転生したので、偽マキマさんはデンジ君を推します   作:フィークス2号

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25話 支配VS暴力団

 

 

 

 

 荒井の活躍を皮切りに、その勢いのまま10階を制圧した特異課。彼らは11階攻略に備えて休憩をしていた。

 

 「荒井君お疲れー。お手柄だったね!」

 

 「ひ、姫野先輩……ありがとうございます。」

 

 「相変わらず肩に力入ってるねぇ……。活躍したんだし、もっと威張ってもいいと思うんだけどなぁ。」

 

 休んでいた荒井に対して、姫野が声をかける。

 

 「手柄と言っても、悪魔の能力ありきの成果ですし、自分の実力とは思えなくて。」

 

 「いやいや荒井君。筋肉の方は割と使える職員多いけどさ、この短期間で暴力の方まで使いこなせてるのは君くらいなんだから、もっと胸張っていいって。

 それに悪魔の力だって、使いこなせてるなら自分の力だよ。」

 

 実際姫野の言う通り、比較的弱い筋肉の悪魔の力は扱いやすいが、強力すぎる暴力の悪魔の力はそうはいかなかった。

 暴力の悪魔はその強すぎる力から、肉体への負荷が重く、まず筋肉の悪魔で肉体を強化する必要がある。しかし、元々の筋力が足りないと、筋肉の悪魔の力で強化しても、負荷に耐えきれないのだ。

 また暴力の悪魔の力は、精神にも影響を及ぼす性質があった。そしてそのまま凶暴化して暴れ回ってしまうものもいた。

 そのことから現在、暴力の悪魔を使うには肉体的な強さと、自らを律するのことのできる精神的な強さ。この二つが求められていた。

 これらの厳しい条件をクリアした者の中で、最もその力を有効的に使えた職員。それが荒井であった。

 

 「そ、そうですかね?」

 

 「そうだよそうだよ、だから荒井君もドーンと胸張ってればいいんだよ。」

 

 悩んでいた荒井は姫野の言葉で、少し元気を取り戻した。荒井は落ち込んでいた自分に声を掛け、励ましてくれた姫野にお礼の言葉を言おうとした。

 ……その時だった。

 

 バリィィン!

 

 上の階からデンジとサムライソードが吹っ飛び、地面に向かって落ちていく光景が窓ガラスに映ったのは。

 

 「な!?」

 

 「ちょ!?」

 

 突然の光景に、姫野と荒井の2人はフリーズする。

 デンジとパワーの2人は、今回の任務で悪魔や魔人からなる人外職員チームと行動を共にすることとなっていた。2人はまだ特異4課に配属されてから日が浅く、他の職員との連携に難があると判断されたからだ。人外職員からなるチームでは、一人一人のスペックが高いためにそもそも連携をしなくても高い成果を出せる為、デンジ達の能力を活かすのに最適と判断されたのだ。

 その為、デンジとパワーとは一時的に早川達と別行動を取っていたのだが、そのデンジがサムライソードに襲われながら落ちる光景を見て、2人は思わず焦ってしまったのだ。

 

 「デ、デンジの奴が!?ヤバいですよ姫野先輩!」

 

 「と、取り敢えずマキちゃんに連絡しないと!」

 

 姫野はトランシーバーを取り出してマキマと連絡を取ろうとする。

 ……その時だった。

 

 ドゴォ!

 

 地上から吹っ飛ばされたマキマが、他のビルに激突する姿が、特異課の2人の目に写ったのは。

 

 「ちょ、ええええええ!?」

 

 「ま、マキちゃあああぁぁぁん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 痛い痛い痛い痛い!?なんだこの悪魔の力は!?相当強いぞ!?

 地上で闘ってるうちに、思いっきり吹き飛ばされてビルにめり込んでしまった……。ここは……うん、みんなが突入してるビルじゃないな。

 ヤバい。神奈川県警の皆さんとも、特異課のみんなとも、岸辺先生とさえも離れてしまった。

 何かあっても岸辺先生さえいればなんとかなる気がしてたけど、これじゃあ負けたら最悪死ぬかもしれない……。てか組長、どうやって私を吹っ飛ばしたんだ?

 

 私は目を凝らして、暴力団の悪魔と契約した組長を探す。組長は警察の包囲をとんでもないジャンプで抜け出し、向かいのビルの屋上に着陸した。そして組長は右手に持ったハンドガンをこちらに向けて、発砲した。

 

 「な!?」

 

 私は咄嗟に鎖を出し、マーベルのクモのヒーローのように他の建物に引っ掛けて巧みに操り、その場から逃げ出した。

 

 ドガァァァ!

 

 そして私がさっきまでいたビルは、組長の撃った弾により思い切り吹き飛んだ。

 

 あ……危なっ!?ビーム君を喜ばせる為に身につけた、チェンソーマン式移動法を習得していなければ、直撃してたかもしれない。いや、さっき食らって吹き飛ばされたのはあれか!あのハンドガンの攻撃か!いやハンドガンレベルであの火力どう考えてもおかしいよね!?

 私は鎖をスイングしながら移動して、異常なまでに攻撃力のあるハンドガンについて考えた。

 

 「くっ!まさか……銃の肉片を食わせたのか!?」

 

 「は!御明察だな嬢ちゃん。そうだ!俺は沢渡から渡された銃の肉片を全部食わせたのさ!この暴力団の悪魔になぁ!」

 

 組長は鎖で移動する私に対して、次々と銃を撃ちながら言った。

 そしてその銃弾がどんどん周りの建物をぶっ壊していく。周りの住人避難させててよかったぁ……。

 

 しかし銃の悪魔の肉片かぁ……原作だと1キロぐらい持ってたな。もしそれを全部食わせてたら厄介だ。

 原作の公安は銃の悪魔の肉片を5キロしか集めておらず、描写されている範囲で、出てくる悪魔が食べた肉片の量は銃弾数発分ほどだった。

 それを1キロ以上……こんな時にこそ岸辺先生に縋りたい。

 私がそんなことを考えていると、組長が私に向けて自信満々に言った。

 

 「俺が暴力団の悪魔に食わせた肉片の量を知りたいか?ん〜?

