱団 ~ 不幸のタマゴを生むガーグァ ~ 新説・風神と雷神 ~ 少年日記(チャチャ編)

【彩鳥混成合唱団】

 

 孤島の浅瀬のそばで、3匹のクルペッコが集まっている。

 

「いい? みんな、いつも通り練習するわよ」

「はーい」

「はーい」

「せーのっ」

 

 プーーーっ♪

 ピーーーっ♪

 ブピっ♪

 

「ちょっと、ちょっと、またアナタなの? ちゃんと練習してきてって言ったじゃない!」

「ご、ごめんなさい」

 

「じゃぁ、最初から。せーのっ」

 

 プーーーっ♪

 ピーーーっ♪

 ブプっ♪

 

「ストップ、ストップぅーー! ったく。じゃ、アナタだけでやってみて。せーのっ」

 

 ブポっ♪

 

「もっと胸の奥から吐いて、もう一回! せーのっ」

 

 ブモっ♪

 

「まだまだ! もっと奥から思い切り吐いて! せーのっ」

 

 ブオーーーーーっ♪

 

 え?

 ちょっ……今のって……?

 どこからともなくやって来たのは、イビルジョーだった。

 

「呼んだ?」

「呼んでません!」

 

「俺も練習に混ざってやろうか?(じゅるっ)」

「邪魔だから、あっちに行っててくれる?」

 

 クルペッコリーダーの殺気に、イビルジョーはスゴスゴと帰っていった。

 

「何をどう間違えたら、イビルジョーを呼ぶのよ!? アナタ、そんなんじゃ、命いくつあっても足りないわよ! さあ、もう一回! せーのっ」

 

 ブピっ♪

 

「また最初に戻っちゃったじゃない! 今日は、できるまで帰さないわよ。いいわね?じゃ、もう一回! せーのっ」

 

 ブプっ♪

 

 クルペッコ合唱団の練習は、夜更けまで続いた。

 

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【不幸のタマゴを生むガーグァ】

 

 貧しい村人が金の卵を産むガチョウのおかげで、億万長者に成り上がるサクセスストーリーに、夢をはせるハンターがいた。

 

 ある日、渓流を探索していたハンターは、一羽のガーグァの雛に出会った。

 どうやら親鳥とはぐれてしまったようだ。

 ハンターは雛を持ち帰り、金の卵を産む日を夢見て毎日毎晩、一生懸命に世話をしていた。

 

 ところが、成長したそのガーグァが産むのは真っ白な卵ばかりで、一向に金の卵を産む気配はない。

 そればかりか、真っ白な卵を料理で食べた時に限って、お腹を壊していた。

 これは不幸の卵なのではないかと思ったハンターは、そのガーグァを元の渓流へ追いやってしまった。

 

 ぐすん、ぐすん。

 ひどいわ、あのハンターさん。

 まだ幼い私を拾っておきながら、不幸の卵を産むから帰れ、だなんて。

 

 ガーグァは、悲しみに暮れながら渓流をトボトボと歩いた。

 

 私って……本当に、不幸な卵しか産めないのかな?

 ぐすん。

 ううん、そんなことないわ。

 きっと……たまたまよ。

 

 トボトボ歩くガーグァの前に突然、イビルジョーが現れた。

 

 キャーッ!

 

 驚いたガーグァは、その場で真っ白な卵を産み落とすと、近くの草むらに隠れた。

 

 卵を頬張るイビルジョーは、次第に顔が歪んでくると、短い手を腹に当てながら、どこかへ走り去っていった。

 

 や、やっぱり私の卵は……不幸の卵なんだわ!

 

 うわーん!

 

 悲しむあまり、ガーグァはトテトテと当てもなく走り出した。

 

 小川のそばに出ると、そこに一羽の年老いたガーグァがいた。

 

「これはこれは、元気なお嬢ちゃんだこと」

 

 老婆はニッコリとガーグァへ声を掛けてきた。

 

「えっと、……元気……じゃないです(ぐす」

「あらまあ、こんな可愛いガーグァちゃんを泣かせるなんて、一体何があったんだい?」

「うわーん!」

 

 ガーグァは、今までの出来事を老婆に話した。

 

「うん、それはたまたまだよ。きっと、食い合わせが悪かったんだろうさ」

「そ、そーなのかなー?」

 

