シャニPが死んでアイドルが曇るだけのお話 作:テンペストランス
ここ変だよ!みたいなところがありましたら誤字報告や感想でご指摘いただけると幸いです
「レッスンお疲れ様、円香。マドレーヌ買ってきたんだけど食べるか?」
「結構です」
「そっか・・・・・・、ここに置いておくから食べたくなったら食べてくれ」
「食べ物側の問題ではありません、あなたからの差し入れだから断っているので」
「は、はは・・・・・・手厳しいな」
「笑っておけばいいと思ってませんか?少なくとも私はあなたが隣にいる今の状況は笑えるものでは無いのですが」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
相変わらず暑苦しくて無駄に構ってくるクレイジーな人
でも、なんだか今日はいつもみたいに無駄に話しかけてくることが少なかった気がする
話しかけてきてもすぐに会話が終わったし・・・・・・調子でも悪いのだろうか?
くだらないことで体調を崩さないで欲しい
休まれたりしたら困るのだ
・・・・・・プロデューサーが居ないと仕事に支障が出るからである
決して会えないのが嫌だとかそういうものでは無い
大嫌いなあの人なんか、顔も見たくないはずなのだ
「・・・・・・なぁ、円香」
「気安く話しかけないでください。あなたとの会話が長続きするのも不快なのでさっさと要件だけお願いします」
「・・・・・・・・・いや、なんでもない」
「なんでもないなら話しかけないで貰えますか?アイドル活動として必要がある時以外は話したくもないので。そもそもアイドルになんてなりたくなかったのですが。今日は他にレッスンや仕事はありませんよね?」
「・・・・・・・・・そうだな、これで終わりだ」
「では私はこれで、お疲れ様でした」
「・・・・・・ああ、お疲れ様」
・・・・・・本当にどうしたのだろうか
いつもなら帰る私を呼び止めてでも鬱陶しいくらいに話しかけてくるのに
邪険に扱い過ぎて変に気を使って話しかけないようにしてるのだろうか
そんなことを考えながら事務所を後にした
家に帰ってからあの人の手帳が鞄に入っていることに気づいた
間違えて持って帰ってきてしまったのだろうか
まあ明日にでも返せばいいだろう
◆
次の日、あの人は事務所に来なかった
まああの人だって人間なのだから体調不良ということもあるだろう、そう思い過ごした
その次の日も、また次の日もあの人は来なかった
一切の連絡が無いことにはづきさん達が困惑し、社長があの人の自宅に向かったらしい
・・・・・・あの人は自宅で首を吊っていたそうだ
◆
あの人が死んだとわかった次の日、事務所のアイドルは全員休みとなった
社長が彼の死を伝えた時点で全員が仕事もレッスンもできるような状態じゃなかったから当然とも言える
私は自宅で彼の手帳を開いてみることにした
カレンダーの欄にはびっしりと全てのアイドルの仕事の予定が書き込まれている
最後の方は日記になっていた
初めの方は様々なアイドルとのエピソードや仕事についての感想など明るい雰囲気で書き込まれていた
@月$日
今日から新たに樋口円香という子をプロデュースすることになった
間違いない、彼女は凄まじい才能を秘めている
恐らくノクチルはトップクラスのアイドルになれるだろう
俺が彼女達を輝かせるためにも頑張らなくては
だが、終わりに近づくにつれて自らを責めるような内容に変わっていく
〒月●日
今日も円香に怒られてしまった
最近ミスが増えている気がする
円香は仕事もレッスンもそつなくこなしているし、どんどん人気も出てファンが増えてきている
だが円香との関係は悪いままだ、時間が解決してくれるかと思っていたがそんな単純なものでは無いのかもしれない
俺は彼女の助けになれているのだろうか?足枷にしかなってないのではないだろうか?
