転生したので、偽マキマさんはデンジ君を推します   作:フィークス2号

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31話 DATEST!

 

 

 

 「マキマさんお待たせしました〜……て、なんか雰囲気が違うような……。着替えましたか?」

 

 トイレから帰ってきたデンジ君が、私の新しい服に言及する。

 

 「うん!ちょっと悪魔が現れてさ……その悪魔を倒して服とか汚れちゃったから、替えの服を用意してもらったんだ!」

 

 「そうだったんすかマキマさん。新しい服もメッチャ可愛いっすね!」

 

 「!!!……ありがとうデンジ君!」

 

 新しい服もデンジ君に褒められた!いや〜悪魔を倒した甲斐があった!

 

 「そうだ!デンジ君も帰りにここで服とか買ってみない?いろんな服があって、デンジ君にも似合う服も結構あるはずだよ!」

 

 「服っすか?俺ぁ着れれば別になんでもいいっすけど……。」

 

 「デンジ君はあまり服には興味ないタイプなのか……。まぁ、帰りにお土産を買うときに余裕があったら考えてみよっか。」

 

 私はデンジ君がオシャレしてる姿も見たかったが、デンジ君が気乗りしてないのでこの話は後にする。

 

 「それじゃあ気を取り直して、遊園地のデートを再開しよっか!

 さっき悪魔が出た関係で遊べるエリアは減っちゃったけど、その分他の客は怖がって帰ってるだろうし、さっきよりも人が少ないはずだよ」

 

 「え?マジで?そりゃいいっすね!」

 

 「うん!それじゃあ行こっか!」

 

 

 

 そして私の読み通り、遊園地は昼前よりも凄くすいていた。

 本来のデートプランで行くはずだったエリアのアトラクションは遊べなかったけど、十分お釣りが来るくらいに遊びまわることができた。

 しかし悪魔が出たというのにも関わらず、ここのスタッフはみんな休むことなく仕事をしていて偉いなと思う。

 まぁ私がすぐ倒したから死者も出てないし、軽傷者ばかりだったから、別のエリアのスタッフは雑魚悪魔が紛れ込んだ程度に思ってるのかもしれない。

 

 そして私たちは存分に遊園地を堪能して、ついにお土産の時間となった。

 

 「お土産か〜。別にポップコーンの残りでもいいんじゃないっすかマキマさん?」

 

 「ポップコーンだと帰りに湿気っちゃうし、帰りながら食べられないからやめておいた方がいいよ?

 それに今回はデビリーの人がお土産はタダでくれるって言ってたし、どうせなら自分用のお土産含めて貰った方がお得だと思うよ。」

 

 「自分用のお土産!マキマさんあったまいい〜!そーか、その手があったか!

 よーし俺用に沢山お土産買って、余ったやつをパワーとかアキにやりゃ最強だな!」

 

 自分用のお土産という言葉を聞いて、デンジ君はお土産選びに乗り気になったようだ。

 

 「どうせなら他の4課のお土産も買ってあげなよ。きっと喜ぶよ!」

 

 「あー、姫野のは酒で荒井は……俳句好きって言ってたし和風っぽいのでいいのか?コベニはとりあえず菓子やっときゃいいだろ。

 デケェやつとそうじゃない方は……何がいいんだ?」

 

 「黒井さんと伏さんは甘いのは苦手じゃないし、コベニちゃんと一緒でお菓子でいいと思うよ。こういうお土産はお菓子が基本当たりだからね!

 まぁ岸辺先生は辛党だからお菓子よりもお酒の方がいいけど。」

 

 「からとう?辛いもんが好きなのかあの先生?」

 

 「お酒が好きな人のことを辛党って言うんだよ。」

 

 そんなふうに私たちは雑談しながら、沢山お土産を買った。

 タダでくれると言ってなきゃ、私のお財布もかなり軽くなる量だけど、一仕事したおかげで問題ない!

 そしてある程度沢山お菓子を買ったところで、私はデンジくんお着替え作戦を開始する。

 

 「デンジ君デンジ君、お土産にお菓子もいいけどさ。そんなに買っても賞味期限的に辛くない?」

 

 「でもタダなら買わねーと勿体無いし……俺酒とか年齢的に飲めねぇんで」

 

 「お土産はお菓子屋お酒だけじゃないんだしさ、どうせだったらオシャレな服も買ってみない?

 オシャレな服を着ると……メッチャかっこよくなるよ?」

 

 「かっこよく……買います!」

 

 よし!かっこよくなると言う言葉が響いたようで、デンジ君を乗り気にさせれたぞ!

 

 

 

 

 

 

 「と言うわけでドン!ワイルド風ファッションです!」

 

 「おー!いつものスーツとかよりも動きやすい!