「うん、いいかい? お嬢ちゃん、この世に不幸の卵を産むガーグァなんて、いやしないのさ」

「でも、えっと、私、金の卵を一度も産んだことがないんだよ?」

 

「あのね、金の卵はね、そうポンポン産める代物じゃないのさ」

「え? そーなの?」

 

「そーさ、そんな毎日毎日、金の卵を産んでたら、今頃、私らは乱獲されて絶滅してるさ」

 

 老婆の話に、ガーグァは少し安心したようだ。

 

「お嬢ちゃんは、今まで100個以上の卵を産んだのかえ?」

「ううん。まだ、えっと、たぶん……30個くらい」

 

「それじゃあ、まだまださ。金の卵の確率なんて、一桁さ」

 

 ガーグァの顔色が、パァーと明るくなった。

 

「そーなんだー! なんだー、てっきり私は……」

 

 ガーグァは、すっかりと元気を取り戻している。

 

「今は、この婆はすっかり卵が産めなくなったけど、まだまだ若いお嬢ちゃんなら、卵で商売もできるさ」

「えっと、それって……?」

 

 老婆はガーグァに、商売のノウハウをしっかりと伝授した。

 

 後に渓流の一角では、『タマゴ占い始めました』の看板が掲げられた。

 

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【新説・風神と雷神】

 

 諸君らは、知っているだろうか?

 風神と雷神を。

 

 諸説では、ベリオロス亜種を風神、ジンオウガを雷神としているが、これは誤った解釈の元に立てられた誤用である。

 では、真実は如何(いか)に?

 

 それは、我々ブナハ&ハブラこそが、真の風神と雷神であると、ここに宣言したい!

 

 ブナハブラのブナハは、檀上で声を大にして言った。

 袖にいたブナハブラの助手、ハブラは、うんうんと大きく頷いている。

 観客席には、真剣に演説を聞いているブナハブラのナハブが一匹しかおらず、ナハブは盛大な拍手を贈った。

 

ナ「どんなところが風神と雷神なんですか?」

ブ「いい質問だ! それではまず、風神としての根拠をここに示そう」

 

 ブナハは、袖にいたハブラを横に立たせると、その横でブーンと勢いよく羽ばたいて見せた。

 

ハ「うっぷ、こ、これは巨大モンスーンの(ごと)し、強風であります!」

ナ(び、微風すぎる)

 

ブ「次に、雷神としての根拠をここに示そう」

 

 立っていたハブラは、ブーンと飛び上がると、ブナハへ尾の針を軽く突き刺してマヒ状態にした。

 数秒間のマヒ状態から解放されたブナハ。

 

ブ「轟雷を受けたが如く、ビリビリして身動きがまったく取れなかった!」

ナ(これって……)

 

ブ「いかがだったかな? これで我々こそが、真の風神と雷神であると証明できたハズだ!」

ナ「Boooooo!」

 

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【少年日記(チャチャ編)】

 

 やぁ!

 オイラ、モガの村から、トーちゃんと魚を売りに船でやってきたんダ!

 トーちゃんが仕事してる間は、港で遊んだり、釣りして待ってんのサ!

 待っている間、暇だから港をブラブラしてみたんダ!

 

 今日は、船の休憩所にチャチャがいたから、話掛けてみたんダ!

 

「やぁ! 今日はチャチャがお留守番なんダ?」

「は? 本当は、俺チャマが狩りに行くはずだったっチャ!」

「えっ!?」

 

「カヤンバのヤツ、子分を垂らし込んで、自分だけ狩りに連れてってもらうなんて卑怯だっチャ!」

「えぇっ!?」

 

「子分が心配するから、仲良し度MAXに見せてるけど、俺チャマはカヤンバのことが気に食わないっチャ! アイツが戻る前に、アイツの気に入ってるお面を隠してやるっチャ!」

「…………」

 

「……まぁ、君も大人になったら分かるっチャ、見せかけの友情や世間ってものをっチャ」

「…………」

 

 オイラ、触れてはいけない何かに触れてしまったのかナ。

 いくら純粋無垢なオイラでも分かるんダ!

 チャチャは、心のどこかに何かしらの深い闇を抱えているってサ。

 

 今日の出来事は、オイラの胸にそっとしまっておくヨ!

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