転生したので、偽マキマさんはデンジ君を推します   作:フィークス2号

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36話 オペレーション・ブレイヴニューワールド(素晴らしい新世界)

 

 「さてと、そろそろ福田さんには連絡入れておこう。隊長の古野さんは今別件で訓練所にいないし……。」

 

 私はこれからレゼと戦闘となり、そのときの指揮官となる2課の副隊長、福田さんに連絡を入れる事にし、部屋にある備え付けの電話を手に取った。

 

 「もしもし?対魔2課の福田さんですか?」

 

 「あー、その声はマキマさんかぁ。その様子だと、そろそろ来る感じですか?その武器人間ちゃんが。」

 

 「ええ、その通りです。そっちの方にアキ君がいますよね?

 彼と天使君がデンジ君を連れて逃げられるよう、時間を稼いでください。

 それと輸血パックを渡してデンジ君が回復できるように。」

 

 「わかりましたよマキマさん……。ところでご質問なのですけれど、時間稼ぎの時にうっかり倒しちゃっても大丈夫ですか?

 4課の武器人間君にも経験を積ませたいという事でしたが。」

 

 「おや?結構余裕そうですね?秘策があるんですか?」

 

 「うーん、日々の訓練。それが秘策ですかね?」

 

 電話の向こうから、福田さんの自信の溢れる声が聞こえた。

 

 「それは頼もしい。ただ気をつけてください、対魔2課のダメージは古野さんと都知事さんとの契約で肩代わりできます、しかし痛みまでは軽減できませんので。」

 

 「確か全部マキマさんに行くんでしたっけ?それでそのダメージは永遠の悪魔の力で再生すると……。マキマさん、やっぱりあなたはデビルハンターに向いてますね。

 それじゃあマキマさんになるべく負担が掛からないよう、なるべく傷つかないように倒しますよ。

 そうそう、例の録音した演説。武器人間との戦いが始まったら流させて貰いますからね。」

 

 「うーん。いいけどそんなに重要かな?演説?」

 

 このレゼちゃん確保作戦を決めて、古野隊長と福田副隊長さんに話を通した時、福田さんから演説をしてほしいと頼まれたのだ。

 演説をするタイミングがないと言ったのだけど、『タイミングがないなら、戦ってる最中にBGM代わりに流すから録音してくれ』とよくわからない頼みを受けたのだ。

 

 「そりゃ重要ですよ。あのマキマの考えた作戦で活躍した!その事実で士気も上がると思いますよ?それに合コンで自慢できますし。」

 

 「合コン……好きだね福田さん。2課ってそういうところありますよね。アキ君の古巣なのに……」

 

 「アキなんてその際たる例でしょ!年上の女作ったって聞いてますよ?」

 

 「あははは。そう言われるとそうかもね。……それじゃあ福田さん、頑張ってね?」

 

 「ええ、頑張りますよ」

 

 「それじゃあ、オペレーション・ブレイヴニューワールド。開始」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 早川アキ達が2課の職員に呼び出されて下の階に降りた時、そこにはボロボロになったデンジとビームがいた。二人と話をしていると、一人の美少女が近づき、それと同時に訓練施設からアナウンスが流れた。

 

 「対魔2課全職員に告ぐ!こちらは副隊長の福田だ!現在、爆弾の武器人間が当施設に襲撃を試みている。歳若く可愛らしい女性の姿をしているが、爆弾の悪魔へと変身できる!十分に注意しろ!」

 

 そのアナウンスを聞いた野茂とアキは、目の前にいる美女。レゼを警戒した。

 

 「あーあ、この根回しの良さ……最初からバレてたわけか。性格悪っ。」

 

 「アキ、お仲間を連れて後ろに下がってろ。」

 

 「ありがとうございます、野茂さん。」

 

 「貸し1」

 

 アキは野茂にその場を任して、ビームとデンジ、天使を連れてその場を離れた。

 

 対峙するレゼと野茂。そしてアナウンスはそれに構わず言葉を続けた。

 

 「現在襲撃を仕掛けている武器人間は、前回特異課が戦闘をしたサムライソードを大きく上回る実力を持つことが想定される。

 全職員にはあらゆる悪魔、および銃火器類の使用を許可する。特異4課の武器人間、デンジを死ぬ気で守りきれ!

 なお、本作戦は事前から秘密裏に想定されていたものであり、諸君らの負う傷は悪魔の力で最終的に癒えるものである。臆することなく存分に戦って欲しい!」

 

 「事前に想定されていた……?傷が……癒える?わけわかんねぇな?」

 

 「この手際の良さ……あの女がガッツリ関わってるね」

 

 アナウンスの内容に野茂は理解が追いつかずに戸惑い、逆にレゼは何が起きているかを想定して毒を吐いた。

 

 「それでは最後に、本作戦の立案者のご演説をBGMに、仕事に取り掛かろうじゃないか。」

 

 そしてアナウンスは録音へと切り替わり、マキマの声が響いた。

 

 「あーなるほど。傷が癒えるって、マキマさんが肩代わりしてくれんのね……。こりゃあんまダメージ喰らうわけにはいかねえな……。

 ということでそこの美女ちゃん?俺は美人さんを傷つけたくないから、大人しく投降してくれるとありがたいんだが……。」

 

 それに対してレゼは無言で首のピンを抜いて、爆弾の悪魔へと変身することで、自らの意思を示した。

 

 「こりゃどう足掻いても美人を傷つける事になるか……。残念だ」

 

