~異次元大会~   作:バトルマニア(作者)

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巻き込まれたようだ

 観測者が秋奈と神薙の戦いを眺めていると、ふと大地と大空に何かを観測し、そちらに目を向ける。

 

「ゴーレムと怪物か。こりゃ大規模戦闘になりそうだな」

『同意見ね』

 

 遠くの方に見えたゴーレムは、大地を取り込みながら大空へと手を伸ばし、恒星のような火球に手を突っ込む。だが次の瞬間にはその腕はドロドロに溶けて大爆発を起こし、周囲へとまき散らかされていた。

 

「こっちに来るな」

『そうね』

 

 山のようにデカいゴーレムがドロドロ粉々になりながら、観測者の方へと飛ばされてくる。それを――

 

「ほいっと!」

「うおっ!?」

 

 飛斬で真っ二つにして退けていた。そして中から、黒目黒髪でボサボサ頭の目隠れで長袖長ズボンのジャージを着たデカい男が飛び出して来て、地面にぶつかる。

 

 

「取り込めなかった!?」

「随分と派手にやってるみたいだな。お前」

 

 能力を使い観測者の攻撃を取り込もうとした男だったが、それが通じず急いで刀を向けてくる観測者から距離を取る。

 

(はぁ!?90点!?あのバケモンと同じじゃねぇか!なんでこう格上ばっかりとッ!?)

 

「とりあえず退場しとけ」

 

 観測者は男の思考を読みながら、首を斬り飛ばそうと斬撃を放つ。だが男は地面に潜り込み事なきを得ていた。

 

「能力は分かっている。あいつの相手もあるんだ。さっさとケリを着けさせてもらうぞ」

 

「その調子だと弱点もわかってんだろ!ふざけんな!」

 

 同化した地面を操り攻撃を仕掛ける。だがそのすべては地形ごと斬り刻まれ、スレスレで逃れた男は更に同化と侵食を広げて大規模な地殻変動を開始していた。

 

「陣地作成の要塞型能力。言ってしまえば迷宮化みたいなもんか。それにあらゆるものの吸収能力か。吸収量に限界があるのがせめてもの救いか」

『鉱人族と迷宮族に似てたからそれを参考にして調整したのよ。能力は侵食迷宮ね。非実体にしてるからコアとか本体はないけど、分ければ分けるほど性能は下がるわ。倒すには形を保てなくなるまで消耗させればいいわ』

 

 観測者の集めた情報をまとめて、上手く作ってるでしょ?と誇らしげな羊さん。それを聞きながら、呆れと恐ろしさを感じる観測者は、迫りくる地形の波状攻撃を斬り刻み、的確に力の流れが大きい場所を断ち切っていく。

 

 

(くそ!全部筒抜けかよ!消滅とかじゃなきゃ死なないと思ったのに!)

 

 男は、樽井 大祐は心の中でそう叫ぶ。惑星クラスのストックと無敵に思える力を手にしたのにも関わらず、最初に築いた拠点は範囲攻撃で消し飛ばされ、逃げ隠れていた所にあの化物に出くわした挙句、飛ばされた先にはそれと同等の観測者に命を狙われていた。

 

(運が悪すぎる!いや、ここに参加してる奴が化物すぎる!)

 

 樽井は、優秀な能力にものを言わせた物量と戦略を得意とする奴だ。こちらに来てから戦闘手段は増えたものの、戦闘における技術やセンスはからっきしであり、目立った才能の一つもない凡人である。なので、強すぎる能力や才能、経験による高すぎる技量などが当たり前なこの大会では少し見劣りするのだ。

 

 それでも――

 

「めんどくさすぎる。75点は納得の評価だな」

『逃走も補給も許さず削り続けるあなたの方が凄いわよ』

 

 際限なく巨大化したり、圧倒的物量で押し潰すことが出来るのは脅威だ。50点台程度であればこれさえあれば事足りるし、同格以上相手にも相性が良ければそこそこ戦え、逃げきることも容易だろう。

 

 こんな奴らに出くわさなければだが

 

「チッ!来たか!」

「来るなよ!」

 

 空から高速で飛来した者は、一瞬でうねり狂う森を更地にしたのだった。

 

 




・投稿キャラを使わせていただきました。

少し聞きたいのですが、当作品に出てくるキャラの強さは……?

  • バケモノ
  • 凄く強い
  • まぁまぁ強い
  • 普通
  • 弱い
  • 凄く弱い
  • ザコ
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