光を渇望する巨人の旅路   作:謎の食通

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第一話「虚構の巨人の実在」

20XX年地球、人類は科学技術により、繁栄を謳歌していた。だが見えないところでは、神、天使、悪魔、妖怪、魔法使いなど幻想や神秘の存在が今も生きていた。彼らは時に人と混じり合い、人を捕食し、または人に退治される。

たまに世界の滅び規模の事件が起きるが、それは地球では日常茶飯事である。

だが、それは地球内の事件だからこそ解決できるのである。それが地球外または異世界などの理解を超えた事態となると簡単には解決できない。そう、今のように。

 

 

「愚かなる地球人類よ、降伏せよ」

 

突如、宇宙から来た電波は地球のありとあらゆる通信帯において、この言葉を受信した。

異星からの来訪者、彼らは友好的な存在ではなかった。彼らが通信を送った直後世界中で核分裂炉が停止した。

一部の人間は「リアルニュート○ンジャマーキタコレwww」と言ってたが、また一部の人間はこうも言った。「あれ?原発や原子力空母とか大丈夫なのか?」

 

核分裂炉の停止は、電力だけでなく軍事力にも影響を及ぼした。特に世界最大の軍事力を持つアメリカ海軍の被害は甚大だった。空母機動艦隊は、その機能を停止してしまった。他にも核保有により勢力を保っていた国は、この様な状況にも関わらず他国からの侵略を受けることになった。

そして世界が混乱に陥った時、彼らは地球に降りてきた。彼らの宇宙船は定番のフライングソーサー型だった。彼らのUFOに各国の空軍は奮闘した。だが、重力制御では不可能な機動、恒星間航行を可能とする船体、従来の兵器では、歯が立たなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

-----------------------日本----------------------------

 

「畜生・・・!一機も落とせねえ!!」

航空自衛隊は、未だにUFOを一機も落とせていない。空自の技術力、練度は決して低くない、だが技術力の差があまりにも大きいとそれも無意味だった。

 

≪こちら、アロー3。ダメだ、敵を振り切れない!?≫

 

「っ!?小林!避けろぉぉぉぉぉ!!」

 

≪ヒィ・・・!?≫

空自の戦闘機はUFOに背後を取られ、今にも撃ち落とされそうな時

 

 

 

 

 

奇跡は起きた。

 

 

 

【ズゥガァァァァァン!!】

 

 

 

突如として赤い光球が後ろに迫っていたUFOに衝突し、破壊した。

 

≪・・・えっ、あ?・・・・助かった、のか?≫

 

「・・・おい、あれを見ろよ!?」

 

≪あれ?・・・・あれはっ!?≫

 

パイロット達が地上に目を向けたとき、彼が目に入った。

 

 

銀色の光に包まれた筋肉質な白銀の体、ボディには黒色の模様、胸のプロテクターにはY字の真ん中に輝く青い宝玉、人のようで人でない相貌、青く輝く瞳の下部に無感情な小さな黒い目を携えた曲面と平面で構成された黒銀の巨人。

 

彼の姿は人に似ていたが人ではなかった。だが、その姿は人々に恐怖を与えなかった。与えた感情の名は、希望。

 

なぜなら人は彼らをこう呼ぶ。

 

 

 

「「「ウルトラマンだ!!」」」

 

 

光の巨人ウルトラマンと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巨人、ウルトラマンは、街の中で佇んでいた。その様を見て人々は、困惑した。

 

「赤じゃなくて黒・・・本当にウルトラマンなのか?」

「というかウルトラマンって実在したのか」

 

人々が知るどのウルトラマンとも異なるウルトラマン。人々が不安を大きくしているとUFOが攻撃をしかけた。すでに彼はUFOを一つ落としているそのことから敵性体と判断されたのだろう。

 

だが、それを機に彼は動き出した。

 

『・・・ジュウァ!』

 

彼は腕を突出し、拳から光弾を放った。それは見事UFOに命中し、機銃やミサイルでびくともしなかったUFOを撃破した。

 

 

「見ろ!UFOを攻撃したぞ!」

「味方だ!本物のウルトラマンだ!」

「がんばれーウルトラマーン!!」

 

