転生したので、偽マキマさんはデンジ君を推します   作:フィークス2号

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世界の刺客編
38話 世界の刺客


 

 

 

 「というわけで公安対魔特異4課に新しく入ったレゼちゃんです!みなさん優しくしてあげてください!」

 

 「よろしく〜。」

 

 「いぇーい!これからよろしくなぁ!レゼ!」

 

 東京デビルハンター本部にある会議室で、対魔特異4課のみんなにレゼちゃんを紹介する。上層部のお偉いさんに話を通し終わり、ようやく正式にレゼちゃんの公安特異課への採用が決まったのだ。

 

 ノリノリで受け入れるデンジ君に、不安そうな顔をする月本さん、荒井くん、コベニちゃん。面白そうな顔を浮かべる姫パイに、興味深そうな顔をする伏さんと黒井さん。パワーちゃんは何故か偉そうにしてて、アキ君は無表情だ。

 公安対魔特異4課のメンバーの反応はやはりバラバラだ。特にレゼちゃんと軽く戦った荒井君とコベニちゃんが不安そうなのは仕方がないよね。

 そして荒井くんが恐る恐る口を開いて尋ねた。

 

 「あの……マキマさん。本当に失礼な質問なんですけど……大丈夫なんですか?」

 

 「うん大丈夫だよ!レゼちゃんと面談して、もう危険はないと私が判断したからね。

 それに今回の件で、レゼちゃんの裏にいたソ連との関係はほぼ切れたし。

 もしレゼちゃんがやらかしたら、その時の責任は私が取るよ」

 

 不安がる荒井君に対して、私は答える。

 

 今回の作戦、オペレーション・ブレイヴニューワールドでは人的被害は出なかったものの、多くの建物が壊れた。

 そのことについてソ連政府に『今回暴れた武器人間はお前のところのスパイじゃないのか!?』と問い詰めて、『いえ知りません』という言葉を引き出して尻尾切りをさせたのだ。

 なのでレゼちゃんはこれでソ連との縁は切れて、晴れてフリーとなったのだ。

 

 「へぇ〜だいぶ私のこと信じてるんだ。会ってそんなに経ってないのに。」

 

 「うん、レゼちゃんが今回暴れたのは命令されたからだからね。

 逆にそういう命令されなければ、しないタイプだって経験的にわかるもん。」

 

 「そうなんですか。じゃあマキマさんがそういうなら僕も安心できます。

 レゼさん、これからよろしくお願いします!」

 

 私が大丈夫だというと、月本さんは不安そうな表情が消えて、明るく笑顔でレゼちゃんに接した。

 

 「ふふふふ!おい後輩!レゼとか言ったの〜?先輩命令じゃ!あんぱん買ってこい!ガハハ!」

 

 私の大丈夫という言葉に調子乗ったのか、パワーちゃんはレゼちゃんに何故か偉そうに命令する。

 パワーちゃんを一瞥した後、無言で私を見つめるレゼちゃんに対して私は頷きながらゴーサインを出した。

 

 「ふん!」

 

 「ぐげぇ!?」

 

 レゼちゃんは素早くパワーちゃんに近づき、首に攻撃をしかけて動きを封じた。

 

 「パワーちゃん、今のはパワーちゃんが悪いからね。今後他の新人が入ってもいじめないようにね。はい、血。」

 

 

 私はレゼちゃんの攻撃で動けなくなったパワーちゃんに、血をあげて回復させた。

 

「ぐすん……デンジー!新人がいじめてきおる!」

 

 「いやオメーのせいだろ」

 

 「おー、レゼちゃん凄いね。爆弾の武器人間って聞いて建物とか戦いで壊しちゃうと思ったけど、変身しなくても強いんだ。」

 

 「武器人間としての火力もあって、素のスペックも高いと……期待の新人ですね。」

 

 レゼちゃんの強さを初めて見た姫パイと伏さんは感心しながらいう。

 

 「レゼちゃんの凄さもわかったところで、改めてみんなよろしくねー。

 さて、自己紹介も終わったところで……実は親睦会を兼ねた特異4課での旅行を検討しています!

