~異次元大会~作者と愉快な仲間たち(乱入者視点) 作:バトルマニア(作者)
幻想的に世界が崩れ、次元断層が丸見えになり、距離間や時空間、運動量や法則などが無茶苦茶になった戦場で、二人と一機は超高速で激しい戦いを繰り広げていた。
『にゃははは!やるにゃやるにゃ!にゃあの能力が混じった攻撃にここまで対処できるとは大当たりにゃ!』
四方八方、全方位へ攻撃を飛ばしまくる猫屋敷は、大笑いをしながら量子コンピューターを軽く超える演算をこなしている。それに対して二人は……
「黙れこの猫野郎!」
「いい加減にしろ!」
『効かんにゃ!甘いにゃ!隙だらけだにゃ!』
作者の曲斬と、鈴木の光線や波動など遠距離攻撃を全て対処しきり、的確に反撃を当てていた。
『にゃ?効いて無いにゃ?』
(共有しといてよかった!)
(貰っといてよかった!)
だが二人が持っていた身代わり紙と反射札により無効化される。そして残念な話だが、反射された攻撃は即座に消え失せていた。
(流石は最上位兵器だな。兵器ってだけで高性能なのに、こいつは同等級とは思えない性能だ!)
(特化型だからな。特定の分野、これだと攻撃に関して見れば格上と渡り合う用のだぞ!)
遠話でバレないように話し合う二人が言う通り、そもそもの積載量や目的に対する性能など、言ってしまえばキリがないほど差がある。そこに元人類の性能が一部とはいえ上乗せされているのだ。
『なにしたにゃ?見せてもらうにゃ!!』
攻撃を無力化した方法を知るために、再度“次元斬振”という次元属性の斬撃性衝撃波をまき散らす猫屋敷。それと同時に高度な感知機構で情報収集をする。
『なるほどにゃ!そう言う能力かにゃ!』
(やっかいなことを!)
(俺の力場を超えてきやがった!)
二人とも攻撃は防げたものの、情報を軽く抜き取られていた。これは手札の露呈であり、今まで以上に戦いずらくなったことを意味する。
『精度は同等で突破は不能ってところかにゃ。だったら予定通り物量でせめるにゃ!』
猫屋敷はこう言っているが、勿論解析の手も止めない。攻撃の嵐はより激しく正確になり、計算しつくされた猛攻は二人を苦しめる。
(やべぇ、攻撃もそうだが時間の消費も同じぐらいヤバい!)
(時間の確認なんてしてる暇もないし、外の様子もわからんからな!)
時空間までも歪ませる次元空間内部は、外とは流れる時間も違う。猫屋敷は大会を無茶苦茶にするために動いているので、極端な時間経過はないだろうが、一気に中盤戦ぐらいまで進む可能性はあった。
「「だったら!さっさと決着つけてやる!!」」
『にゃはは!できるもんならやってみるにゃ!』
その場にいる全員が調子を上げ続ける。決して隙を見せず、どこまでもとめどなく激しい攻防が続いていた。
そして――
『にゃ!?何が起きたにゃ!?』
「「ちっ!」」
二人が猫屋敷の猛攻を超え始める。それはほんの少し、機体を掠らせる程の攻撃だったが、それでも十分と言わんばかりに
『にゃ!にゃ!!にゃ!?』
少しづつ被弾が増えていくのだ。それに危機感を覚えた猫屋敷は即座に対策を講じるが、被弾は減ることはなく増え続ける。
『にゃあの防御結界が!対策が追い付かにゃい!?』
二対一だからか、それともただの演算機でしかないからか、慌てだす猫屋敷。別次元に回避しようが、他の次元に攻撃を飛ばそうが、次元空間を捻じ曲げようが、防御結界の強度を上げようが対処できない様子だ。
『なぜにゃ!なぜこうも押されるにゃ!』
「たりめぇだ!お前は単なる演算機でしかない!生物の勘と経験なんざ理解できないんだよ!」
「精度の低い張り付けられた記憶でどうこうできると思うな!」
二人は常にギリギリの脅威を与え続け、次元球の正確な判断を削ぎ落し続けている。同レベルの相手であれば対処が難しくても突破できないほどのものではないが、張り付けられた記憶しか持たない経験の浅い次元球では常に後手に回っていた。
