転生したので、偽マキマさんはデンジ君を推します   作:フィークス2号

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46話 オペレーション・ファイアパンチ

 

 

 

 

 

 

 早川アキは自分のチームのメンバー、姫野、デンジ、パワー、荒井を連れて、公安デビルハンター本部にある会議室を訪れていた。

 わざわざマキマの執務室ではなく会議室で話をするのは、それだけこれからの作戦に対する意気込みが強いからだろう。

 早川アキは歩きながらも、昨日未来の悪魔に見せつけられた夢を思い出していた。

 

 大きなチェンソーを持った悪魔、いやあれはよく思い返せば手からチェンソーが生えていたようにも思える。ただその姿はデンジの変身した姿よりも、遥かに禍々しく恐ろしい姿だった。

 

 『悪魔に最も恐れられる悪魔が地上に降臨するのさ。他でもないマキマの手によってね。』

 

 未来の悪魔のセリフが早川アキの脳内でリフレインする。

 マキマを疑うべきか信じるべきか、早川は悩みながら歩いていた。

 

 「アキ君どうしたの?悩んでるみたいだけど」

 

 「いえ、ちょっと良く無い夢を見まして……」

 

 アキの不調を察した姫野は声を掛け、それに対してアキは本当の理由をぼかしながら答えた。

 

 「なんじゃアキ!悪夢でうなされたのか?しょーがないのぉー!ワシが一緒に寝てやろうか?」

 

 「お前じゃねえんだから必要ねぇよ」

 

 「ハァ!?ワシは一人でも寝れるが?」

 

 早川は仲間たちと軽口を叩きながらも歩みを続けて、ついに会議室の前に到着した。

 

 早川アキはドアの扉をノックして、入室した。

 

 

 「みんな元気そうでよかった。呼び出しちゃってごめんね。」

 

 「いえ構いませんよマキマさん!今日はなんのようですか!?」

 

 「デンジ君元気そうだね!今日は重要な話があってね……。

 早川君は察してるようだね。」

 

 話を振られた早川アキは静かに頷く。

 

 「早川君元気ないね?大丈夫?」

 

 「……大丈夫です。」

 

 マキマは怪訝な表情を浮かべながらも、話を続けた。

 

 「これからみんなには銃の悪魔討伐作戦に参加して貰いたいんだ。」

 

 マキマは本題から入った。

 

 「おおー!ようやくですか!これで銃野郎をぶっ殺して人気者間違いなしだぜ!」

 

 「めんどくさいのぉ〜。ま、ワシにかかれば瞬殺じゃがな。」

 

 「……ついに、この日がやってきたんですね。」

 

 「銃の悪魔か。ようやくだね」

 

 「……………」

 

 マキマの言葉に対して、皆それぞれの反応を示した。

 

 「うん、みんな乗り気でよかった。これから話す内容はすごい重要な情報だから口外禁止。要は秘密にして欲しいんだけどいいかな?」

 

 早川は固唾を飲んで続きを待った。

 そして一呼吸をおいてマキマは衝撃の事実を語り始めた。

 

 「銃の悪魔は現在すでに倒されて拘束されてるんだ。」

 

 「なっ!?」

 

 「ええええええっ!?そんなァ!?」

 

 「ソ連が初めて銃の悪魔を見た時は、何者かにやられてすでに意識がなかったんだ。

 今銃の悪魔は全部肉片の状態になってて、アメリカ20%、ソ連が28%、中国が11%、その他の国が7%もってて、残りが世界中の悪魔がそれぞれ持ってるんだ。」

 

 マキマの語りに対して皆驚いた後、早川や姫野、荒井は慌てながら反論した。

 

 「そ……そんな筈は!だって、サムライソードの襲撃の時に銃が!」

 

 「そうだよ!私も撃たれたし!」

 

 「お……俺も撃たれました。」

 

 「それは人間が作った銃だよ。沢渡アカネが自白した。

 銃の悪魔の肉片を持ってる国が、銃への恐怖を増やす為にばら撒いてるんだ。銃の恐怖が強まれば、銃の肉片を持ってない国に対して米中ソは有利になるからね。」

 

 早川アキはふと気づいたようにマキマに尋ねる。

 

 「それじゃあ銃の悪魔を倒しに行くってのは……。」

 

 「日本政府は他の国から強奪する事を望んでいるって事だね。」

 

 

 

 

 そして会議室を沈黙が支配した。

 

 

 

 

 「まぁ、私はそれを無視しちゃうんだけどね!」

 

 「「「え?」」」

 

 そしてマキマは明るい声でその沈黙を破ったのだった。

 

 「上としては、銃の悪魔の肉片を全部手に入れるのがベストだと考えてるけど、討伐できるだけでも及第点だと考えてるんだ。

 銃の悪魔討伐を主導した政治家、そうなれば選挙では当選間違いなしだし、地位も名誉も保証されるからね。

 だから私は最初から表向きの銃の悪魔討伐を目的に動く!……そっちの方が死者だって絶対少ないし、公安のみんなも喜ぶし!

