初めてのキスは…   作:kouga

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これが日常

 

 

 

「あーあ…」

 

「はぁ…」

 

 

((めんどくせ…/めんどくさ…))

 

 

「あ?」

 

「ん?」

 

 

((うわぁー…この人…))

 

 

「苦労してんなぁ〜…/苦労してるな〜」

 

「「???――――――ん??」」

 

 

これは、天才たちの恋愛頭脳戦などではない。

 

 

(さっきの人…かぐや様を見ていた不審者…ではなく…外部入学生の友達…)

 

(さっきのが…あの女の実子にあたり、現在の四宮かぐやの近侍(ヴァレット)…)

 

「「…はぁ〜…可哀想…」」

 

 

1人のスパイと1人のヴァレットが―――恋に落ちる物語。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「はぁ〜…」

 

 

男の名前は―――一条緋色(いちじょうひいろ)。

幼き頃より、軍事訓練を施され、数々のミッションをこなし、数々の気持ちを踏みにじり、色々やってきた男!

 

なのだが

 

 

「この学園に潜り込んで…早1年…あの二人が近づいて早半年…その間…!」

 

 

何もなかった!!!

流石は天才。恋愛は好きになった方が負け。どっかのクソ真面目生徒会長が言っていた通り!あの二人が徐々に徐々に距離を詰めている事など余程鈍感出ない限り、親密なもの達なら誰でも!誰でも分かった!!!!

それなのに、この半年間…進展は―――ゼロ!!!!!

 

 

「おかしいだろぉぉっ!?!?!」

 

 

その結果この始末である。この男…白銀御行を利用し四宮かぐや、いや、ゆくゆくは四宮全てを潰そうと考えている。ある危ない人達に雇われ、死にものぐるいでこの場にありついた。

それなのに、野放しにしたとたん!この惨状!!!!

 

 

「思春期のガキだろ!?!過ちの一つや二つや、三つ四つ起こすだろ!?!何で健全?!何で童帝?!何で処〇?!?!」

 

 

気がおかしくなりそうだった。少なくとも、自分の生きてきた環境では、もうS〇Xは愚か、普通にやらかしててもおかしくない年頃!そこに付けこもうと、とりあえず様子見をしていたこの半年間…全てが無駄!

それもそのはず、ここは天下の秀知院学園。天才達が集まる、高校きっての超エリート校。その生徒会長と生徒会副会長ともなれば、生徒の模範となるべく、行動に尊く、清く、美しさが出るのは間違いない!

それでも、それを差し引いても!高校生!!間違いが起こらない事なんて、ありえない。

 

 

「何で…何で…!」

 

「あれ〜一条君、どうしたんですかぁ〜??」

 

「……ふぅ…ありがとう。千花ちゃん…君はバカだ。」

 

「唐突にディスたられたぁ?!?」

 

「君を見てると…如何に自分がまともなのかを痛感できる…!」

 

「なんでそんなに感慨深く言うんですか!」

 

「そうだよなぁ…君は…そのアホリボンに賢さを奪われたんだっけ…」

 

「そんな寄生虫設定はないんですけど!!!」

 

 

彼女の名は藤原千花。この秀知院学園生徒会における書記である。見た目のアホさは置いておいて、普通に優秀だ。その上、人に寄り添い、力になって上げることが出来る非常に優秀な人材である。だが、そんな優秀な人材を差し置いて天才達(?)は今な高度な駆け引きをしている。

 

 

「もう!馬鹿な事言ってないで、さっさと生徒会室行きますよ。」

 

「?生徒会でもない俺が生徒会室に行く義務はあるのか?」

 

「!?何言ってるんですか?!」

 

「……」

 

「あのポンコツ生徒会長はあなたのお昼のコーヒーを飲まないと稼働停止に追い込まれるポンコツなんですよ!?それを見殺しにする何て!薄情者!ボケナス!!鬼畜野郎!!!」

 

「うん…言い過ぎ…謝れこの糞リボン」

 

「へ?何か言いました??」

 

「とりあえず…かぐやちゃんの気持ちが分かったよ…」

 

「人の気持ちとか理解出来たんですね、犯罪者顔のくせに」

 

「だ、れ、が!…犯罪者顔なんだ?!」

 

「いやいや、一条君しかいませんよ」

 

「んだと…この…!!!」

 

「へいへいへーい!ナーニ楽しそうなことしてんの?―――私も混ぜてよ」

 

 

藤原千花の売り言葉に買い言葉とはよく言ったものだ。乗せられてついつい口論を繰り広げてしまう。その僅かな会話の中でより一層のヒートアップしてしまう。こんなの、スパイとして失格…などと考えることすらなくシンプルにお互いの不満点を上げていくとそこにある女が現れる。

熱くなっていた気持ちが急に冷えて、一瞬で自分をクールで冷静な者へと戻してくれる。そう、今でこそ、ギャルっぽくて俗っぽい彼女こそ…四宮かぐやの近侍(ヴァレット)早坂愛だった。

 

 

「あ、早坂さん!ちょうど良かった!今から生徒会室でお昼なんです!!一緒にいきませんか!」

 

「えー、それって〜私も混ざっていい系なの〜?」

 

「構わんだろ…俺もいる…それと―――それ俺の前ではやめろ気持ち悪い…」

 

「まじ?!ラッキー!じゃあ!お言葉に甘えさせて貰うね!それと―――誰も貴方の為にやっている訳ではありません。勘違いするなよ下半身脳ミソ…!」

 

「ん〜???ま、いいやぁー!行っきましょう!!!」

 

「こっち見んな…」

 

「そちらこそ下半身ビンビンの視線は控えて下さい。」

 

「ぬかせ…俺はボンキュッボンのお姉さんが最低ハードルだ」

 

「残念ながら、将来的に有望なので…無理。と答えるしかないかと…」

 

「何が、ボンキュッボンだ…今のお前は…」

 

「藤原さん……!」

 

「うぇ?!」

 

「こ、怖いよ…緋色君…私のこと…―――性的な目で見てくる!!」

 

「……へ…?」

 

「一条君…幻滅しました…」

 

「ちょっ、ちょっと待て!俺は…!!!」

 

「うぇーん!」

 

「…女の、敵?!」

 

(もう嫌だ!詐欺師に馬鹿にペテン師!ろくな奴らがいない!)

 

 

 

生徒会室に向かう最中。悲劇は唐突に起きるもの。そして、俺を取り囲むもの達が可愛い子ならなおのこと。俺に勝ち筋などない。

 

 

「万事…休すか…」

 

「そんなもの貰っても!返せるもがなぁい!!!」

 

「タコさんウィンナーでいいのにぃぃぃっ!!!」

 

「あ、居た。俺よりも頭がいいのに…俺よりも馬鹿なヤツらが」

 

「てっ!あ、会長!?私のお昼はぁ?!!」

 

「かぐや様こちらの最高高級ウィンナーを…」

 

「そんな気分じゃない……」

 

 

突如として開いた生徒会室の扉。そこから飛び出してくる現生徒会長にして、俺の親友の白銀御行。遅れて、膝をつきながらただただ手を伸ばし逃げゆく御行に何も出来ない生徒会副会長の四宮かぐや。これは、そんなポンコツ2人を見守った。

 

 

「はぁ…」

 

「はぁ…」

 

「「休暇が…ほしい…」」

 

 

親友たちの恋愛物語である。

 

 

 

 

 

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