 「大丈夫、死ぬほど苦しむのはマキマ一人だからね!」

 

 そして、対魔2課と爆弾の武器人間、レゼとの戦いが始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「みなさん、対魔2課に所属するみなさん。急にこの作戦に巻き込んでしまい申し訳ございません。

 ですが、この作戦は必要な作戦だったのです。」

 

 19:42

 野茂が部下達にカビの悪魔で戦わせている間も、演説が流れる。

 

 「この作戦の相手は不死身の武器人間です……。この戦いはこの2課が相手をした敵の中で……いえ、特異4課が相手をした敵でさえもこれ以上に単体で強力な存在はいないでしょう。

 断言します、今回の敵は私が相手をした暴力団の悪魔およびその契約者、そして同組織に所属したサムライソードをはるかに上回る実力の持ち主です。」

 

 19:45

 対魔2課のデビルハンター、加藤と田辺がレゼの攻撃により吹っ飛ばされる。

 

 「そうです、圧倒的な戦力差があります。

 2課に所属するものとして、最も厳しい戦いが待っているという事実、それを否定する気はありません。

 本来相手をするのに相応しいのは俺たちじゃない、特異課の連中だ。そのように思う方達もいるでしょう。確かに事実です。

 それでも2課の皆さんには戦って欲しい。なぜならこの場で彼女を食い止めることができるものは、貴方方を除いて居ないからです!」

 

 19:47

 対魔2課の安藤マサキをはじめとする、新人の2課職員達がレゼに対して発砲。銃弾を直撃させる。

 

 「この作戦は現在の2課の実力よりも、高度なものを求めています…‥それでも、この作戦を終えた時、2課は生まれ変わっているはずです。

 新生した対魔2課として、さらに強力に、偉大な存在へと成長します。」

 

 19:47

 レゼの反撃により、銃撃を行っていた新人職員達が危機に陥るが、直前のところで野茂の狐の召喚が間に合い、新人達は撤退に成功する。

 

 「生まれ変わった対魔2課が生きる世界、それは今までよりも遥かに頼もしく、安全な世界となるはずです!」

 

 19:52

 野茂が追い詰められ、やられるその直前。副隊長の召喚した狐がレゼを喰らい、狐が消えた後に刀で追い討ちを仕掛ける。

 

 「その世界は人と人が安心して愛し合え、共に二人でより良き人生を送り、愛する子ども達と笑い合える世界。

 その世界は悪魔に怯えず、夢に逃避する必要もなく、正気のままに過ごすことのできる世界。

 その世界は人々がその豊かさを享受して、より新しいことに挑戦して、さらに世界をよくできる世界。

 その世界は古き良き文化や遺産が壊されることなく受け継がれ、守られていく世界。」

 

 19:55

 福田副隊長と野茂が連携して戦い時間を稼ぐ。

 同時刻、アキと天使はデンジ達を車に乗せて、その場から脱出することに成功する。

 

 「そんな素晴らしい世界になるはずです。

 ……オペレーション・ブレイヴニューワールド。どうか……ご健闘を」

 

 19:59

 レゼはデンジを逃したことを悟り、デンジ達を追いかけようとするが2課が猛攻を加えて、デンジが回復するまでの時間稼ぎに成功する。

 

 

 

 

 

 20:08

 レゼ、デンジたちを追跡を開始する。

 同時刻対魔2課、一時的に壊滅。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「あー、痛……。ガチで痛かった。ったく……副隊長さん。襲撃があるって知ってるなら教えてくれたっていいじゃないですか?」

 

 野茂はボロボロになった状態で、タバコに火をつけながら言う。

 マキマの能力で身体が再生されて死なないとはいえ、服は対象外のため、その戦闘の激しさが身体が治った後でも伺える。

 

 「わりーな。機密うんちゃらの関係で話しちゃいけなかったんだよ。……しっかし、派手にやられたなぁ。

 こんなに痛い思いをしたんだ、辞めちまう奴も出るだろうな。」

 

 「あー、そうですね。でも新人たちはそんなにダメージ食らってないんで、そいつらは案外残るかもしれませんよ?」

 

 「どうだろうなぁ?あのハイレベルの戦いを目撃して、日頃頼りにしてる副隊長である俺までこのザマだ。多分全員辞めてもおかしくないぜ?」

 

 「自分で頼れる副隊長を名乗るんですか?」

 

 「そんくらい自信家じゃなきゃ務まんねぇんだよ、野茂次期副隊長。そのことをしっかり覚えとけよ。

 それと合コンの件。忘れずにちゃーんと俺も連れてけ。」

 

 「へーい。……更衣室、無事だといいっすね。じゃないとこの格好で合コンはキツいでしょ?」

 

 マキマの力で生き残った野茂と福田副隊長は、お互いに軽口を叩きあった。




※読み飛ばしていただいても構いません。


 勝手に名前をつけさせていただいたキャラクター

 福田副隊長さん
 原作の該当人物 対魔2課の副隊長
 
 原作では名前が出ることなくやられてしまった、白髪で狐の悪魔と契約している2課の副隊長。
 
 本小説では事前に偽マキマさんからレゼについての連絡があり、狐の悪魔が武器人間を苦手としている情報もあったので、それを計算に入れて万全の対策ができ原作よりも良い戦果を残すことができた。

 名前の由来は副隊長なので、そこの副を元に福田。後から福田副隊長って読みにくいのでは?と反省。
 
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