次元交錯線の乱れたどこぞとしれない空間に『彼』と彼らは居た。
『よくぞ、ここまで来た。まさに貴様らこそ私が求めた運命変動因子集合体だ』
「お前は、一体・・・何者なんだ!?」
仮面の男に対し、帽子を被った学ランの男は問いかける。
『ジョースター家の物か・・・彼の日記に私のことが書いてあったと思うが?』
「何!?というとテメエがDIOに天国の行き方を教えた、『ユーゼス・ゴッツォ』・・・!?」
『そうだ、それは私だ。彼も私と同じく因果の鎖から逃れようとした同士だからな。私の数少ない友人でもある』
「ユーゼスと言うと、古代文明アルハザードで人造人間を始めとした多くの技術を開発した・・・!」
白い衣に不屈の闘志を持った少女は親友と共に調べ結果得た知識から、その名を思い出す。
『そうだ。その技術が発掘され、貴様らの知るプロジェクトF.A.T.Eを生み出した。もっともネフェシュ・・・すなわち魂関係の記述が失われておりプレシアは、蘇生に失敗したようだがな。スカリエッティが用意した複製人間もそれを再現することが出来なかった欠陥品に過ぎん』
「ユーゼス・・・その名はご先祖様の手記にあったわね」
赤き衣を身にまとった主従の主である宝石の末裔は疑念を発する。
『遠坂の末裔か・・・。そうだ、私がユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン、遠坂永人そしてマキリ・ゾォルケンらにクロスゲートの理論の基礎的なモノを提供し、大聖杯を作り上げたのだ。完成さえすれば、その正負に関わらず聖杯はクロスゲートとなったのだが・・・あれは破壊されてしまったからな。もっとも残骸のマイナスエネルギーは回収させてもらったがね』
「アシュ様はコスモプロセッサを作るに当たって、ある装置を参考にしたことがある・・・」
蛍魔は、伴侶の腕を抱きながら驚愕する。
『そうだ、彼に未完成クロスゲートパラダイムシステムを提供したのも私だ』
「他にも世界各地のテロ組織にオーバーテクノロジーの兵器の販売経路を辿っていく内にユーゼスの名前に辿り着いたわ」
『彼らの理念にはこれっぽっちも共感はしなかったが、人類の中から貴様らのような存在を表舞台に引きずり出す混沌を起こすことは出来た。ゴミみたいな連中ではあったがその点だけは感謝と言う感情が持てるな』
「それだけじゃない!亡国機業の構成員にお前の名前があった!!」
機械の鎧を纏った少年少女は義憤と共に怒りを発する。
『ああ、あそこか。あそこは、ISを世界に広めるのに役立った。この様々な因子が交じり合った世界の性か、篠ノ之束のコミュ障が治ってしまった。だからミサイルによりテロを起こそうとした彼らは事象を修正するのに役立った。結果、世界の主力からミサイルは外れ、人と人との闘争が増えた』
「何故このようなことを・・・貴方は世界に革新的な技術を提供してきた技術者なのに!!」
『私は、ただ人間の愚かさで終焉を待たずして自滅などして欲しくなかっただけだ。もっとも核融合技術により中東やオイルマネーは崩壊し、核反応暴走抑制装置ニュートロンジャマーが原因で極東に戦乱が起きた・・・それらは私にとっては好都合であったがね』
「まさか・・・魔法世界の崩壊も貴方が?」
英雄を父に持つ少年は、コレまでの流れからと自身の子孫から得た疑念をぶつける。
『それは私ではない。ただ、どちらに転んでも私にとっては都合の良いことだがね。星間戦争による混乱も時間改変による次元交錯線の乱れもな』
「・・・全ては、貴様が仕組んだことだったのか・・・!」
『フッ・・・私にそこまでに力はない。ただ、必要最小限の干渉で最大限の効果を生み出そうとしたまでだ。私の目の前にある結果はあくまでもお前達の意志がつくり出したものなのだよ』
「・・・お前は私たちを運命変動因子集合体と呼び、それらを見出すために戦乱を起こした。何を企んでいる?」
『世界を救うため・・・と言ったら君たちは信じるかね?』
「世界を救う?はっ!たちの悪い冗談だな。これだけの悪行を重ねておいて何が世界を救うだ!!」
「そうよ!みんなを散々不幸にして・・・周りの人々を救うことが出来ない奴が世界を救うことなんて出切る訳ないわ!」
彼らは、彼を否定する。それが彼らの信念であり信じて進んできた道だからだ。
『勘違いするな・・・。人間も世界の一部、だが人間そのものが世界ではない。この宇宙に存在する全ての命と大地が世界なのだ。にも関わらず環境を破壊してきたのは貴様ら人類であろう』
「っ!?それは・・・」