人々の歓声を背に巨人は次々と光弾を発射していく。UFOが七面鳥撃ちのごとく落ちていく。これに侵略宇宙人は慌てたのか世界各地で行動したUFOを日本に集中させる。だが・・・。

 

『フゥ、ジュアァ、ゼァ!』

 

巨人に攻撃は意味をなさず、ただ自軍の兵力を減らすだけだった。そして彼らは切り札を切ってきた。旗艦と思しき巨大UFOから50m級の戦闘ロボットを繰り出してきたのだ。

 

ロボットは、巨人に砲撃をしかける。途切れることのない弾幕に巨人の姿は硝煙の煙で隠れた。

 

『・・・デェア!』

 

煙を腕の一振りで消し飛ばした。無傷だった。戦艦ですらものの数秒でハチの巣にする砲撃は巨人にダメージを与えることができなかった。いや、いままでの攻撃事態がまるで命中していないかのようだった。

 

『ヴァァ!』

 

巨人がロボットに接近した。ロボットは、それを迎撃しようと殴りかかり、左手で攻撃をいなされた。そして右腕を巨人につかまれ。

 

『ジュァア!!』

 

巨人により腕がもぎ取られた。巨人はもぎ取った腕を投げ捨てロボットを殴った。拳が命中した瞬間、衝撃が増幅されロボットは吹き飛ばされた。

 

 

この侵略ロボットは決して弱いわけではない。性能は最低でもキングジョークラスはあった。強靭な装甲、膨大な火力、軽快な機動性、どれも侮りがたい性能だった。それが手も足も出ないのは。

 

『ディアァ!!』

 

巨人が強すぎただけだった。巨人が放った拳はロボットを貫通し、ついにはその機能を停止させた。これを見た異星人は形勢が不利とみて撤退を始めた。

 

『・・・ズァァァァ!』

 

巨人が腕を交差させ放った光線が巨大UFOを貫いた。こうして人類史上初の宇宙人による侵略は巨人の手によって解決した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

敵を殲滅した後も巨人は街中で佇んでいた。巨人は、その瞳に何を映しているかは誰もわからない。だが、そんな彼に声を投げかける者がいた。巨人は声のする方向を見た。

 

「ありがとう、ウルトラマンーー!」

 

子供だった。

それを機に周りの人たちも彼に感謝の意を告げた。

 

「ありがとう!!」

「助かった!本当にありがとう!」

「神様、仏様、ウルトラマン様!」

 

人々は口々にありがとうと言い、彼をウルトラマンと称えた。

巨人は、感謝してくる人たちをしばらくの間眺めていた。一部の人間は、そんな巨人の姿を見てこう思った。「なんか戸惑っていないか」と。

 

 

『・・・ジュウァ!』

 

しばらくして巨人は飛び立った。人々の声を背に受けて・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーある森の中ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

そこに一人の少年はいた。

カラスの濡れ羽のような艶やか黒髪、だが相貌は東洋人離れしていた。その端正な顔は白人の物、そして普通の人間では有り得ない金色の眼だった。

もし、この人物の髪を伸ばし青く染めれば別の人間の名前が出てくるだろう。

 

「・・・私はユーゼス・ゴッツォ、俺はダークザギ、僕は・・・」

 

そうその姿はイングラム・プリスケンに酷似していた。正確にはイングラムを若くしたような姿だった。

 

「僕の、私の、俺の、ネフェシュが一つにつながっていく・・・。」

 

彼らは一人に統合されていた。アカシャ変動因子である彼を主軸に纏まっていった。

 

「そうか・・・理解した。我らは光を渇望した者、そしてそれが我らを束ねた因子か。僕のお陰で俺や私に無いものは補填できた。しかし・・・」

 

三つの存在が一つになる。それは、どこか必ず歪みが発生するだろう。そう、彼にように。

 

「僕は・・・!私は・・・!俺は・・・!光が、光が欲しい!!」

 

ウルトラマンに対する渇望が一つに束ねられ強固なものとなったのだ。僕という少年のお陰で彼は良心を持つことが出来た。だが、その身に燃え盛る渇望がこれからどうなるのか、それは誰にもわからない・・・。

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