酒呑み二本角の鬼が召喚されました   作:酒呑童子?

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使い魔の仕事

「うぇひひ……うい〜……」

 

「どんだけ呑むのよ……」

 

「まぁ〜鬼だからねぇ〜……どちらにせよ、お酒は呑んでなんぼだよ」

 

あの後ルイズの部屋に入れてもらい、腰に着けていた瓢箪───記憶が正しければ伊吹瓢という名の飲み物で、無限に酒が湧く。そのからくりは酒虫という虫が水を酒に変えるかららしい───の酒をぐびぐびと飲む。

うん、やはり酔ってないとやってられないね。でも、伊吹瓢の酒だけじゃそのうち飽きちまう。新しく酒を探さないとね。

 

「……」

 

「ん〜? なんだいルイズ? ……あぁ! なんで酒臭くないのかって? ……私にも分からん!うぇひひ!」

 

「酔っ払いだからある程度の覚悟はしてたけど……まさかここまでの飲兵衛だったなんて……! まぁ、それはそれとして使い魔のやるべき事を教えるわよ!」

「本来使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ。早い話、あんたが見てる物や聞いている事を私も見たり聞いたり出来るの。……でもおかしいわね、なんにも見も聞こえもしないわ……」

 

ルイズの説明を聞きながら伊吹瓢の酒を飲み干す。……中に残ってるのはあと半分くらいかな?

 

「うひひ……酔っ払いのふらふらした視点なんて、見てるだけで酔っちまうかもしれないぜ? ま、見えない方がかなり幸せかもね!」

 

「うぐ……確かに想像するだけで酔いそうね……共有されなくて良かったかも。 次に、秘薬やその材料などの主人が望むものを持ってくること!」

 

「う〜ん……まぁ探し物はそれなりに得意だから任せな!……おっと、手品のタネはまだ教えないよ。その時になったら教えるさ」

 

「最後に、もっとも大切なのは……、主人を守る存在であること! その能力で主人を敵から守るのが、一番の役目よ!」

 

「おぉ! 心置き無く喧嘩ができるってことか! そりゃ嬉しいねぇ!」

 

「あのねぇ…………でも、この学院じゃ戦いなんてそうそうないから、普段は他の仕事をしてもらうわ。洗濯、掃除、その他の雑用!」

 

「あいよぉ……酔っ払いだけど、吐いたりはしないから安心しな!」

 

「さてと、喋ってたら眠くなってきたわ」

 

 

 ルイズが可愛らしく欠伸をしてみせる。時計が無いためわからないが、話し込んでいた為外は完全に真っ暗になっている。

 私も寝ておこうと思ったけど、ベッドは一つしかない。……まぁ、近くにある藁の塊をベッドとして数えるなら2つだけどね。ルイズにどうするか尋ねようとすると、いつの間にかブラウスのボタンを外していた。

 白く可愛いらしい下着が露わになる。……いや、まさか……ねぇ?

 

「……あぁ、着替え、よろしくね?」

 

ふふふ……ここはイタズラと洒落こもうかな♪ あそれっと!

 

「……ちょっと、早く着替えさせなさいってば」

 

ルイズが急かしてくるが、それはお門違いだ。なぜなら……

 

「よく見なってルイズ。ほら、自分の着ている服をさ!」

 

私が指をさしてようやく気づいたみたいだ。イタズラ成功ってとこだね!うぇひひ!

 

「え? ……ウソ、いつの間に着替えさせられてる!?」

 

「ま、私のチカラでちょちょいのちょい!ってことさ! ……んじゃ、私は寝る! おやすみ!」

 

「ちょっと! ……って、寝るの早いわね……起こすのもなんだし、私も寝ますか……」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「……んん〜……!! うん、目覚めは良好だね。……さてと…昨日ほっぽり出しちゃった仕事を終わらせますか!」

 

私は能力の応用で小さくなった後に40体ほどに分身。チビ萃香の集団の出来上がりさ!

 

「よーし、A班は洗濯物、B班は部屋の掃除、C班は……着替えの準備、D班は私についてこい!酒のつまみ求めて厨房を探すぞ! 仕事が終わったら他の班の手伝い! しっかり頑張った奴がおつまみを優先的に食べれるぞ!」

 

「「「「「おーー〜!!」」」」」

 

ま、全部私だから喧嘩なんて起きないんだけどね。結局おつまみはみんなで食べるし。

 

「…むにゃ……って、何事!?」

 

「お、おはようルイズ! 今分担作業してるのさ!」

 

「そ、そう……。って、誰よ!」

 

「ん? 萃香だよ。ほら、昨日アンタが呼び出した使い魔」

 

「あ、ああ……、うん。使い魔ね。昨日、召喚したんだっけ……って、なんかいっぱいいるわね……」

 

「あぁ、私の能力さ。ただの分身。ちっこいけど仕事が早いだろう?」

 

「そうね……」(私、もしかしてだけどかなり優秀な使い魔を召喚しちゃった? いやでも……飲兵衛だしなぁ……)

 

「ほら、朝食が無くなる前に食堂行こうぜルイズ!」

 

 朝食を摂りに行こうとルイズと共に外に出ると、近くの部屋のドアが開いて、そこから燃えるような赤い髪と褐色の肌をした女性が現れた。

 ルイズよりも何歳か年上のようで、比較的小柄な彼女と違って背が高く、平均的な男性と同じくらいの長身だろう。

 私達よりもバストも豊かで色気たっぷりと言った感じの女性だった。

 

 

「あら。おはようルイズ」

「おはよう、キュルケ」

 

 

 にやっと不敵な笑みを浮かべる女性に対して、ルイズは露骨に嫌そうに顔をしかめながら挨拶を返す。うーん……犬猿の仲ってやつかね?

 

「その子があなたの使い魔? 本当に亜人なのね。しかも子供だなんてすごいじゃないの。さすがは『ゼロ』のルイズ!」

 

キュルケはルイズの抗議を受け流しながら、自分の使い魔を自慢し始める。

 フレイムという名前らしい、尻尾が燃えているバカでかい赤いトカゲというそのファンタジーな生物を見て、私は酒のつまみになる生き物はいないのか考えていた。

 

 キュルケはそのまま、自分の使い魔が火竜山脈という所生まれのサラマンダーだの、好事家に見せれば値がつかないだのと、ありとあらゆる自慢をして、最後に私の名前を聞いてから使い魔を伴って悠然と去っていった。

 

 彼女がいなくなると、ルイズは悔しがって地団太を踏み、八つ当たりみたいに私に対して不満をぶちまけた。……まぁ酒を飲んでりゃ愚痴の一つや二つ、聞かないことは無いからね。あー、酒美味い。

 

 

「メイジの実力をはかるには、使い魔を見ろって言われているぐらいよ! なんであのバカ女がサラマンダーで、私のが飲兵衛なのよ!」

 

「う〜ん……あの女に酒飲ませて火ぃ吹かせるのもありかもねぇ……お揃いになって面白そうだ!」

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