『ッ!?』
そして最終的には、二人の接近を許してしまい、目に見えて深手を負う部分が増え始める。これにより自動修復機能が発動し即座に元通りになるが、攻撃の手が緩んでしまい逆にダメージが多くなっていた。
『な!にゃ!?~~ッ!!』
苦虫を嚙みつぶしたような顔で急速に学習を繰り返す次元球だが、一秒も待ってくれない二人の前では焼け石に水なのか、空間の支配権すら危うくなり始める。
『だったら!過剰次元!』
「「なっ!?」」
あふれ出す無差別な光の衝撃波が、手傷を負わせようとする二人を跳ね除ける。
『にゃはは!にゃあも成長する必要があるみたいだにゃ!より正確に猫屋敷の……いや、にゃあが猫屋敷 タマにゃ!どんな形であれそれだけは変わらないにゃ!』
近づくことも難しい極光の中でそう叫び、力が纏まってく。
「ありゃヤバいぞ。復活しかけてる」
「ああ、きっと残ってたんだろうな。単なる模倣品じゃなくて」
二人は猫屋敷はすでに死亡しており、アレは単なるその意志を引き継いだ模造品だと思っていた。そうでなくても猫屋敷の情報を利用しているだけの人工知能かだ。
だが違った。
この戦いの中で、ありえないほどの試行錯誤を繰り返した人工知能は、残っていた猫屋敷 タマの情報をかき集めて融合して復活をしようとしていた。いや、復活してしまった。
『さぁ!今度はどうするかにゃ?』
完全に強化回復された次元球の上に、二つの尻尾を持った猫屋敷 タマの姿が見える。そしてこれで終わらせると言う強い意志を込めて、極光の光を利用して、次元光を二人に向かわせた。
「「面倒だ!ぶっ潰してやる!!」」
それを二人は今までにないほどの動きで回避し、光線を弾き、高速で猫屋敷へと迫る。
『無駄にゃ!ムダにゃ!!もう惑わされないにゃ!!』
飛び交う斬撃と光線と衝撃波の数はすでに幾千億を超えて次元空間の果てに消えていく。猫屋敷の攻撃に隙はなく、先ほどのようなゴリ押しで埋め尽くしているようには見えない。
「「っ!」」
ズレまくる世界と、完成系と言う名のスタート地点へと至った猫屋敷に押され気味になる二人。しかし諦めることなく挑み続け、着実に一歩一歩進んでいく二人に、猫屋敷は笑みを浮かべ
『フフッ!もう準備は整ったにゃ!にゃあの勝ちにゃ!喰らえ!過剰次元砲ッ!!』
極大の光線を最高速で撃ちだした。それはきっと何もかもを圧し潰し、削り取り、消滅させるに足る程の攻撃なのだろうと思わせる程強大で、でも……
「「お前は二級だ!」」
『にゃ!?』
光線を押し退け、あらゆるものを切断し断絶させる斬撃と、あらゆるものを貫く光線の嵐が次元球を襲う。それにより猫屋敷は驚いたような顔をして、左右に真っ二つになり、一瞬で穴だらけになった。
『にゃ!にゃに!?極系を使えるにゃんて!にゃが!これぐ――!?』
急いで修復しようと破損部分に手を回す。
しかし――
「させるか!」
「くたばれ!」
攻撃の手が止んだコンマ一秒にも満たない間に、二人の追撃が放たれる。
『バカにゃ!?こんな、こんにゃところで――!?』
衝撃波と斬撃の嵐、そして力場と空間の支配権を奪われた猫屋敷は、抵抗虚しくスクラップになるのだった。
~おまけ~
・極系について
極系とは、極点、極線、極面などと言われる、極まった攻撃や行動の事。これらは非常に強力で、攻撃で言えば決まれば防ぐ手段がなく何でも破壊でき、防御や回避はその逆の絶対防御や回避と言う無茶苦茶な性能をしている。しかしその分使い熟すことは非常に困難で、乱入者たちである一般人最強格でも、狙って出すより偶然の方が確立が高いと言われるほど難易度が高い。
また状況だとか相性だとかの前提条件もあるが、それはあくまで使うまでの話であり、極系自体は上限に達した動きなのでぶつかることはなく、どちらかの失敗にって判定が決まる。因みに相殺だとかは、どちらも失敗した状態とも言える。