 どう?偉い人の命令をブッチしちゃうわるーい作戦なんだけど……。それでもみんな乗る?」

 

 マキマは微笑みながら言った。

 

 「……俺は銃野郎をぶっ殺すために公安に来ました。お偉いさんの為じゃない。ちゃんとぶっ殺せるなら断る理由はありません。」

 

 「アキ君が行くなら当然私も!」

 

 「俺もやるぜ!銃野郎には恨みはねぇけど、人気者になりてぇからなぁ!」

 

 「ワシも行くぞ!ワシはデンジのバディじゃからな!」

 

 「俺も……俺も行きます!荒井ヒロカズ!微力を尽くさせてもらいます!」

 

 「それじゃあ決まりだね!それじゃあ準備して貰おうか……北海道遠征にね!」

 

 「……え?また北海道ぉ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1997年9月12日 北海道 朝方

 

 秋真っ盛りの北海道。紅葉が見られて美しい景色が広がる中、内閣官房長官直属のデビルハンターであるマキマこと私は、この場で腕組みをして立っていた。

 

 この場所には私が集めた公安の精鋭たちが勢揃いしていた。

 なんで北海道にいるのかというと、それは銃の悪魔の被害者を減らす為だ。永遠の悪魔の力を使っても流石に何百万人ものダメージを肩代わりするのはキツイしね。その分北海道なら銃の悪魔が現れる場所を誘導できるし、人口密度も低いから被害を軽減できる。

 

 「しかし北海道か……銃の悪魔が暴れた土地でもある。まさに因縁の土地だな。

 ……本当に銃は、いや外国はここに銃の悪魔を送り込むのか?」

 

 岸辺先生は隣に立って私に尋ねた。

 

 「北海道というよりは、私の元に送り込むのが正確ですね。」

 

 私は答えた。

 

 「アメリカに送り込んだ小動物を経由して、大統領が私を銃の悪魔の力で殺そうとしているのが断片的にわかりましてね。

 その情報を逆手に取って北海道で迎え撃つことにしました。」

 

 「賢明な判断だな。東京じゃ人が死にすぎる。」

 

 岸辺先生に褒められた!嬉しい!おっと、浮かれてる場合じゃないや。

 

 「しかし……これだけの人数を集めたのはなぜだ?お前のプランなら7名を集めるだけで十分だと思うんだが。」

 

 「万が一のことを考慮してです。アメリカが送り込むのが銃の悪魔だけとは限りませんので。」

 

 そう、私は今回の任務で大量の人員を集めた。

 

 特異1課から4課まではもちろん、東京対魔2課や宮城公安の日下部さん達、京都のスバルさん達、他にも大勢のメンバーを集めた。

 それだけじゃない、武器人間として公安対魔特異4課に入ったレゼちゃんに、組員の恩赦を条件に協力させたサムライソードと沢渡アカネ、そしてクァンシさんもいる。

 ここまでの戦力を集めた理由は原作通りにいかない可能性を考慮してだ。実際、サムライソードの時は組長がなんか暴力団の悪魔と契約して超絶強化されてたしね。

 

 「おっと……そろそろ演説の時間ですね。」

 

 「いつものあれか、あれをやると士気が上がるからな。何度もリハーサルしたんだから噛むなよ。」

 

 「そんなプレッシャー与えないでくださいよぉ……。」

 

 私は弱音を吐きつつも演説の準備を始めた。

 そして私はマイクを手に取り、皆に語りかけた。

 

 「皆さん……ついに時が来ました。

 決着の時が……決戦の時が来ました。

 我々は10年前のあの日……多くのものを奪われました。

 そして我々は10年間、本来なら得ていたはずの日常を奪われ続けました。

 残酷な真実を伝えます……この決戦で負けても……たとえ勝っても、その奪われた日常は帰ってきません。皆さんもこのことはわかっていたでしょう。

 銃の悪魔を倒しても、死者は蘇りません。

 銃の悪魔を倒しても、建物は直りません。

 銃の悪魔を倒しても、時間は戻りません。

 

 それでも……我々は戦います。それは何のためか?

 一言で言うならば復讐です。銃の悪魔によって多くを奪われた怒れる人類の復讐……そのために殺すのです。そしてその怒れる人類の中には……こうしてこの作戦に参加している人もいるでしょう。

 ですが勘違いしないでください。この復讐は決して終わりではありません。

 この復讐を終えても、皆さんの人生は続きます。

 いえ、この復讐の後の人生のほうがよっぽど長いでしょう。この戦いは人生の序盤で起こる一つのイベントの一つでしかありません。

 

 この先に何が待ち受けているのか?

 

 復讐者として生きていた今までと違い、どう生きるのか?

 

 それはあなた方が決めることです。ただ願うならば、この作戦の後に物言わぬ死体として過ごそうとだけはしないでほしい。

 

 この先には様々な未来があって、人の数だけ自由な生き方があるのですから。

 

 例えば引退して、古着売りを営み平和な暮らしを一般人として謳歌するのもいいでしょう。

 このまま民間デビルハンターとして活躍するのもいいでしょう。

 そして公安に残り、人々に貢献し続ける、それもまた素晴らしいことでしょう。

 

 この事件の後、どう生きるか、自分自身がなりたい自分になる。それが正解です。

 

 ですが今だけ、今この瞬間だけは違います。貴方たちは主人公になるのです。

 

 主人公として、悪しき時代を、苦しみを、因縁を、破壊するのです。

 

 そして再び、悪魔に怯えることのない。無力感に、悲しみに、復讐心に囚われることのない、そんな日々を再生してみせるのです。

 

 私は全力で支援します。復讐の炎を纏ったその拳は、皆さん自身が放ってください。

 

 オペレーション・ファイアパンチ。開始!」

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