元検証班どもが征くVRMMO(手綱は握られていないものとする) 作:銀鈴
≡ # ゲーム系雑談 け
.暗証番号は5963 00:11
.つまりFEVの職業スキルとは!
.こういうことだったんだよ!! ΩΩΩ(編集済)
.どぅーゆーあんだすたぁん!?
.ヤブサメ 00:11
.今日も今日とて深酒ですねクォレハ
.アブ@決闘者 00:12
.なるほど、大体わかった(破壊者)
.大体スプラの性能強化ね
.蛍石 00:12
.たーる!(理解)
.うにー!(把握)
.⚫︎⚫︎⚫︎複数人が入力中...
long long ago……ではなく今、ナウ、in。
とあるゲームに、ある1つの協調性をドブに捨てたギルドがありました。
ギルドマスターは深酒をしながら資料の海に航海へ、サブマスなんていない。1人は長距離遠征に、1人は食べ歩きに、またある1人は弾幕をキメ、もう1人はレア泥を掘り、ユーちゃんは半透明で遊び方が上手い。
そんな普段は情報の共有すらままならないバカのギルドとは、一体どこのことでしょう?
そう、ウチです。
#極東式罵倒スラング#!!!
そんなこんなで、頭がおめでたくゲーム外での交流と相なった情報共有会 in グルチャ with 折角だから身内の強化しちゃおうぜ会だったのだが………
≡ # ゲーム系雑談 け
.弾バカ 00:13
.?????
.⚫︎⚫︎⚫︎複数人が入力中...
悲しいかな、弾幕バカにはこのレベルの話は早かった……もとい、遊んでいるゲームのジャンルが致命的に噛み合わなかったらしい。宇宙猫が1匹爆誕してしまっていた。
何に影響されたのか最近になって『おは弾幕』とか宣うようになったバカに、しかして何となくイメージだけでも掴んでもらわないと話が進まないこともまた事実。
どうしようかなぁと大学のレポートを描きつつSNSをサーフィンするカスの大学生を謳歌していた時のことだった。
≡ # ゲーム系雑談 け
.→ ユーちゃん が参加しました 00:14
.手を振って挨拶しましょう!
.⚫︎⚫︎⚫︎複数人が入力中...
チャット画面上に現れた『見慣れた名前』と『有り得ぬ表示』に、一瞬思考が完全にフリーズした。
いやいやいやいやあり得ないだろう。
確かにユーちゃんは配信の方の権限は持っているけど、リアルSNSの方にまでその権限は伸びていない。ましてやここは、利用に会員登録が必要なグルチャなのだから尚更。
つまりここで俺が取るべき対応とは──!
≡ # ゲーム系雑談 け
.ヤブサメ 00:16
.敵襲ー!敵襲ー!!
.者ども出会え!出会えぃ!
.⚫︎⚫︎⚫︎複数人が入力中...
サーバーの管理権限を持っていない以上、泥酔しているサーバー管理者に深刻さを気付いてもらえる様、騒ぎ立てることに他ならない。
≡ # ゲーム系雑談 け
.アブ@決闘者 00:16
.誰か誘った?
.弾バカ 00:16
.私がそんなことに時間を割くとでも?
.蛍石 00:16
.今日の晩御飯は水炊きです
.【画像】
.暗証番号は5963 00:17
.あれ、ユーちゃんいる……?
.ユーちゃん 00:17
.気のせい気のせい
.暗証番号は5693 00:18
.誘った人の該当なし
.日本語が流暢、kickで
.ユーちゃん 00:18
.えっ
.暗証番号は5963 00:19
.!user kick ユーちゃん
.⚫︎⚫︎⚫︎複数人が入力中...
謎の侵入者の出現から僅か5分、泥酔してる割にはあまりにも早い状況判断であった。こうして俺たちのリアル平和は守られた……のだが。
[p.m.21:30(
[ギルド【クローニンと愉快な仲間たち】]
「ツーン!」
「すみませんでした」
翌日。
足りなくなり始めた遠征物資の補給のため戻ってきたマイギルド、そこで待っていたのは完全にヘソを曲げてしまったユーちゃんだった。
あとそのおみ足でふみふみされてるクローニン。
申し訳なさとちょっと役得と思ってそうな笑みが拮抗している。
「 」
絶句であった。なんかイケナイものを見てしまった気分でもある。
だがしかし、ここはゲーム。VRMMOという新天地。システムに怒られない範囲なら、公序良俗を外れても私刑しかない無法の地だ。なればこそ。
「……クローニン、ユーちゃんを変なプレイに付き合わせちゃ駄目じゃないですか。ユーちゃんが『人類滅ぶべし』とか言い出したら悲しくなりますよ」
性癖に異を唱えることはするまい。
何せ自分のサンプリングAIと遊んでいる(意味深)ふしのある、俺たちが歪めてしまった悲しき漢がクローニンなのだ。ユーちゃんへの心配と追加の燃料を投げ込みこそすれ、否定するのは道理じゃない。
「タップリ“スウジュウビョウ”モツカッテダシタ“コタエ”ガソレカヨォ!?」
「ところで『人類滅ぶべし』って思ったりは?」
「チョットアル」
いえーい、ハイタッチ──出来た。
よかったまだユーちゃんは人類に絶望してない。ある程度の人類が思ってる程度の『滅べ』度合いだ。多分。きっと。めいびー。
「あ、それじゃあ荷物とったら俺はまた外界行なんで」
「チョットマテイ」
「江戸っ子!?」
「フオンナミームニスルナヨ。フツウニハナシキイテケッテ」
見え切った地雷からは逃げたかったのだが、無理に逃げ出して不発弾にする方がよほど不味い。ユーちゃんの指示通り、四つん這いになっているクローニンに腰掛ける。
「ふぉっ」
変な声を出しやがったクローニンを黙らせるべく、フックの装備を外した尻尾を口に突っ込ませておく。うぉっ、絵面がヤッバァ。
「オリャッ!」
「突然の暴力!?」
尻尾を舐められる謎の感覚に悶えていると、ユーちゃんから透過するタイプの顔面ストレートが飛んできた。
そのまま脳を掻き回すように手を握ったり開いたり。これは、VRに過敏だったり疎い人だとリバース待ったなしの暗黒VRカラテ! 自己開発の進みすぎたクローニンだ、これにやられたに違いない。
「おこなの?」
「オコダヨ!」
「そっかぁ」
若干引き気味のユーちゃんを透過した腕の内部から見つめながら、何かそんな怒らせることあったかなぁと思案する。
・
・
・
ねぇや!