『現に見よ。本来なら宇宙に進出することにより膨大な資源を得る事で繁栄を謳歌できるはずが、自らの享楽により星を汚し、宇宙への足がかりすら碌に出来ていない。そのような愚か者は絶対者に管理されるべきではないかね?』
「それがお前だと言うのか・・・」
「へっ、本性を現したな。結局はテメエが世界を支配したいだけだろうが!」
『支配欲か・・・人間の独自の欲ではあるが、私にとっては別の欲が強いな』
「別の欲だと?」
『そう、私の欲・・・それは美しいもの、そして未知の可能性への欲望だ』
「何・・・?」
『さあ、無駄話をここまでにしよう。貴様らが絶対運命を乗り越えることが出来る存在かどうか、最後の審判を下すのは・・・』
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「それも私だぁぁぁぁぁぁ!!!」
突如叫びを上げた彼に回りは目を見張った。そこは大きな黒板、多くの椅子と机、そして生徒と先生が居た。要するに学校の教室である。
「・・・・夢、か?」
「・・・後藤」
奇声を上げた彼に年配の男性、すなわち教師が話しかけた。
「廊下に立ってなさい」
「・・・・・・・・・・・はい」
駒王学園、そこは元々女子高だったが現在は共学である。彼は、二年生として在学している。そして授業が終わり、彼は教室でクラスメイトと話していた。
「おいおい、授業中に居眠りなんてどうしたんだよ、後藤」
「そうだな、夜遅くまでエロビデオでも見てたのか?」
丸刈り頭の男子生徒松田と眼鏡を掛けた男子生徒元浜の二人は彼、『後藤勇樹』に話しかけた。ただし内容は卑猥。
「・・・貴様らではあるまいし、そもそも僕のキャラじゃないだろう」
「そうだぞ、後藤はどちらかと言うと俺の仲間だからな!オッパイこそが至高なんだ!!」
勇樹を弁護?したの兵藤一誠。彼はイッセーとも呼ばれており後藤勇樹が彼のクラスに転校してきたときに始めて出来た友人である。
「違うわ、戯け!!注文していた特撮DVDが届いたからの視聴していただけだ!というか、イッセー、貴様は彼女が出来たとかほざいていたのに、なぜ公衆の面前でエロトークをしているのだ!?」
「それはそれ。これはこれ。と言うわけで俺がオッパイと叫んでも何処も可笑しくは無いな」
「そうだな、可笑しくはないな。」
「おかしいことだらけだ、このエロボケ三人衆が!!」
こんな感じで彼、後藤勇樹の日常は、過ぎていく。ちなみに友人がこんな奴らだから女性陣に対する心象が悪いと普通は思われるが意外とそうでもない。なぜなら、クラスメイトの反応は以下の通りだ。
「あいつ萌えより燃え派の人間だからな」
「というよりツッコミ役?」
「常識的な苦労人だから、あの三人の奇行を止めてくれる得がたい人」
「でも意外と天然」
と言った物だった。彼が転校してから数週間が経っていた。新しい友人もできたし、今の生活にもすっかり慣れた。
彼らは日常を生きていた。
(ッ!・・・これは)
彼の脳裏にイメージが投影されたそれは住宅街に接近する怪獣の姿だった。それを認識した瞬間、勇樹の体から光が放たれて教室内に光が満ちた。
「これで記憶操作は完了か・・・何度やっても気分の良くないものだな。では、行くとするか」
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異星人が地球に侵略を始めた日からしばらくして地球に怪獣や異星人が現れるようになった。当初は、人類は宇宙船の残骸を巡って反目し合っていたが二度目の怪獣被害が起きたのを切っ掛けに国際防衛組織を結成した。防衛組織の本部は先進国でありながら宇宙船やロボットの残骸を多数確保した日本に置かれた。また、ウルトラマンという存在が確認されたことから縁起を担ぐ意味からも選ばれたのである。
だが・・・。
≪くそ!全く歯が立たないじゃないか!≫
宇宙船の残骸から武器を取り出し戦車に搭載した防衛軍。しかし、それは怪獣に有効打を与えることは出来なかった。
今回登場した怪獣は古代怪獣レギーラ、マッハ2.5の速度で飛行し、外皮の特性からレーダーに探知されない。戦闘機も迎撃するが現状では戦闘機に怪獣に有効打を与えることをできる兵器は搭載できず、戦車もレギーラを捕捉しきれていない状況だ。
「あきらめるな!これ以上奴に好き勝手させるわけにはいかん!!」
≪隊長、無理ですよ。ウルトラマンに任せましょうよ・・・≫
「馬鹿野郎!俺たちが力の限り戦わなければ、ウルトラマンが来るわけないだろうが!」
子供のころ彼らの活躍をブラウン管で見ていた隊長は弱気になった部下を一喝する。
