転生したので、偽マキマさんはデンジ君を推します   作:フィークス2号

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48話 チェンソーマン

48話 チェンソーマン 投稿版

 

 

 

 銃の悪魔との戦い。その戦いは銃の魔人達が新しく増援に送られたことで、戦況は大きく銃の魔人側に傾き、公安は苦境に立たされた。

 そしてそれは公安で戦う武器人間達も例外ではない。

 

 「クソ!クソ!クソ!数が多すぎる!これ以上は無理だ!」

 

 「口を動かしてる暇があったら、さっさと居合いを放て!お前はそれしか能がないだろ!」

 

 夥しい数の銃の魔人達、その物量に押されてサムライソードは思わず叫び、そんなサムライソードに対してクァンシは弓を放ちながら叱咤した。

 

 「でも、このままじゃ……」

 

 レゼは爆発するパンチで敵を蹴散らしながら漏らした。次々と押し寄せる敵の数に、レゼも弱気になる。

 

 そんな苦戦を強いられる中だった、地獄の悪魔により一際大きな扉が空に作られて巨大な銃の魔人が降ってきたのだ。

 

 「な!?で、デケェ!?」

 

 「図体がでかい分、銃口から放たれる弾もデカそうだ……注意しろ。」

 

 サムライソードはその大きさに驚き、クァンシは注意を周りに促した。

 

 そしてその巨大な魔人は頭部についた銃口から、散弾の弾を武器人間に向けて放った。

 

 バァァァン!

 

 居合のあるサムライソード、爆発で高機動の動きができるレゼ、そして元の身体能力が優れているクァンシはその攻撃を避けることができた。

 しかし一人だけ、デンジはそのような移動手段を持っておらず直撃を受けた。

 

 「あんぎゃあああ!!!」

 

 「で、デンジ君!」

 

 「今行ったら巻き添えくらうぞ!」

 

 思わず助けようとするレゼを、クァンシが静止する。

 

 銃撃を受けてふらつくデンジに対して、銃の悪魔はさらに追い打ちをかける。

 デンジはどんどん撃たれてボロボロになり、ついに変身が解除されて地面に倒れた……。

 

 デンジにとって絶体絶命のピンチ……そのときだった。

 

 『助けて、チェンソーマン』

 

 デンジは何も言わずに、ムクリと立ち上がり胸のスターターロープに指をかける。

 

 「待てデンノコ!お前はもう血が足りないだろ!一旦引いて血を補充しろ!変身できないぞ!」

 

 クァンシは声をかけるが、デンジは一切反応せずにスターターロープを引っ張る。

 

 ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ……

 

 デンジからエンジンの鳴る音が聞こえ……

 

 

 スチャ!

 

 たった一瞬で巨大な銃の魔人は細切れにされた。

 

 「は?」「なっ!?」「え?」

 

 他の3人の武器人間は、状況を理解できずに思わず声を漏らす。

 

 そしてブシャアアア!と魔人から血が吹き飛び、ようやくデンジが魔人を一瞬で殺したことを理解した。

 

 3人は改めてデンジに視線を向けるがそこにいたのは……黒い禍々しい姿をした、4つの腕からチェンソーを生やしたデンジとはまた別の悪魔だった。

 そしてその悪魔は3人に構うことなく近くの銃の魔人達を殺し回り始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「チェンソーマン?なんだそれは?」

 

 私が呼んだ悪魔、チェンソーマンについて岸辺先生が尋ねる。

 

 「チェンソーマン……彼はデンジくんの友達であるポチタが、ポチタになる前の姿です。

 私も詳しいことは知りません。私が知ってる話によると……彼は地獄のヒーローだそうです。ゲホッ」

 

 私は血でむせながら語った。

 

 「地獄のヒーローだと?どういうことだ。」

 

 岸辺先生は訳がわからないと言いたげだ。うん、急にそんなことを言われたら何言ってんだこいつってなるよね。

 私は傷だらけの体に鞭を打って、チェンソーマンについての解説を続ける。

 

 「チェンソーマンは助けを求めるとやってくる。助けを求める原因となった悪魔は、そのチェンソーで殺される。助けを求めた悪魔もまた、同様に殺される。彼を殺そうともチェンソーマンはエンジンを()かして生き返り、復活した彼に殺される。

 そう……それがどれだけ強力な悪魔であろうともです。」

 

 私が話をしていると、岸辺先生のトランシーバーに連絡が入った。

 

 「どうした?……何?デンジが変身して、悪魔をとんでもない勢いで殺しまわっているだと?」

 

 「どうやら……成功したようですね。」

 

 「……とりあえずマキマ、お前は一旦退け。このままだと、たとえ悪魔のお前でも死ぬぞ。」

 

 岸辺先生は私を気遣って声をかける。だが私はそうする訳にはいかない。

 

 「いえ……そうはいきません。私は万が一に備えて、死体ごと消え去らなければいけません。それに……この傷では長くないでしょうし。」

 

 「は?死体ごと消え去る?何を言ってるんだ?」

 

 「チェンソーマン……彼は圧倒的な強さで全ての悪魔から恐れられています。人間の恐怖ではなく悪魔の恐怖を糧に強さを手に入れたチェンソーマン。

 ですが彼が真に恐れられる理由……それはチェンソーマンが食べた悪魔は、概念ごと消え去ってしまうからです。」

 

 「そんな力があるはずが……本当にあるのか?」

 

 「人類史上最悪の政党にして政治思想にして集団。ナチス。

 人類が再び起こした過ち、二度目の最終戦争(第二次世界大戦)

 