「3ビョウデケツロンダスナァ!
キノウ、ガンバッテオマエラノSNSニイッタダロ?」
「なんか変な荒らしは来てた気がするけど」
「ホ ン モ ノ !」
おおっと、ここでユーちゃん左手を追加。ヤブサメ選手の脳内をミキサーにかけ始める!
効かないが?(天下無双)
「セッカク、セッカクガンバッテ、ハンログアウトマデシテイッタノニ。アノ“シウチ”ハアンマリジャネェカヨ……ョョョ」
「そのことで疑問なんだけど、ユーちゃんみたいなAIって外のアカウント登録とか出来るの?」
「ホントハダメダシ、ウンエイモダメッテイッテタ」
そりゃそうだ。第一次AIショックの時に、なんかそういう法律みたいなのな成立してた記憶があるし。
「タダ、ジリキデヤブルブンニハモンダイナクテェ……『ウチハAIノ“ジシュセイ”ヲソンチョウスル』『トコロデミンナ、アッチノウンエイノ『メ』ガキツクミエルバショニイキマスネ』『アトハソトノコニキイテネ』ッテイッテタ」
意外! それは三店方式ッ!!
伝統的なジャパニーズ合法違法の動きのソレだった。
法律上ゲームのAIはシンギュラってもネットに放流してはいけないが、運営の厳しい監視の目がある場所を自力で突破される分にはどうしようもない。
①運営→産んだAIがシンギュラる
②AI→外の世界へ歩み出せる
③データ収集センター→シンギュラAIと繋がり仕事を斡旋
④データ販売業者→運営へフィードバック
→①へ戻る
おおよそ循環はこんなところか。
①が最も難しい部分であるのは言うまでもなく、運営が栄華を誇る理由でもありそうだ。デジタルワールドが完成するのもそう遠くない未来なのかもしれない(遠い目)
「ホントハイロイロ、ソウダンモアッタノニヨ! ヨ!」
「ダイナモ……」
「イクラアノキョクガハヤッテテモ、ソレイジョウイワセネェカラ! オレラAIノ“チブ”ダヨ!」
ぐわんぐわんとユーちゃんに頭を掻き回される。
うーん流石にちょっと気持ち悪くなってきた。
「それで、その相談って?」
「コノナガレデ!? マアイイケドヨ」
「ユーちゃんのそういうノリ良いところ好きですよ」
「ツッコミ、コノ、ダレノセイデ……!!」
溢れんばかりの怒りで、脳みそを溢れさせんと腕がアップダウン。物理的に掻き回されすぎて、脳に瞳を得てしまいそうな変な感覚がする。
「フゥ……マンゾクマンゾク。
デ、ソウダンシタカッタコトッテノハ──」
基本的に遊ぶ時間を合わせない限り遭遇しない、うちのメンバーを集める方法はなにか?
「
イベントなどといった催しを除けば、答えはひとつ。
「弾幕がヤレるって聞いたんですけど!」
即ち、
「ブッピガァン!!」
《レアダンジョンって聞こえた! とマスターはおっしゃっています》
好物で釣る、この手に限る。
この手しか知らないともいう。
「全員集まりましたね?
ではこれより、ユーちゃんプレゼンツ『あの時発見したユニーククエスト』の攻略を再開させようと思います!」
ガクガクと震えた足でクローニンが号令をかける。
「オレモコノマエマデワスレテタンダケドヨ、マダ『アノユニーク』ツヅケラレタミタイナンダワ!
ヨロシク!」
色々と話していない裏はありそうだけど、友達の頼みなら(よほど面倒でない限り)断る理由はない。
ユーちゃんと遭遇した時に発生した、あのダンジョン探索系ユニーククエスト。アレのリスタートがここに決定した。
「「おおー!」」
「グポン!」
皆がそれぞれ手を挙げ気合いを入れる中──俺は、ユーちゃんが掘り出した頭の中身をFluoriteさんに捕食され、弾幕とそれを受けるアブっさんの縦に挟まれてサンドバッグになっていた。
うおおん、俺は人間食糧庫だ。
「
「ひっく、ぐす……」
泣いた。