「戦闘機隊は、奴の羽の付け根を集中攻撃だ。奴を地上に叩き落とし戦車隊で殲滅する!」
彼の号令で防衛隊は動き出す。戦闘機隊がレギーラの後方に張り付く。レギーレも振り切ろうとするがそれでも噛り付く。
≪目標、視認。これより攻撃を開始する≫
レギーラの外皮は電波を吸収する性質を持つ、だからレーダーで捉えることは出来ない。戦闘機隊は赤外線感知型ミサイルや機銃で応戦する。それに怯んだのか怪獣は地面に着地する。
「よし、今だ!全車、攻撃開始!」
戦車から稲妻状の光線が放たれる。UFOに搭載されていた武器だ。
しかし・・・。
≪隊長、怪獣への効果小!?このままでは!!≫
「くそ!UFOの光線砲でも歯が立たないというのか!」
光線砲は、対空対地用の兵器だった。怪獣などを相手するにはむしろロボットの方が適していた。だが、異星人のロボットは技術解析のためねじの一本までに分解されていた。
そして、レギーラは、両腕の羽を羽ばたかせ、衝撃波を戦車隊に浴びせた。それにより木の葉のごとく戦車隊を飛ばした。いや、戦車隊だけではなく周囲の建造物までもが吹き飛ばされていた。
絶体絶命かと思われた、その時光が現れた。
「あれは、ウルトラマン!来てくれたのか!」
そこにはかつて異星人の侵略を撃退した黒銀のウルトラマンがいた。
そのウルトラマンは、ダークザギをベースに超神ゼストの機能を組み込んだ新たなウルトラマンだった。
ウルトラマンは、両手に光球を持っていた。そして、光球を下すと、光球の光が小さくなっていった。
「あれは・・・吹き飛ばされた戦車隊じゃないか!?」
ウルトラマンは、吹き飛ばされた戦車隊を回収し、救助したのだ。そしてレギーラに振り向き、相対する。
『デュァッ!』
ウルトラマンはレギーラに向かって攻撃する。それを向かい打つために光線を放つレギーラ。だが黒いウルトラマンの防御力はゼストのソレに比べ、劣化しているとはいえ強固なシールドによって防御されている。ちなみに現時点の防御力はATフィールド+イナーシャルキャンセラーと同等くらいである。
『ゼェァ!』
ウルトラマンは、レギーラを殴った。レギーラは後ろに押し出され怯んだ。ゼストは、好機とみて追撃しようとするが。
『キュァァァ!!』
レギーラは再び衝撃波を放った。
『ヴゥオァ!?』
さすがのウルトラマンも吹き飛ばされた。ダメージこそ受けてはいないが、吹き飛ばされた影響で体制を崩してしまう。そして体制を崩したレギーラは、黒い巨人に向かって光線を放つ。この光線は攻撃のために放たれたのではない。
『ジュァ!?』
巨人の体に光線が絡み付き、拘束した。そして動きを封じられたウルトラマンに向かってレギーラは攻撃をは放つ。ダメージこそないがエネルギーがどんどん減少していく。
「各機、ウルトラマンを援護しろ!」
戦闘機隊がレギーラに向かって攻撃を放つ。その衝撃で黒銀の巨人への拘束は解かれる。そして、ウルトラマンはテレポートでレギーラの後ろに回った。そして、彼は放つ。
『ウォァア!!』
この技のベースとなったのはザギインフェルノ、ゼットンの火球と同じ一兆度の火炎を腕に纏い敵に打ち出す攻撃である。
『キュアァァァッァァッァァァ!!』
レギーラは、背後からザギインフェルノの直撃を受け、倒れ伏し爆散した。そして、それを確認したウルトラマンは飛翔し去って行った。防衛隊は礼を言いながら見送った。
「隊長」
「・・・なんだ?」
防衛隊の隊長に部下が話しかけた。
「ウルトラマンの反応をロストしました」
「そうか、今回も駄目だったか」
その報告を聞くと隊長は再びウルトラマンが飛び立った空を見上げた。
「・・・あのウルトラマンは一体誰なんだろうな。俺たちが熱心に渇望するあの巨人は・・・」
「とりあえず名前を付けてみません?」
「名前だって?」
「ええ、私たちが熱心に渇望する巨人。・・・Ultraman that we desire with zest.ウルトラマンデザイアとかどうです?」
「それだとマイナスイメージが強いだろうが、それならZEST(熱意)の方が良いだろうが」
「つまり、ウルトラマンゼストですか」
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怪獣も撃退され再び平穏が戻ってきた。だが彼は知らなかった。世界の裏側で語られぬ者たちが覇権を争っていることを・・・。そして龍を宿した少年がそれに巻き込まれることを・・・
彼は悪魔と龍に邂逅する。この出会いが何をもたらすのか、それはまだ誰もわからない・・・。