~異次元大会~   作:バトルマニア(作者)

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とりあえず観察3

 様々な場所を隠れて移動する。

 

「ここらが潮時か」

『そうみたいね』

 

 様子見の終わった奴らが戦闘を激化させて、どんどん逃げ場がなくなっていくのを感じながら、観測者はそう思う。

 

「ちゃんと見れるのはあの戦いが最後……」

『どんどん規模が下がってるね。まぁ仕方がないことではあるけど』

 

 観測者も我慢の限界が近くなっている。そのため少しのキッカケがあればすぐにでも乱入しかねなかった。それを避けるために規模が小さい戦いを観測するのは当然の結果だ。

 

「あのオウカとカナタって親子が機人族?狭間世界の種族……じゃないか。表記も同じだし」

『似てたから形だけ作り替えたの。案外そういう子は多いわよ』

 

 狭間世界の種族と、それ以外の種族には明確な違いがある。創造主がどうたらとか、みんな多元存在だとかは当然として、パッと見でわかるのは魂の有無である。狭間の住人や生物は、魂がないのだ。それどころか精神体だとか霊体みたいなものまで、彼ら彼女らはその一切を持ち合わせていない。

 

「何もかもを持ってそうなのに、魂関係の物だけは何もなかったな」

『あの子たちがあっちの世界に求めるものの一つなのよね、魂って』

 

 観測者たちが相手取っていた“観測機”は、目的の一つとして魂を求めていた。それは単なる好奇心と知識欲から始まり、最終的には大多元宇宙を巻き込んだ戦争になったのだが、それはまた別のお話。

 

 

 

「くっ、あの子たち強いわね!」

「うん、負けていられない!」

 

 一部が機械でできた身体と二本の槍を持った親子が、爆発と共に相手の二人から距離を取る。

 

「ここに来てから調子がいいけど、ここまでたくさん強者が多いとは思ってなかったわっと、行くわよカナタ!」

「うん!」

 

 狐の獣人が煙の中から飛び出して、持っていた刀から斬撃を放つ。二人はそれをかわし、背後で構いているであろう獣人の仲間ごと、振った機械槍から放たれた光線で切り刻む。

 

「これも幻影か!」

 

 しかし獣人は少し歪むだけで、あと一人からも何の反応はない。そして二人に分かれた獣人は、親子に襲い掛かる。

 

「っ!?わかってたけどっ!!」

 

 槍で防ごうとするカナタだが、幻影のように実体がない獣人は槍をすり抜けカナタに斬撃が届きそうになる。そこでカナタは、爆撃を発生させて自身を吹き飛ばし距離を取る。

 

(どうしよう?)

(正確な情報がないと)

 

 打ち合いすらできない状況に頭を悩ませる二人。そこで出した答えが……

 

「「こうしよう!」」

 

 光線と爆撃、ミサイルで周囲を満遍なく攻撃をすることだった。

 

 

 

「む?波状攻撃であぶりだす気?」

「そうみたい」

 

 獣人の少女と、機械人形のような特徴が見える少女が、視界が覆われた世界を警戒しながら話し合う。

 

「妾の幻影対策をしようとしているの?甘く見られたものね」

「準備はできてる。早くお願いリン」

 

「わかってるわ海林」

 

 銃器を構え準備満タンだった少女の声掛けに獣人のリンが答え、自身の幻影を作り出し親子の方へと向かう。

 

「っ!?本物!?」

「確かめてみれば?」

 

 本体であるリンが狙ったのは、母親のオウカの方であった。オウカは手ごたえがあることに驚きつつも、これを好機とみているのか攻撃の手を緩めず連撃を繰り出す。

 

(幻影でかわされる!)

 

 実体をズラされているため攻撃が当てずらく、リン本人も弱いわけではないので攻撃が掠りもしない。しかし近接戦ではオウカたちの方が有利だ。見極めかわし対処しながらその差を埋めていく。

 

 だが――

 

「っ!?」

 

 海林のことを一瞬忘れていたオウカたち親子に襲撃が炸裂する。

 

「障壁までもってるのね」

「機人族を甘く見ないことね」

 

 そして始まる激戦と言わざる終えない攻防。銃弾と光線、爆撃や斬撃が飛び回り、幻影が消されては追加されていく。

 

(能力の効き目が悪い。ここにいる参加者は耐性と対策の高さが尋常じゃないわね)

 

 そんな激戦の中、リンはそう思った。実体を自由に出し入れできる幻影に、想像しうる最大の幻影を振りまき続けている。もちろんその中にも幻痛や幻惑など効果も入れているが、どれもそもそも届かない。完全には見透かされていなくても、拮抗するには十分すぎるほどだ。

 

(時間のっ!?)

 

 この激戦の中も相手親子は幻影の解析を進めている。早く決着を着けないとと焦ったその時だった。海林の援護射撃が止んで、後方で戦いが始まる。

 

「あっちも着いたみたいね。さ、決着をつけましょう」

「……いいわ。ホンキで相手してあげる」

 

 長期戦を捨て、一気に力を解き放つ。元よりそうしないと蹴りがつかないと結論が出たことも相まって、両者ともに目に見えるほどのオーラを迸らせていた。

 

 そして次の瞬間には、両者の力がぶつかり合い……

 

 

 

「邪魔しちゃ悪いな」

『そうね』

 

 観測者はそそくさとその場を離れるのだった。

 

 




 投稿キャラを使わせていただきました。

少し聞きたいのですが、当作品に出てくるキャラの強さは……?

  • バケモノ
  • 凄く強い
  • まぁまぁ強い
  • 普通
  • 弱い
  • 凄く弱い
  • ザコ
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