 人と人が愛し合う行為、人を救うための医療行為、それらが感染経路となる凶悪な感染症(エイズ)

 

 広島と長崎を焼き払い、世界を2回滅ぼそうとも、お釣りが来るほどに造られたクラカチットを越す爆弾(核兵器)

 それらは確かに存在しました。しかし全て、チェンソーマン によって食べられて忘れ去られました。」

 

 「スケールがデカくて頭が追いつかないが……。それがどうしてお前が死体ごと消え去ることに……まさか!?」

 

 「ええ、チェンソーマンがもし私を食べたらこの世から支配の概念が消え去る。元から支配の概念がなかったことになるのです。

 そんなことになったらどうなるか、想像もつきません。なので、それだけは回避されるべきです。」

 

 私がそう岸辺先生に伝えた瞬間だった、左隣からチェンソーのブゥゥゥンというエンジン音が響きわたったのは。振り向くとそこには、いかつい黒い悪魔、チェンソーマンがいた。

 

 「な!?」

 

 「え!?早!?」

 

 思わず私はビビって声を漏らす。だって来んの早すぎるんだもん!

 

 私は思わず構えようとするが、反応できない速度でチェンソーマンは動き……右から私に近付いていた銃の魔人を細切れにした。

 

 そしてチェンソーマンは私の方を向いて、片手を上げながら陽気に言った。

 

 「ヴァ!ヴァヴァヴァヴン!ヴァヴァヴァンヴァヴァアアヴァンヴァヴァヴァヴァヴァンヴァヴァン」

 

 そう言い終えると、チェンソーマンはチェーンを飛ばして障害物に引っ掛けて、銃の魔人を殺しつつ移動して行った。

 

 「……どうやら、チェンソーマンはお前を殺す気も食べる気も無いようだぞ。」

 

 「そ……想像より何百倍もフレンドリーだった。もっと私に殺意向けてくるかと思ってた。」

 

 私はどうやら、私が思っているよりもポチタに好かれていたらしい。嬉しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 早川アキ率いる特異4課の早川班、彼らは他の部隊と同様に苦戦していた。

 

 「く!次から次へと!」

 

 「アキくん!後ろ!」

 

 「ワシに任せろ!」

 

 早川アキの背後から襲いかかる銃の魔人、それを姫野が指摘し、パワーが血の剣で切り倒した。

 

 「ガッハッハ!これで1000体目じゃ!ワシが最強じゃあああああ!」

 

 明らかに盛った数字を申告しながら、腕を上げるパワー。そんな彼女の腕を、銃の魔人の銃撃が吹き飛ばした。

 

 「ああああぁぁぁぁあああぁぁぁ!?」

 

 「パワー!?大丈夫か!」

 

 「パワーちゃん!?」

 

 「腕がぁぁぁぁ!ワシの腕がまたぁぁぁ!」

 

 パワーの負傷に気を取られた早川班、その隙に銃の魔人達に彼らは包囲されてしまった。

 

 「早川先輩!まずいですよ!銃の魔人達が集中攻撃してきました!どうしますか!?」

 

 荒井はメイスで銃の魔人達を倒してはいるが、その表情から焦りが見える。

 

 「くっ!取り敢えず耐えろ!この状況じゃそれしか無い!」

 

 必死に天使が作った剣で応戦する早川、そんな彼の耳にブゥゥゥンというエンジンの音が聞こえた。

 

 「この音……デンジじゃ!デンジが助けにきおったか!遅いぞデンジ!」

 

 「いや、それは違うよパワーちゃん。デンジがいる武器人間部隊はもっと遠くにいるはず……。」

 

 「ワシがデンジのエンジン音を聞き間違えるか!ほら見ろ!デンジがやってきたぞ!おーい!デン……誰じゃテメェ!?」

 

 大喜びしていたパワー。彼女の目に映ったのは、なんかめちゃくちゃゴツくて怖い黒いチェンソーを生やした悪魔だった。

 

 「こいつは……未来の悪魔が見せた!?」

 

 早川アキは目の前にいるのが、夢の中で見せられた悪魔であることに気づいた。

 そして目の前の悪魔は、腕からチェーンを伸ばして周りの銃の魔人達を拘束し、思いっきり引っ張り……全員まとめて一太刀で真っ二つにしてみせた。

 

 「ヴァ!」

 

 黒くてゴツい悪魔、チェンソーマンは早川達に向けて手を振った後、他に残った銃の悪魔を殺し回り始める。

 

 「な……なんですかあれ!?デンジの奴……にしてはゴツすぎますよね!?」

 

 「俺に聞かれても困る……一体何がどうなってるんだ」

 

 状況を飲み込めない早川班のメンバー、彼らは呆然としながらチェンソーマンが銃の悪魔を殺し回る様子を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 米国 ホワイトハウス

 

 

 北海道にて激戦が繰り広げられる中、チェンソーマンの復活により戦況が再び公安側へと傾いたという情報。それはホワイトハウスのアメリカ大統領の耳にも入っていた。

 

 「地獄の英雄チェンソーマンか……。マキマを排除できたとしても、彼が日本に残り続ければこの作戦の意味がない。

 いや……むしろマキマと違って行動がまるで読めずに世界が危機に陥るかもしれん。とんだ爆弾を投げつけたものだな、マキマ。

 だが……マキマよ。貴様は支配の悪魔にしては、支配の方法を知らなすぎる。」

 

 そう言うと大統領は電話をかけて命令した。

 

 「もしもし、私だ。そうだ、各国のマスメディアに報道をさせるんだ。

 銃の悪魔と戦うヒーロー、チェンソーマンについてな……。」

 

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