最後のページをめくる
○月☆日
円香にアイドル活動について苦言を呈された
彼女のアイドルとしての才能は本物だ、間違いなく彼女はトップアイドルになれるし、他のアイドルのみんなだってそれは当てはまる
・・・・・・だが、それが彼女に、彼女達にとって本当に幸せなのだろうか
彼女達は望んでアイドルをしているのか?俺が彼女達にアイドルという役割を押し付けているだけなのではないだろうか
・・・・・・明日円香に聞いて見よう
彼女達にとって自分が本当に不要な存在ならば、その時は───
そこで終わっている日記を読んだ時思わず座り込んでしまった
あの人の心の傷に気づきもせずあの人の優しさに甘えていた自分に吐き気がする
あの時もう少し優しく話せていれば、あの時あんなことを言わなければ、あの時自分の気持ちを伝えれていれば・・・・・・・・・
そんな考えがぐるぐると頭の中を回る
◆
あの人の葬式では事務所のアイドルが全員泣いていた
誰かがなんで、とかどうして、とつぶやくのが聞こえてくる
浅倉も、小糸も、雛菜も、目を腫らして泣いていた
私は、泣けなかった
彼女たちからあの人を奪ったのは私なのに
私に泣く権利なんてあるはずがなかった
◆
あの人がいなくなってもう何年になるだろうか
あの後結局ノクチルは解散ということになった
浅倉と雛菜はあの人がプロデューサーじゃないと嫌だ、と言いあの日から一度も舞台に上がること無く引退
小糸は4人でアイドルを続けられないのなら続けない、ということで2人と同時に引退した
私は1人で活動を続けている
あれだけ嫌っていたのに、浅倉がするから仕方なくだったはずなのに、
なぜ私はそばに誰もいなくなった舞台に立ち続けているのだろうか
分からないが、出番の前や控え室でふと隣に目を向けてしまう自分がいる
誰もいないことは自分が一番分かっているはずなのに
そんな自分が、どうしようも無く嫌いだ
今日がまた、過ぎてゆく
私はまだ儚い幻想に溺れている
──助けてくれる貴方は、もういない
あと書きという名の筆者の妄想録 〜樋口円香〜
ノクチルのメンバー、今回の曇らせ枠
むっっっっっっっっっっずい
樋口円香の心情が複雑すぎる
樋口円香、シャニマスの中でもトップクラスの激重感情を抱いている女の子(はづきさん&天井社長を除く)
自らの内面に踏み込んでくるPのことを苦手とする気持ち、嫌う気持ちとPを知れば知るほど彼のアイドルに対する真摯な向き合い方、その気持ちに触れて好意を抱く気持ちとの間で素直な言葉を出せず、攻撃的な態度をとってしまう
そんな複雑な感情が節々に現れる言葉、弱みを見せず冷静に振る舞いながらも激情を秘めるその精神、Pに対して飛び出すウィットに富んだ罵倒、全てが彼女の魅力であり、全てが二次小説書きを悩ませる要素となっています
多分何回読み直しても改善点が出てくるので書き上がったタイミングで投稿します(もしかしたら後日修正するかもしれません)
そんな円香に今回は曇っていただきました
二次創作に出てくるPヘッドのバケモノは不死身で不屈の精神の持ち主なので円香の凄まじい罵倒で気持ちよくなることが出来ますがこの小説のPは人の頭を持つ普通の男なので心が折れて死んでしまいました。おやおや、円香はかわいいですね
そんな樋口円香が所属するノクチルはPが死ぬと3/4が曇るという湿度マシマシアブラヌキみたいなアイドルグループです
雛菜が曇るのかどうかというのは論争が起きるところとなりそうですが私はP大好きフィジカルモンスター(隠喩)の雛菜が大好きなので曇らせます(異論も反論も認める)
浅倉はジャングルジムの思い出がある以上曇らない選択肢は存在しません
ゆっくりでいいから思い出すの待っていると言っていたら思い出す前に目の前からいなくなってしまった浅倉の明日はどっちだ
小糸は当然泣いて悲しみますが周りが曇りすぎてそれどころでは無いと思います。強く生きて
そんな円香は私の中で5本の指に入るくらい好きなキャラです
円香を曇らせるためにこの小説を書き始めたと言っても過言ではありません
円香の前で自殺したいしその影響で定期的に死んでいる首を吊ったPを思い出して過呼吸とかになってほしい、傷になりたい
以上妄想録でした