 でも首のトゲトゲいてぇ……。それとズボンの穴が昔に戻ったみたいだ……」

 

 「ダメージジーンズはやめよっか!次!」

 

 

 

 「お次は探偵風ファッションです!理知的でカッコイイ!」

 

 「おーこれ手品探偵の服じゃん。パワーに買ったら喜びそー。」

 

 「パワーちゃんって手品探偵好きだったんだ……。それじゃあ、これはパワーちゃんのお土産にしよっか!」

 

 

 

 「ザ!和風!着物姿のデンジ君です!」

 

 「う、動きづり〜!」

 

 

 「お次はパイレーツ!ヨーホーヨーホー!」

 

 「マキマさん……俺で遊んでませんかぁ!?」

 

 「ご、ごめん!デンジ君のいろんな格好を見れるのが尊くて!」

 

 そんなこんなで帰りの際にはお土産を買ったり、デンジ君のコーディネートをして楽しんでから帰路に就いた。

 

 

 

 

 

 

 

 帰りの車でお互いにラジオで流れる曲を聞き流しながら、私たちは車でも楽しくおしゃべりしながら帰った。

 

 そういえば私がデンジ君と最初にあった時も、こうやってドライブしながら色々喋っていたことを思い出す。

 

 「マキマさん、今日はめっちゃ楽しかったっす!本当にありがとうございました!」

 

 デンジ君は何度目かの御礼を私に言ってくれた。こんなに喜んでくれて頑張った甲斐があったとしみじみ思う。

 

 「マキマさん……俺、実は悩んでたことがありまして。」

 

 「悩んで……た?過去形なの?」

 

 「ええ、この前ヤクザの刀ヤローと戦ったじゃないですか?

 そのときに言われたんす。

 『お前に限っては心がもう人じゃねえんだよ』って。

 でも……こんなに楽しく過ごせてイイ気分になれんなら、きっと人の心があるんだって思えるんですよ!」

 

 めっちゃデンジ君は楽しそうに、私に向けて言った。

 

 「……そっかぁ。デンジ君、もしもデンジくんに人の心がないとしてさ……そこにあるのは悪魔の心なのかな?」

 

 「……マキマさん?」

 

 「ちょっと気になってね。デンジ君はさ、自分にあるのが人の心じゃなくて、悪魔の心だったら嫌かな?」

 

 「悪魔の心?」

 

 そう私が尋ねると、デンジ君は考え込んだ。それから考えがまとまったのか、自分の考えを聞かせてくれた。

 

 「別に悪魔の心でも、よく考えてみれば問題ねえか!

 ポチタを飼ってたり、パワーと過ごしてて思ったんすけど、人も悪魔もそこまで心に違いがあるとは思えないんすよね。

 嫌なことあったら落ち込むし、イイことあったら喜ぶ。

 よーく考えてみりゃ、人の心がなくても悪魔の心があると思えば何の問題もないっすね!」

 

 「そっか……。デンジ君はそう思うんだ。」

 

 「ええ!……なぁマキマさん、ポチタで思い出したんすけど俺この前夢見たんすよ。

 その夢だと俺の目の前に扉があって、その扉の中にポチタがいるってわかって、俺はポチタがいる扉を開けようとするんす。

 でも、ポチタは『開けちゃダメだ』って言って、そこで目が覚めるんすよ。

 マキマさん……何でポチタは、俺が扉開けんのを止めるんだと思います?

 俺、最近色んな奴と出会って、仲良くなれねぇと思った奴ばっかだったんすけど……最近はあんまそうじゃなくなってきたんす。

 もしかしたらポチタもそれとは逆な感じで、俺のこと嫌いになったのかなって……多分ポチタはそんなこと思わないと思うんすけどね。」

 

 デンジ君は真剣に考えながら私に相談する。大切なポチタと夢の中で再会しようとしたら、なぜか扉を開けるなと止められたのだ。デンジ君としてもちょっと不安なのだろう。

 

 「……………………………。扉の向こうにポチタがいて、ポチタは扉を開けちゃダメって言ってるのか……。

 もしかしてポチタにもデンジ君に見せたくない何かがあるんじゃないかな?それで開けないでって頼んでるとか」

 

 私は本当は扉の向こうに何があるのが知っている。ポチタが開けて欲しくない理由も。だけど私はそこには触れずに、あえてぼかして話した。

 

 「何かって……なんすか?」

 

 「そりゃ秘密とかじゃない?ポチタにも多分知られたくない事とかあるんだと思うよ。

 私だって、知られたくない事とかあるしね。」

 

 「マキマさんにも秘密とかあるんすか?意外っすね。どんな秘密なんすか?」

 

 ……私は姫パイと話したことを思い出し、覚悟を決めた。

 

 「すごい秘密だよ……この秘密を話したのは長い付き合いの姫パイくらいしか居ない。

 だから……話すとしたらデンジ君が私が最初に秘密を話す男の子になるね」

 

 「え?」

 

 少し間を置いて、私は秘密を打ち明けた。

 

 

 

 「実は私……人間じゃないんだ。パワーちゃんみたいな魔人ともちょっとちがう。

 正真正銘の悪魔なんだ。」

 

 「………何で俺にその話をしてくれんすか?」

 

 「デンジ君が好きだからかな……私にとって、デンジ君は大切な存在なんだよ。

 過ごした時間は短いけどね。」

 

 私は赤信号で止まっている車内で、デンジ君に向けてとびきりの笑顔で言った。

 

 「だからデンジ君も安心して。私がデンジ君を大切に思っているように、ポチタも変わらず君のことを大切に思っているはずだから。

 この短い間で色んな人への感じ方が変わったかもしれない、でもどれだけのことがあっても変わらない思いはあるんだよ。君が今もポチタを大切に想い続けているようにね。」

 

 「マキマさん……。」

 

 デンジ君が私を見つめて言う。私は青に変わったことを確認してアクセルを踏みながら尋ねる。

 

 「ねぇ、デンジ君。私が悪魔だって聞いて、私のこと嫌いになった?」

 

 「う〜ん。いや?マキマさんみたいな超可愛い悪魔なら大歓迎っす!」

 

 「そっか……ありがとね、デンジ君。」

 

 私はデンジくんにお礼を言い、その後家まで送ったのだった。

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