~異次元大会~作者と愉快な仲間たち(乱入者視点) 作:バトルマニア(作者)
戦いが終わり、日が昇り始めた時間帯で、スクラップと化した次元球を探る二人の姿があった。
「時間としては大して経ってなくてよかったな。で、ホントにあいつを回収するのか?」
「そうだ。他人に使われても厄介だし、ほっといたら復活しかねんだろ。だから先に回収しておくんだよ」
次元球は完全に大破した。だが恐らく中にいた猫屋敷はやられていない。あそこまで成熟したのだ。きっと復活も時間の問題だろう。
「それにもったいない。技術者としてもほっとけない」
「確かに、なるほどな」
鈴木は技術者だ。と言うか技術者に限らず、狭間の住人ほぼ全員に言えることだが、倒したいからと言って殺したいわけではないのだ。過酷な世界で生きる彼らにとって、利用できるものは利用したいと思う気持ちがあり、その一環と言うだけの話でもある。
「いたいた。で、どうしようか?」
「適当に端末にでも閉じ込めとけば?そうしないと逃げるだろ、非実体なんだから」
演算コア部分の機関を取り出し、再起動させる。すると目を回したのか、ぶっ倒れている猫屋敷が掠れた映像で投影された。
『に、にゃ……どうしてにゃ……』
「おっ、起きたな」
「起こしたの間違いだろ」
猫屋敷が気を取り戻して、周囲を確認してそう吐き捨てる。
「ショックを受けてるとこ悪いが、選択肢をやる。俺についてくるか、そのまま大人しくしておくか、消されるかどれがいい?」
『……そうだにゃ~、付いていくとしてどうなるかだにゃ』
猫屋敷は人格としては復活をしたが、完全体ではない。ホントだったら時間をかけて霊体と言う名の非実体を得て、機械から独立した存在になるはずであったが、そんな時間的余裕などどこにもなかった。
「適当にこの端末の中にでも入ってもらう」
『にゃ……随分古いの使ってるにゃね。丁度いいにゃ、改造してやるにゃ』
鈴木は端末を見せて、次に端末と演算機をバラいてササっと組み替えたりデータを移していく。凄く手際よくしているが、能力使ったり技術者でなければわからないようなことをしているため作者にはさっぱりだ。
「猫屋敷。お前次元の能力者だよな?」
『そうだにゃ、それがどうしたのかにゃ?』
空間の軸をずらしたり重ねたりして、内部空間を拡張やら圧縮をしている猫屋敷に作者は声をかける。
「どうやってんだ?俺にはさっぱりだな」
『やってること自体は簡単にゃ。演算がめんどくさいだけでにゃ。やっぱ機械演算じゃダメにゃね。肉体があったときなら意識せずになんとなくでできたのににゃ』
「思考が演算に置き換わりすぎたら、そりゃそうなるだろうな。生物の脳ほど曖昧なくせにちゃんと扱えるのはないからな。人格付きの人工知能はバグとか乱数大量に使って再現してるみたいだが、やっぱ別もんだからな。基本的には……」
猫屋敷は愚痴をこぼして、鈴木はプログラムや人工知能について話しだす。勿論作者にはさっぱりで、二人で勝手に盛り上がっていた。因みに作者も色々使えるが、利用しているだけで詳しく理解しているわけではない。
『能力は知識とアイデアにゃ。わかってたら色々と便利にゃよ』
「そうは言ってもな。詳しく知らなくてもなんとなく使えるし」
「まぁ大半の奴はそうだな。言語化できないだけで理解してない訳じゃないんだろうが。っとできたぞ」
作業を終えた鈴木は端末を操作し、猫屋敷が映る画面を見せる。それに対し猫屋敷が、不便だのスペックがどうのこうのと文句を言うが、即席なんだから我慢しろと言い返され、にゃあならと言おうとした瞬間に画面と音を切られた。
「いいのか?」
「うるさいだけだし、そもそも閉じ込めるのが目的だ。勝手に成長されて端末の中から出て来られても困る」
ため息をつきながら端末を仕舞う。実際その通りで、大半の力を削ぎ落しただけで、何もできなくなったわけではないのだ。隙さえあれば勝手に成長進化を繰り返すこいつらは、放置すると大変なことになる。
「そうだな。てかその中ですでに色々やってるかもよ?」
「だったら尚更これは使えないな」
全く言ってその通りで、猫屋敷は文句をたらたらたれながら内部で独立するための作業を進めていた。現在端末類を媒体にしなければまともな存在維持ができないが、それを脱しようと頑張っているのだ。
「霊体を通りこして次元体とかになるかもよ?」
「やりそうで怖いわ。で、こっちに向かってくる奴どうする?」
そう言い遠くの方を見る鈴木。
「あ~作業してて逃げる隙なくしたからな。当分は連戦かもよ?」
「だな」
そう言った瞬間に二人は息を整え、向かってくる奴らに注目するのだった。
~おまけ~
・狭間の住人の生存感について
狭間の住人は、生存のためになんでも利用する意識を持ち、次いでに他者のためにも行動します。これは、誰かが生存するという意味では効率がいいからである。彼らは現実主義であり、結果を受け入れることが多いが、自身が納得できない場合は改善しようと頑張り続けます。彼らは自己満足のために努力することを当然と考えている。