~異次元大会~作者と愉快な仲間たち(乱入者視点)   作:バトルマニア(作者)

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次元球戦 中編

 攻撃が止み、二人は投影されたホログラムへと目を向ける。

 

『にゃあの最高傑作を相手にここまで粘るとは、中々見どころある奴らにゃ!』

 

「「誰だよ!」」

 

 そこには、堂々と腕を組み二人を見下ろす、ラフな格好をした毛深い目の猫獣人の少女っぽい姿のやつが投影されていた。それにツッコミを入れた二人に獣人は自己紹介を始める。

 

『にゃあは“猫屋敷 タマ”!この次元球の制作者であり、火力主義の技術者にゃ!』

 

「火力主義だと!?アオイさんと同じタイプか。かなりめんどくさいぞ」

「あの誰これ構わずぶっ放すやべぇ奴らか!?」

 

 火力主義又は威力主義などと言われる連中は、その名の通り攻撃性に振り切った兵器や技などを多用する者たちの事だ。目の前の次元球を見てわかる通り、総じて厄介者扱いされやすい者たちである。

 

『失礼にゃ!ちゃんと消し飛ばす相手ぐらい決めてるにゃ!』

 

「魔魅さんか?」

 

 作者がポツリとそう言い、猫屋敷はそれに反応する。

 

『そうだにゃ!魔魅さんににゃあの拠点を奪われそうになったから、戦って殺されたんだにゃ!辛うじて肉体を捨ててこの次元球の中に映したのはいいものを!魔魅さんは施設をスリープモードにしていきやがったのにゃ!酷いにゃ!』

 

 大会を開くにあたって現地人が邪魔になった魔魅さんは、一応勧告をして、従わなかった者たちを実力行使で黙らせていた。その被害者の一人がこいつなのだ。

 

「自分が弱かったくせに無謀にも挑んだせいだろ!どっちにしろ自己責任だ!」

 

『にゃあにはあそこしか居場所がなかったのにゃ!そもそも急に言われても困るだけにゃ!施設の移動だって楽じゃないにゃ!』

 

 こいつらの感覚では、挑むことも逃げることも個人の自由だが、それに関して自分で文句を言うのは違うだろ、と言うのが常識なので、最終的にはこういう結論になる。なぜならそれを言ったところで大抵はムダに終わるし、せいぜい愚痴程度にしておけという事だ。

 

「そういやお前、どっかで見たことあると思ったら、まさか賞金首か?」

 

『にゃ?知ってるかにゃ?そうにゃ!にゃあは賞金首500憶の賞金首にゃ!ちょっと借金が膨れ上がって返すのが遅れたのと、借金取りを追い返しただけで賞金首になるなんて酷い話にゃ!まぁにゃあの本体は死んだからきっと借金は帳消しにゃ!』

 

 世間は世知辛いと言わんばかりに呆れた顔をする猫屋敷だが、明らかにこいつが悪いだろう。まぁ奴らには悪気なんて一切ないわけだが。

 

「アオイさんと似たよなことを……」

 

『アオイさんにゃ?あんな奴と同じにしないでくれにゃ!自分の工房ごと消し飛ばすなんて正気のさたじゃないにゃ!それに賞金首も桁違いにゃ!70兆とかなにしたにゃ!?』

 

 その界隈で多少有名なアオイさんの話をだすと、自分はそんなバカじゃない!と反論する猫屋敷。それもそうだろう、いくら差し押さえさせられたからと言って、そいつらごと自分の拠点を消し飛ばして、報復するような奴と同じにされたくないだろう。

 

 

「にしても、ちっせいヤツはすぐに攻撃性を高めようとしやがるな。しかも喋り方も変だし、それが素か?」

 

『これは設定された言語プログラムの問題にゃ!にゃあの言葉に趣味を詰め込んだのと、一部の設定ミスのせいにゃ!そこまで調整する暇にゃんてなかったにゃ!魔魅さんは絶対に許さんにゃ!』

 

 見た目は生前のままだが、会話文はそうではないらしい。因みに大きさ的に攻撃力の低い傾向にある幼児族や小人族などの種族は、それを補うために過剰に攻撃にこだわる事がある。なので見た目によらず危険そうなやつは多い。

 

『ってことで、てめぇらにゃ、これからにゃあの次元球の性能実験と微調整に付き合ってもらうにゃ!そして魔魅さんへの嫌がらせがてらにこの大会を無茶苦茶にしてやるにゃ!』

 

 そう猫屋敷が言った瞬間に、次元振動が発生し、次元空間が崩壊を開始するのだった。

 

 




 ~おまけ~
・猫屋敷 タマについて
 借金取りと争い逃げきてきた先で隠れ家を作るが、数年も経たずに後からやって来た魔魅さんに、大会開催の際に邪魔者として始末された技術者の一人。
 すでに死んでいるが、執念で次元球の中へと意識を映してほぼ完全再現された存在。殺された事には恨んではいるが、次元球の中へと映ったことに関しては何とも思っていない。
 なお喋り方などは生前とあまり変わらないが、一部バグがあるので違和感を感じる時がある。
 因みに賞金首500憶は、二級の中ではそれなり。借金が帳消しになったかどうかわからない。
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