 なんとお先は江ノ島だよ!江ノ島!」

 

 「いえーい!マキちゃん流石ー!」

 

 「江ノ島ってどこだ?」

 

 「江ノ島にはワシの別荘がある」

 

 「絶対嘘でしょ……この子さっきからなんなの?」

 

 「レゼ、こいつのいうことに耳を傾けるな。こいつは虚言癖の見栄っ張りだ」

 

 「旅行……他人のお金だから存分に楽しめます!」

 

 「コベニちゃん……」

 

 「おおおー!江ノ島いいですね」

 

 

 

 私が江ノ島旅行のことを伝えみんなが盛り上がった時。その時だった、扉が開いて何者かが入室したのは。

 

 

 

 ガチャリとドアを開ける音が聞こえ、私は振り返った。

 

 「ん?すいません今ここ会議で使ってて……て、岸辺先生?どうしたんですか?」

 

 「話してるところ悪いなマキマ、まずいことになった。」

 

 そういうと岸辺先生は一本のビデオテープを私に渡した。 

 私はそのビデオテープを再生するとそこには原作で見たニュースの報道が流れていた。

 

 

 『敵か味方か!恐怖デンノコ悪魔!』

 

 その内容はデンジ君がチェンソーマンの姿で悪魔と戦っているシーンを、報道する内容だった。

 

 「な、なんで報道されてるの!?ビッグブラザー作戦以前の映像が残ってるのはともかく、ブレイブニューワールド作戦の映像まで……。都民は全員避難させたはずなのに……」

 

 「レゼ以外に潜入させてたスパイがいて、そいつに映像を撮らせたんだろう。それをテレビ局に垂れ込んで放送させたんだ。敵側の方が一枚上手だったみたいだな。」

 

 画面を覗き込んでいるデンジ君とパワーちゃんは楽しそうにはしゃいでる。

 

 「デンジが電車で戦っておる!」

 

 「テレビに映るって気持ちいいですね!」

 

 そんなふうにはしゃぐ二人とは対照的に、他のメンバーはシリアスな雰囲気でテレビを見つめていた。

 

 「なるほど……私が失敗するのは想定内だったわけか。」

 

 「これはまずいですねぇ」

 

 「後輩も大変だなこりゃ」

 

 「………え?」

 

 みんなの反応に対してデンジ君は違和感を感じたらしく、困惑している。そんなデンジ君に対して、私は何が起こってるのかを説明した。

 

 「デンジ君……今結構厄介なことになっちゃったんだ。

 報道されてデンジ君の存在が知られちゃったでしょ?

 武器人間ってのは、数が少なくてすごく強いんだ。

 だからレゼちゃんみたいにいろんな国が刺客を送ってくる……。デンジ君という武器人間を手に入れるためにね。」

 

 「待ってください。レゼはソ連の刺客でしたよね?なんでわざわざソ連は武器人間であるデンジを欲しがる敵を増やすんです?」

 

 「………」

 

 アキ君の質問に対して、私は黙った。なぜなら理由がさっぱりわからないからだ!

 原作の真マキマさんは私と同じく支配の悪魔で滅茶苦茶すごかった。私とは比べ物にならない大物感があったし、実際大物だった。だからデンジ君という武器人間を、真マキマさんが手に置いている状況をよしとせずに世界各国は刺客を送ったんだろう。

 でも私はそんな悪いことしてないし、大物感だってない。なんで私とデンジ君を引き離そうとするの!?

 それに映像だって撮られないと思って、旅行を楽しんだ後に刺客の対応をしようと思ってたのに……どうして原作通りに旅行が延期になっちゃうんだ……。

 

 「理由はともかく……問題なのはデンジを目当てに刺客が送られることだな。」

 

 私は岸辺先生の一言で正気に戻り、みんなに言った。

 

 「ごめんねみんな。とりあえず旅行は延期、取り敢えず海外から来るお客様のもてなしに取り掛かってもらおう。」

 

 「旅行……延期?」

 

 「はぁぁぁぁ!?おいマキマ!貴様は嘘つきなのか!?」

 

 デンジ君がポカンとした顔を浮かべ、パワーちゃんは憤る。私はパワーちゃんに軽く謝った後、みんなに指示を出した。

 

 「月本さん!宮城公安に連絡を取って日下部さんと玉置さんを呼んで!」

 

 「はい!」

 

 「アキ君は京都公安のスバルさんを!」

 

 「はい」

 

 「そして岸辺先生、吉田ヒロフミさんに連絡を取って、助力を仰いでもらっていいですか?」

 

 「構わないがなんでそんなに及腰なんだ?」

 

 私は公安のみんなと岸辺先生に原作通りの護衛メンバーを呼んでもらうことにした。

 吉田ヒロフミさんに及腰な理由?そりゃ、吉田ヒロフミさんがあの岸辺先生より強いからだ!