 11.3キログラム。それが俺が食わせた銃の悪魔の肉片の量だ!」

 

 多い!?原作の公安が集めた量を超えてるじゃん!私は恐怖のあまりに青ざめた。

 このまま逃げてばかりじゃ埒が明かない。私は被弾覚悟で組長に向かって行った。

 

 「はぁ〜。この数字がハッタリだと思ったのか?

 これだから無学で馬鹿なデビルハンターは……。死ねぇ!」

 

 そう言うと組長は怒涛の勢いで銃を乱射した。次々と放たれる弾が私に掠るが、私は構わずそのまま向かって行った。

 30m……20m……10m……。着々と私は組長へと近づいていく。そしてついに私は組長に確実に攻撃を当てられる距離にまで近づき、鎖を使って大きく飛び上がった。

 

 「馬鹿が!俺があえて弾を外してたのに気づかなかったのか!?この時を待っていたんだよ!刺し殺してやるぜ!」

 

 組長は右手のハンドガンを後ろに向けて放ち、その反動で私に向かってドスを構えて飛んだ。

 私はそれに対して、両手で指鉄砲を作り組長に向けて構えた。

 

 「バァァン!」

 

 「ガハァ!」

 

 私の銃の悪魔の銃撃をもろに喰らった上に、かなりのスピードで私に突っ込んでいた組長は大ダメージを受けてビルの屋上に叩きつけられる。

 

 「こ……この力は……銃!?」

 

 組長は私が銃の力を使うことを想定していなかったようで困惑している。

 

 「近づいて来た所を、そのドスで突き殺す……。そんな企みぐらい予想できますよ。

 私を近づく前に殺したいなら、私じゃなくて鎖を狙って落とせばいい。

 それをしなかったということは、近づいて来た所をなんらかの方法で確実に殺そうとしていた。

 あなたは確かに物事を考えられるほど賢い、しかし他人もまた物事について考えていることにまで意識が回らなかった。

 自分だけが賢く力があるのだと慢心し、他者を見下し続けた。それがあなたの敗因です。」

 

 私は返り討ちにした組長に向けて言う。

 

 「クソ……クソ……クソ!テメェも……悪魔に銃の肉片を食わせてやがったのか?

 11キロだぞ……11キロも食わせたんだぞ!?」

 

 「11キロ……確かに一纏めに相手にするのは恐ろしい数字です。でも……私たち公安が集めた肉片は、現時点で128.36キログラム。貴方が棚ぼたで手に入れた肉片如きでは、私たちの努力には決して及びません。」

 

 「ひゃ……ひゃく……!?」

 

 私は組長の心を折るために、私たち公安が集めた成果の集大成を伝える。

 ふっふっふっ!どうだ!原作の公安が集めた量の24倍近くの量だぞ!

 これは支配の悪魔の持つ情報チート能力を駆使して、全国を飛び回って地方公安と協力したからこその成果だ。

 原作の真マキマさんは、公安での仕事よりも暗躍の方を重視していたのか、そこまで肉片集めを頑張っていなかったっぽい。

 だが私は違う!真マキマさんほどの実力はなくとも、デンジ君を探す為に全力で情報収集を行いつつ、しっかりと仕事もこなして地方公安の皆様とも仲良くしていた!

 その結果、情報共有したり共闘したりでどんどん肉片が集まり、支配の力で扱える銃の力も凄いことになったのだ!

 

 「どうします?投降するのが最も賢明な判断ですよ?私ならその悪魔との契約を破棄させて、貴方を生き残らせることができます。」

 

 私はもう一度組長に呼びかける。ここで組長が屈服してくれれば、私の能力で暴力団の悪魔を支配できるだろう。

 

 「……けっ。信じるかよ!」

 

 組長は立ち上がり、再び私に戦いを挑む。ここで諦めてくれれば話が早かったのに……。

 

 「それでは遠慮なく!」

 

 ジャキャン!バシィ!バシィ!

 

 私は両腕から鎖を何本も出して、鞭の要領で組長に振るう!振るう!振るう!振るう!右と左で交互に振るう!

 

 「ガッ!ギャッ!グフゥ!」

 

 そして私は鎖で組長を上に持ち上げ放り投げ、鎖で拘束しながら銃の力をぶっ放す!

 

 「バン!バン!バン!」

 

 組長はどんどん宙に浮き、その後私は鎖を組長ごと引っ張り落下させる。

 そして私は落下する組長に全力でアッパーカットを叩き込んだ!

 

 「ガアアァァァァアア!」

 

 落下の勢いに私の全力アッパーカットが加わり、鎖を縮めているから上に吹っ飛ぶことでその衝撃を逃すことができず、組長は気絶した。

 

 ……よし、勝った!組長+暴力団の悪魔<私の構図が完成した!これで暴力団の悪魔を支配できる!

 私は暴力団の悪魔である組長に引っ付いた入れ墨を支配して引っぺがし、2人の間にある契約を破棄させた。

 これで主犯の1人である組長を生きたまま捕えることができた。後は沢渡アカネとサムライソードの2人だ……。デンジ君は大丈夫かな、特異課のみんなも無事かな?

 私はデンジ君の元に向かいたかったが……沢渡アカネが口封じで殺されるのを防ぐために、私はビルに向かった。

 

 

 

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