快晴の天気の下、柔らかで涼しい風が吹く大草原に、一人ポツリと現れた観測者。
「ランダムとはあったが、大自然の中とはな」
観測者が辺りを見渡すと、遠くの方に巨大な柱がいくつか見える。だが壁は見えず、森、山、山岳などの大自然が、どこまでもどこまでも連なっていた。
「これも施設の中なのか……」
『そうだね。ここだけでも星の表面積なんて軽く超えてると思うよ』
能力である観測を使い、観測者は一瞬にして試合会場全体を理解する。その施設の巨大さと、大会のスケールのデカさに二度驚いていた。
「一番近い参加者まで、最短で5キロも離れてるのか。それに参加者が17万人もいるんだが?」
『結構多いよね。大変だったよ』
観測者が見える範囲でこれほどの人数がいる。そして何より、それが小さく見えるほど巨大なこの施設に、驚きを隠せないでいた。
「デカすぎるし妨害もかかってるから、施設全体が把握できない。どうなってんだ……」
『そりゃね。いくら末端とはいえ六代施設の一つ、【虚構施設】なんだからそんな楽に見せてくれるはずないじゃない。なんてったって、わたしと張り合おうとしてる相手なんだから』
大会会場だけでもそれなのだ。施設全体ともなれば、そんなものでは済まないだろう。そしてなにより、管理者を相手取ろうとする存在なので、規格外なのは当然なのだ。
「とりあえず情報の収集と整理だ。今のうちに情報取っとかないと勝ち目がないかもしれねえからな」
『頑張れ~』
観測に特化した観測者が、隠れている参加者も踏まえて正確な数とバレないように簡単な情報を割り出す。それと同時に、地形の把握や相手の位置などの情報を取り出していく。
だが、そう上手く事が進むわけもなく……
「くっそ、やっぱ防がれたか。それに反撃もかよ!」
より正確な情報を抜き出そうとした瞬間に、嫌な顔をして能力を一旦切る。どうやら妨害されたらしく、おまけに反撃を受けそうにもなったようだ。
「流石に、強者と言われるだけは……」
観測者が最後まで言い終わる前に、各地で強大な力が同時多発的に発生し
「ちょっ!?いきなりかッ!?」
空が明るく光り、時空が歪み、世界が揺れ、空間にヒビが入り、瞬間的に莫大なエネルギーが発生する。
「やばいやばいやばい!!」
『見てる分には面白いね』
相殺と力のぶつかり合いが起き、余波である爆風が先程確認した地形を破壊していく。そして次に先ほどのせめぎあいに打ち勝った暴力の塊が、各地に降り注ぎ、光の雨や流星群などになり無差別に大地を溶かし吹き飛ばしていた。
無論それは、観測者がいる場所にも降り注いで来ており、急いでその場から逃げ出す。
「無茶苦茶だッ!!」
なんの捻りも、小細工もない純粋な暴力の塊。観測者は、そんなもの受け止められるはずもなく、一瞬にして逃げにまわる。だが攻撃の方が若干早かったのか、観測者に当たりそうになった。
『あっ、くるよ』
「こういうのは苦手なんだよ!」
観測者は振り返り、当たりそうな極大の光弾をいくつか弾き飛ばす。それを一歩遅く降り注ぐ流星にぶち当て、爆発四散させた。
「質量物じゃなくてよかった……」
『そういうの苦手そうだもんね。あとで教えてあげようか?』
「頼む。じゃなきゃ生き残れそうにない」
あの極大攻撃の数々はただの余波であり、そのお陰で観測者でも弾き返せていたのだ。そして苦手なものの対処法を教えてくれるらしい羊さんに感謝する観測者。
「やっぱな」
『そうなるよね~。何度も撃たれたらたまんないもんね~』
一回目の攻撃が止み、観測者は一気に戦況を確認する。すると、想像通り第二撃目が準備されていた。だが、その二撃目が放たれることはなく、先手を打った者たちへの攻撃が始まったからだ。
「にしても……マジでヤベえな」
同時に、今の攻撃で誰もリタイヤしていないことに驚く。
先手必勝、完全な不意打ちにも取れるあの奇襲攻撃を、無傷ではないにしろ参加者たちは耐え抜いていたからだ。無論、無傷の者や、もうすでに回復しきっている者も存在する。
そして何より……
「これがこの世界の自然か」
『そうだよ。これぐらいで滅んでたらこの世界じゃ生きてけないよ』
ボロボロになった大地がすでに回復しかかっており、観測者のいる草原も異常とも取れるほどの速度で植物が大地を覆い、消し飛んだ地形を覆っていく。
「参加者に比べれば弱い……ね。油断してたら簡単に足を掬われるほどの奴らが、か」
『原生生物以外にも各種施設とか兵器もいるから気を付けてね。そっちも手ごわいよ』
大自然の中で戦っているのだから、当然原生生物も存在する。おまけに施設の中でもあるので、その程度では済まなくなる可能性は非常に高い。なのにあの契約書には、観測者が言ったようなことが書かれていた。
「嘘はなかった。だが……」
観測者には騙されているのか、過剰評価されすぎているのかわからなかったが……
「想定以上だ」
そう思うのであった。
少し聞きたいのですが、当作品に出てくるキャラの強さは……?
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バケモノ
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凄く強い
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まぁまぁ強い
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普通
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弱い
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凄く弱い
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ザコ