 どんだけ強いのかビビる……。怖い!

 

 そして私はデンジ君とレゼちゃんを向いて言った。

 

 「ごめんねデンジ君。私のミスで大変なことになっちゃって。

 これからいろんな国の刺客が来るから不便になると思う。けど絶対にデンジ君のことは守るから!

 それとレゼちゃん。新人歓迎会を兼ねて旅行をするつもりだったけど、延期になっちゃってごめん。どうか、私の代わりにそばにいてもらっていいかな?」

 

 「大丈夫、貴方に言われなくてもデンジ君は守るよ」

 

 「ありがとう……レゼちゃん!」

 

 私はレゼちゃんにデンジ君を頼んだ後、部屋を後にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それでマキマ、外国の刺客についてだが、お前はどこから誰が来ると思う?」

 

 「そうですね……まずアメリカですが、あの国はスキャンダルを嫌います。

 人を攫おうとしただなんて知れたら政権だけでなく党にまでダメージがいくでしょう。それを恐れて政府の人間ではなく民間……それも致命的に黒なデビルハンターではなく、際どいグレーなデビルハンターを使うでしょう。

 その条件であれば、死者に変装できる不死身三兄弟が来るはずです。」

 

 「ソ連は?」

 

 「ソ連はレゼちゃんを送った直後ですからね、送らないか、来たとしてもそんな大したことないと思います。

 同じ共産圏である中国であれば、武器人間であるクァンシ……岸辺先生のバディだった彼女が来るでしょう。

 クァンシさんについては岸辺先生の方が詳しいですよね?」

 

 「ああ、まぁな。何度も殺されかけた仲だ。

 アイツには近づきたくないな。全人類が集まって素手で殴り合う競技があったなら一位がクァンシだ。」

 

 「そのセリフ前にも聞きましたよ……憂鬱ですね。しかも魔人も一緒に来るとは」

 

 「とにかくやりにくい女だな。クァンシは警戒しても仕方ないか。警戒すべきは……」

 

 私と岸辺先生は口を揃えて言った。

 

 「「ドイツのサンタクロース」」

 

 「……マキマ、来ると思うか?」

 

 「来ますね。寿命が残り少ないとはいえ、確実に来ます。一番恐るべき相手です。」

 

 「アイツに悪魔を使われたら終わりだな」

 

 「いいえ、終わりません。うちには特異4課だけじゃなくて1.2.3課もいます。壁に当たり、それを乗り越えて生まれ変わった対魔2課もいます。

 そしてビッグブラザー作戦を経て経験を積んだ地方公安にレゼちゃんもいます。

 サンタクロースが能力を使おうと、我々は揺るぎません。」

 

 私は力強く言う。実際今の公安は今までよりもかなり増強されている、刺客編も銃の悪魔討伐も乗り越えられるはずだ。

 

 「……まぁ確かにな。今の公安は勝ち癖がついて波に乗ってる。この波も乗り越えたいもんだな。」

 

 「ええ、今回もまた勝って見せます。そのために岸辺先生、宜しく頼みますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドイツ某所

 

 

 ある老人がベンチに腰をかけて、新聞を読んでいた。

 そこに帽子を被った男が隣に座り、声をかけた。

 

 「……少し早いがクリスマスだ」

 

 「……プレゼントは誰に?」

 

 「今日本で話題のデンノコ悪魔に……見つけられるか?」

 

 「報酬は?」

 

 「何が欲しい?」

 

 「性別は問わない、美男美女の子供を4人。それと……出来るだけの人手を集めてくれ。そして人手を送り込む手段もな。

 子供は契約と養子に、人手の方は人形にする。」

 

 「人形は現地調達じゃダメなのか?」

 

 「ああダメだ。現地の公安に対策されるだろう。」

 

 少し帽子の男は黙りこくった後、答えた。

 

 「……用意しよう。だが人手の方はそこまで多く用意できないぞ?送り込むのも一苦労だからな。」

 

 そういうと男は一つの手紙を残して去って行った。

 

 サンタクロースはその手紙を持ち上げ、内容を確認した。

 

 『声はマキマに聞かれる。終末の日は近い。マキマを殺せ』

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